兵庫県知事選挙での選挙運動が公職選挙法に違反するとして、PR会社の女性社長が刑事告発されました。地上波とネットで一斉に叩かれるのは気の毒ですが、ブランドバッグを身に着けたキラキラ女子への怒りの根底には、SNS時代の歪んだ嫉妬を感じます。SNSの最大の罪は、身近な人に生活を見せつけあう虚構の張り合いが無用な憧れを生み出し、比べ過ぎ社会がやがて怨嗟という負のエネルギーに変わることだと思います。人間をダメにするのは慢心と屈折した自己承認欲求ですが、自慢する方もされる方もSNSの下僕になり、盛り過ぎる不毛なゲームから降りられなくなります。PR業界の性である自己承認欲求の強さは武器になりますが、政治活動においては時として命とりです。盛り過ぎ社会を生き残るためには、メタ認知能力の高さが求められるのかもしれません。
お知らせ
人類の叡智

先週末に行った長崎県の御湯神指しベストパワーランドは、今なお増え続けるサウナ施設とは全く異なる姿をしていました。水温シングルとかサウナハットとか、短期的なトレンドなど、もはやどうでもよいと思わせるのは、おそらく産業化以前の原初の姿をとどめているからだと思います。過去にも影響を受けたサウナ施設はありましたが、根底から思い込みを覆されたのは初めてです。人類史においてサウナが生まれた理由さえ感じます。第三次サウナブームの中心は調いやロウリュですが、不治の病の人がこの場所を訪れるように、刹那的な快楽より生命の根幹に関わります。直径10mの麦飯石のドーム式石室サウナの中央に薪を焚く場所を設け、松の木を豪快に燃やすのは単なる演出ではなく、今になって量子物理学を取り入れた医療が証明をし始めた人類の叡智だと感じます。考案した創業者が2015年に亡くなられたことが残念です。
日本車にエキゾチックさを感じる
N-VANを定期点検に持ち込みました。自分で買った車は伊伊英独英米伊製で、日本車の正規ディーラーに足を踏み入れるのは学生の頃以来です。当時の自動車雑誌には、スカイライン対BMWといった記事が多く、国産車は常に欧米、特にドイツ車の後塵を拝する存在でした。そのため左ハンドルなどへの舶来信仰に支配され、信頼性が高く合理的なことを分かっていても、国産車を避けてきました。日本製に乗ることは自分のアイデンティティさえ失うという思考に支配されてきたと思います。1時間半ほど待っていると、点検・整備を終え、作業内容の写真とともに、きれいに清掃された車が戻ってきます。当たり前の風景でしょうが、世界の頂点に達した日本の車を手に入れてみると、それが軽の商用車であってもエキゾチックさを感じ、やっと車と本音で向き合えるような気がします。
ブレーキ不要の高速

長崎まで往復して2,642km走りN-VANの平均燃費は18.7km/Lでした。不当に高い高速のガソリン代が災いして燃料費は2.6万、高速代が2.8万と微妙な値段ですが、自動車旅行のメリットは自由です。出来の良い運転席に助けられ、ほとんど疲れないのは驚きです。移動は慣れの問題で、一般道で福島往復500kmを普段から走るので、片道1,200kmの高速など支障になりません。疲れにくい理由は、フルフラットの車内に自宅の寝具を持ち込めることです。今朝も刈谷PAで瞬間的に寝落ちし3時間ほど熟睡して復活しました。もう一つは非力なエンジンがむしろ幸いして、飛ばす気にならないことです。ペースカーになりそうなトラックやバスについていくので運転が楽で、オービスにおびえる必要もなく、昨今は露骨な煽り運転が減りましたので平穏な旅を楽しむことができます。長崎までの道中、おそらく高速の本線上でブレーキを踏んでいないと思います。
サウナの最終形
長崎県諫早市にある、御湯神指しベストパワーランドに行きました。橘湾を見下ろす小高い丘にあり、細い山道を3、4km走りたどり着きます。直径10mある日本唯一のドーム式石室サウナの中央には、豪快に薪が積まれパチパチとはじける音を聞きながらのサウナはユニークです。入浴の後、麻袋をかぶり炎の近くで10分間を過ごしますが、敷いてあるむしろに火の粉が移り煙が出る過激さで、似たものを探すなら行ったことはありませんが、アメリカ・インディアンの治癒と浄化の儀式であるスウェット・ロッジでしょう。うつ伏せで寝て内臓を暖めますが、腸と肝臓の細胞を活性化することで、炎症が減少することを医師が報告しています。水風呂もありますが、使用は最後の一回のみで、3セットのサウナの合間に、椅子に座って薬草を焚く漢方燻蒸を30分受けます。原初的なサウナの形態を残しながら、サウナの最終形のような気がします。
究極のグランドツアラー
