MT車は評価されるべき

フィアットが修理工場に入り1か月以上が経ちます。ドイツ向けの並行輸入車のため、工具をドイツから取り寄せたこともありますが、修理の目途が立たないと、次の車も考えざるをえません。問題は候補がないことで、4WDディーゼルのマニュアルトランスミッションの条件に合う車を、日本で買うことはできません。マツダにはMTのディーゼルエンジンが残りますが、4WDは選択できません。MTのこだわりを外せば、4WDのディーゼル車の選択肢は一気に広がります。今や国内を走るクルマの98%がAT車ですが、鳥取環境大学によると、調査したすべての年でAT車はMT車のほぼ2倍の高い事故率を示しています。クラッチペダルを踏む必要のあるMT車は、踏み間違いによる暴走を防ぐこともできます。車を操作する楽しさだけではなく、エンジンブレーキが効くなど安全性も高く、認知能力の維持につながるMT車はもっと評価されるべきでしょう。

勝者なき現実世界

Netflixでドラマ「ビリオンズ」を見ました。ウォール街を舞台にヘッジファンドと検察による司法捜査と訴訟合戦を描いたもので、他のネットフリックスドラマが予言めいた近未来を描くのに対して、アメリカの今を感じるのは2016年の作品だからでしょう。日本で公開されるのはシーズン5までの60話ですが、同じ主人公で全く飽きさせないストーリー展開には感心します。自作自演の詐欺を行うヘッジファンドと、権力欲から職権乱用に走る検察も精神構造は同じで、これがアメリカ社会の本質に思えてきます。地位や財産へ固執し、富と権力を増大させることにしか興味がなくなった富裕層は、人間の美徳を破壊されラットレースを走り続けます。だれもが心の内を明かさない世界で、精神科医が重要な役割を果たしますが、金銭感覚が麻痺し、結局は理性を狂わせていく勝者なき現実世界は後味の悪いものでした。

真夏の夜の稜線

国内トレランレース界最大のイベントであるTJARにおいて、上位、中位グループのゴールが続きます。妻は選手応援のために北アルプスに行きましたが、トップアスリートと間近で会えて、状況が許すなら会話すらできる競技など他にはないでしょう。三大流星群の一つであるペルセウス座流星群が見ごろを迎える、12日の深夜0時過ぎに槍ヶ岳を出発して、双六岳までの西鎌尾根をレースとは逆方向に歩いたと言います。満天の星空、天の川、たくさんの流星ほど山での印象を強烈に刻む体験はないと思います。陽光から逃げ場のない日中とは違い、真夏の夜の稜線ほど爽快で刺激的な場所はないはずです。飛行機に乗って地の果てまで行かなくても、ちょっとした冒険心さえあれば、非日常感満載のコスパの良いレジャーは手の届くところにあるのでしょう。

日本に住むことの幸せ

79回目の終戦記念日が過ぎましたが、戦争という邪悪な手段を用いて国境線を変更しようとする人間の愚かさに、進歩は見られません。1943年、独ソ両軍約6,000輌の戦車が戦闘に参加し、史上最大の戦車戦が行われたクルスクの地にウクライナ軍が侵攻したことは、劣勢が伝えられてきただけに最大の賭けだったはずです。不意打ちにあったロシア軍は劣勢とされ、昨年6月にモスクワへ向けて進軍したワグネルの反乱を思わせ、判官贔屓としては痛快です。終戦に向けた交換可能な交渉カードの獲得、ロシア軍の戦力分散、エネルギー確保など、ウクライナ側にとっては一石二鳥の大胆な戦略は功を奏したようです。しかし皮肉なことに、一番の効果は不協和音の聞こえていたウクライナ国内での戦意高揚でしょう。海によって国境線を守られる日本に住むことの幸せを感じずにはいられません。

70年代に帰りたい

銀座のNISSAN CROSSINGでスカイライン2000GT-R(PGC10 型)とフェアレディ(ZS30型)を見ました。国内ツーリングカーレースにおいて無敵の強さを誇ったGT-Rと、当時としては第一級の性能を持ち優美なスタイリングのGTカーは、免許を取得した頃は現役で、往年のレースシーンの残像を持つ最後の世代とも言えます。世界が内燃焼機関に死刑判決を下すような時代が来るとは知らず、無邪気に車やバイクに憧れることができた幸せな時代が70年代の日本でしょう。レース全盛期のヒーローはホンダと日産でしたが、今や両社は電化アライアンスを組む関係です。一方で、トヨタ、マツダ、スバル連合からは、電動化時代の内燃焼機関の可能性を追求する協業が発表され、日本産業のコアコンピタンスであるエンジンに資源を投下する、より現実的な戦略に見えます。豊かであることが必ずしも幸せとは思えないのは、強烈に憧れる対象を持てなくなったからかもしれません。

身を守るために学ぶ

結局、腰痛は「ほぐし方」が9割(佐々木政幸著)を読みました。背骨と筋肉がくっついている境目の筋肉である付着部筋は衝撃を吸収する役割を持ち、他の部位よりも硬く、一番痛めやすい部分だそうです。古くなったゴムのように、硬くなった筋肉は一般的なストレッチなどにより負荷をかけると、かえって腰痛を悪化させると主張します。腰痛本の多くは、レントゲン映像では分からない筋肉の状態に原因があると書かれており、おそらくそれは重要な原因の一つだと思います。こうした本を読むと、書かれていることが自分の症状に思えてきて、人は容易に信じるようになりますが、これほど腰痛本が出ている理由はそれでも治らないからでしょう。腰痛原因の大半がわからない以上、患者が自分の身を守るために学ぶ必要があり、ドクターショッピングが有効かどうかの判断は、結局自分しかできないと思います。

オリンピックより草レース

パリ五輪の日本は金20個、銀12個、銅13個のメダルを獲得し、米中に次ぐ世界3位の快挙です。しかし、オリンピックへの関心が年々薄れ、今年は競技を全く見ませんでした。テレビ全盛時代なら国民が一つのコンテンツで一体化し、国威発揚につながりましたが、もうそんな時代は来ないのかもしれません。スポーツは人々を熱狂させ今でも大量集客できますが、そこに感情移入できないのは、世界のトップアスリートより身近なヒーローにリアリティを感じるからだと思います。唯一関心があるのは、今も競技が続く富山県から静岡県までの山岳をつなぐ世界最長のトレイルランニングレースであるTJARだけです。多少かじったことがあればその大変さとゴールの感動を実感でき、出場者を知る親近感がわきます。公認のオリンピックよりも、アマチュアによる賞金も栄誉もない非公認の草レースに熱狂するのが今の時代なのでしょう。

一年以上も生きられる人体

家人がいない日は食事の回数を減らしますが、最も手軽な健康法は断食だと思います。飢餓を生き延びた人類は、食糧を得られない時に個体を延命させるシステムを備えるように進化しました。食べないでいると生命力を強化するメカニズムが働き、16時間の間欠的断食でも効果が現れます。仮に延命効果がないとしても、次の食事が美味しくなり、胃腸がスッキリすることを体感できます。断食の世界最長記録を樹立したアンガス・バルビエーリは、水分とミネラルのみで1966年7月から382日間断食し、体重は456ポンド(約207㎏)から目標としていた180ポンド(約82㎏)に達し自ら断食を終了しました。これはギネスブックに載る世界最長記録ですが、ギネスでは危険な行動が奨励されることへの懸念から、以後断食に関する記録の受け入れを中止しました。一年以上も生きられる人体は、無限の可能性を秘めているように見えます。

心の時計の針を戻す

身辺をシンプルにしたいのでモノを増やさないことを心がけていますが、今年になってN-VANを買ってしまい、今また別の物欲が沸々と湧き起こりつつあります。半年ほど前に近所にあるヤマハディーラの店頭で、遠目には250ccクラスにしか見えないXSR900を見てから突然バイク熱が再燃しました。16歳から乗り始めたバイクは30代半ばには降りていましたが、80年代を彷彿とさせるネオクラッシック・デザインと、高校生の頃に衝撃デビューしたRZ250を思い出させるカラーリングに心がざわめきます。193kgの車体に120psのパワーウェイトレシオの暴力的加速の痛快さは、日常では起こりえない経験です。悪いことに、ワインディングを疾走するYouTube動画を見ると欲望の炎は燃え盛ります。買う理由があるとすれば、心の時計の針を戻すことで体が若返ることを証明したカウンタークロックワイズ研究にあるように、四半世紀前の自分に引き戻すことでしょう。

地震予知?の影響

今夜の深夜0時に富山をスタートする、日本最長のトレイルランニングレースTJARの大会記録を樹立し、4連覇達成の偉業を成し遂げた望月将悟選手が、昨夜になって出場を見送ることになりました。南海トラフ地震の臨時情報を受け、万が一の事を考えた判断に日本人の生真面目さと仕事への献身さを賞賛したくなる一方、最有力優勝候補の土井選手も同じ消防の仕事をしており、変な圧力がかからないか心配です。尋常ならざる練習、準備をしてきたトップアスリートが、日本最高峰の大会を辞退するのは断腸の思いのはずです。1gでも軽量化したいレース本番の荷物に、万が一に備えて救助用のロープを加え、登山道のゴミまで拾う望月氏の存在は、トップアスリートが人間性においても模範となることを示しています。お盆のかき入れ時に海沿いを中心にホテルや旅館がキャンセルされるなど、地震予知の影響は広範囲に及びます。

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