N-VANで長崎に来ました。往路1,250kmの燃費は18.9km/Lと悪くはありませんが、わずか25Lの燃料タンクのため4回給油をしました。非力なエンジンは坂道が苦手で、横風の影響を受けやすいなど長距離走行が快適とは思えませんが、個人的にはN-VANは究極のグランドツアラーだと思います。グランドツアラーは、長距離の自動車旅行に適した室内空間と快適な装備、乗り心地の良さや圧倒的なパワーなど安楽な移動を実現できるイメージがあります。しかし、遅いトラックが車線をふさぐ日本の道路にあっては、有り余るパワーなどストレスにしかなりません。何より見晴らしの良い運転席が秀逸で、給油とトイレ以外はほとんど座りっぱなしでしたが、長崎に着いた後も全く体に不具合がなく、過去に乗った車で最良と言えます。最大の強みはフルフラットになる空間で、IKEAの600mm幅のマットレスを敷くと、仮眠ではなく家と同様の環境で寝ることができます。
対策が原因に
廃虚となったホテルや旅館が目立つ会津若松市の東山温泉と芦ノ牧温泉では、150円課している入湯税を、来年10月から350円に引き上げ、廃業した旅館の撤去費などにあてると発表しました。150円を超える入湯税を課している自治体は、今年4月時点では北海道釧路市、洞爺湖町、大分県別府市など12市町で、東北の自治体では初めてとなります。旅館をしていた頃、入湯税の納付は手書き書類が面倒で止めて欲しいと思っていました。新たな入湯税を10年間続けると税収の増加は約14億円に上るようですが、廃墟対策のはずが廃墟の原因にならないか心配です。インバウンドブームの恩恵を受けない地域や施設では、数百円が命運を分けることもあり、足りなくなれば増税する感覚には危機感を覚えます。会津若松市のふるさと納税額は直近でも2億円と、知名度の割には伸ばす余地があるように感じます。
信用が崩壊した時代の資産防衛
三菱UFJ銀行の行員が貸金庫から顧客の現金や貴金属十数億円盗んでいた事件に衝撃が走りました。コンプラにうるさい銀行で粗末な事件が起こるのは不可解ですが、おそらく氷山の一角だと思います。動機、機会、正当化という不正のトライアングルの機会に抜け穴があるなら、昔から行われていたと考えるのが妥当でしょう。銀行と顧客の鍵がなければ開けられないという建前にはなっていますが、これまで不正が表面化しなかった理由は、金庫の中身が表に出せない金や利用者の記憶が曖昧だからかもしれません。利用者の高齢化もあり、自己申告の保管記録では中身の特定が難しく、この錬金術に気づいた犯人は今回が最初ではない気がします。大企業のブランドは信用補完機能でしたが、野村証券の元社員による強盗殺人未遂事件といい、信用が崩壊した時代の資産防衛は切実な課題なのでしょう。
人間の直観を要求する
近所のバイク屋さんに置かれるRZ250とKZ1300が気になります。どちらもバイクの免許を取った頃の時代を代表するモデルです。RZは自主規制上限となる45psを発揮し、借りて乗ったときは街中で全開にするのをはばかられる加速力でした。Z1300は国内最大排気量で、同じ6気筒ならCBXが好みですが、憧れの一台です。この時代のバイクや車を見ると、手っ取り早く80年代にタイムスリップでき、ひとときの没入感に浸り、当時のエネルギーすら得られる気がします。ユーロ5プラスへの対応など、バイクをめぐる環境規制も厳しさを増しますが、馬力ばかりが肥大化して安楽で面白みを失った車に対して、爆発音がざらつく機械らしい魅力を残すことが、リターンライダーを増やしている理由だと思います。快適装備で人間をだめにしてしまった車に対して、人間の直観を要求し、比類なきスポーツ性や運動性能を求めるならバイク一択でしょう。
味方は民意だけ
減税が焦点となった昨日の名古屋市長選では、市民税減税の継続と拡大を訴えた候補が当選しました。与野党相乗りで県知事の支援を受ける組織票に対して、草の根的な地方政党「減税日本」が圧勝した形です。国民民主党の躍進の原動力は手取りの拡大政策であり、兵庫県知事選の焦点も巨額の県庁舎建て替えにありました。トランプ次期政権でも減税が主要な政策で、政府効率化省(DOGE)を設置して連邦機関の75%を削減し、6兆7,500億ドルの予算から2兆ドルを減らすと言います。名古屋市は唯一減税を実現した自治体ですが、市の職員、市議会、県知事、総務省を敵に回して、民意だけで減税を勝ち取り4期戦ってきた河村前市長の偉業が分かります。兵庫県知事選の陰の主役であるN党の立花孝志氏は、来年1月の南あわじ市長選に出馬し、産業を盛り上げて稼ぐ自治体を訴えます。地方創生は稼ぐためのアイデアと行動力にかかっているのでしょう。