戦争だけが克服できない

9月11日ほど世界の人々に記憶される日はないでしょう。何年が経とうとも世界を変えた日の記憶は鮮明で、世界の行く末に不安を覚えたことを記憶しています。当日は大阪のホテルに泊まっていて、高層階から見る瀬戸内海に映る夕日の輝きが抜きん出て美しかったことや、当時勤めていたグローバル企業の社員3人が飛行機に乗っていたことも、印象を強固にします。強い感情が記憶を強化するために当時を知る誰もが、911テロの起きた時間に自分がどこにいて、何をしていたのかをはっきりと覚えているのでしょう。21世紀最初の年に起きた不吉な事件が示唆するように、今も戦争の世紀が続いています。人類史における存亡の危機は、飢餓、疫病、戦争ですが、いまだに戦争だけが克服できないのは、人類の欲望が原始的な姿のまま継承されて来たからかもしれません。

拡張された人体

フィアットパンダの後釜となる車が思い浮かびません。4WDとマニュアルは譲れない条件ですから、仕事用に買ったN-VAN以上に興味を引く車を、新車で買うことはできません。昨日にかけて福島、新潟を750kmほどN-VANで走りましたが、ハイビームを含む自動点灯などの機能も付いて、過不足がありません。不満は燃費の悪さと上り坂での遅さぐらいですが、絶対的な信頼性とスペースユーティリティーの高さを兼ね備えたこの車が、100万円台半ばで買えることは奇跡的と言えるかもしれません。燃費が悪いとは言え、会津や奥只見の山を越えて新潟まで行っても19km/L以上走っているので贅沢な願いとも言えます。小気味良く決まる6速MTを操れば、軽の商用車であることを忘れる楽しさです。人は拡張された人体として車を無意識に扱いますが、そのためにはより小さくプリミティブな車こそがふさわしいのでしょう。

入浴環境をカスタマイズできるサウナ

昨日は白河と南会津で草刈りをしました。刈払機の歯を交換したので面白いように草が刈れ、適度に体を動かした後は近所の温泉に行きます。南会津の物件の周辺には木賊温泉や湯の花温泉など、風情のある温泉地が点在していますが、昨日は車で15分ほどの古町温泉赤岩荘へ行きました。57.2℃の源泉はほとんど無色透明ですが、鉄分を含むのか露天風呂は茶褐色に濁ります。源泉かけ流しの湯舟は43度程度でしっかりと汗をかけます。温泉もサウナも入浴による効能は似ていますが、異なるのは関わり方だと思います。温泉は基本的に自然の懐に入り込み、大地の力をダイレクトに感じるところが魅力ですが、サウナは燃料の投入やロウリュにより入浴環境をカスタマイズできることが利点です。温度や湿度を調整することで、誰でも入りやすく、その日の体調や気分にあわせた入浴体験ができるサウナの魅力に改めて気づきます。

ジャパン・アズ・ナンバーワン

フォルクスワーゲンがドイツ国内工場の閉鎖を検討していることが報じられました。1937年の創業以来初めての出来事で、その影響が他の自動車メーカーに及ぶ可能性もありそうです。IMFが今年4月に発表した世界経済見通しで、ドイツの2023年名目GDPが55年ぶりに日本を抜いて、世界第3位になったばかりです。言うまでもなく自動車は基幹産業ですが、ヒステリックなEV政策が裏目に出て、中国の電気自動車との競争にさらされ、ウクライナ戦争によるエネルギーの高騰、緊密な関係にあった中国経済の低迷などの打撃を受けた形です。ドイツの製造業PMIは2022年から低迷したままで、自国にとって安い通貨ユーロや移民を使った躍進にも陰りが見え始めたのかもしれません。『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を知る世代としてはかつての栄華に夢を託したくなります。

老化は押し返せる

昨日は2か月ぶりに西岳に登りました。普段なら1時間10分台で登る山道に2時間以上かかり、日頃はかかない量の汗をかきます。フィアットが入院中の2か月間は山に行かなかったために、太ったラブラドールも苦しそうです。動物は動くことのために最適化された生物であり、動かなくなった瞬間に肉体の退化が進みます。われわれが老化と呼んでいる現象の正体は廃用性萎縮であり、「若返る人―50歳のまま、80歳、それ以上を迎える方法」を著した進化生物学者のヘンリー・ロッジは、加齢に伴う肉体的変化の70%までは、運動によって逆転できる、と主張します。衰える肉体を押し返す秘訣は、週6日のハードな運動という説は過激ですが、加齢=衰え=死、という思い込みを消し去るだけで健康寿命が延びるのかもしれません。衰えは加齢のプロセスに現れる正常な現象ではない、という言葉に希望を見出せそうです。

ライブの熱狂も作り出せる

娘はK-POPの押活でシンガポールに行きました。今年は韓国や台湾にも行くらしく、何がそこまで若者を熱狂させるのかに興味があります。コンサート会場の熱気を再現できるなら、顧客を信者にしたいあらゆる事業者にとって門外不出のノウハウになるはずです。最近読んだ「最高の体調をつくる音楽の活用法」という本でおもしろかったのは、映画館の換気設備から採取した空気を分析すると、映画が著しくエキサイティングだった場面と他の時点では、二酸化炭素、イソプレン、アセトンなどの空気の化学組成の割合に違いがあるという研究です。人間は自分自身の気分や感情だけではなく、体内で産生されたある種の匂い物質を放出し、それを介して感情が他者に伝わり共鳴が引き起こされ雰囲気を作るというのです。タフな交渉の場にオキシトシンをまくという話は昔から聞きますが、おそらくライブの熱狂も作り出せるのでしょう。

健康を義務教育に

料金の高いドクターストレッチを続けようと思ったのは、施術後に腰痛が多少軽減したことと、気づきがあったからです。多くの医師と治療家を渡り歩き、その都度期待と失望の繰り返しでした。今回も過剰な希望は持ちませんが、心が動いたのは、一日経っても腰痛がそれほど戻ってこないからです。にわか知識によると、原因の分からない非特異的腰痛は、筋肉に負荷がかかり硬くなることに起因します。重い上半身を支える腰が、長年の悪い姿勢と間違った動作への警告を出しているのが腰痛だと思います。トレーナーの解説によって座るときに骨盤が寝ていることに気づきました。良い姿勢とはインナーマッスルを鍛える姿勢であり、座るときは骨盤を立てる必要があります。姿勢を良くしなさいと言われますが、良い姿勢を体感することが重要です。保健、体育、生物を統合した健康の授業を、義務教育にするべきかもしれません。

長年蓄積された痛み

昨日は腰痛対策でドクターストレッチに行きました。整形外科に行くとブロック注射などを勧められますが、根治療法を考えると自分の場合は硬い筋肉を緩めるストレッチが適切だと思います。初回料金こそ安いものの、60分の施術は8,910円と気安く通える金額ではありません。鍼灸1時間が5,500円であるのと比べても高いですが、重要なのは費用対効果です。施術後腰痛が幾分和らぎ、体が軽くなった効用を考えると妥当かもしれません。専門知識の不要なダイエットなら自分一人でできますが、体への理解が必要でインナーマッスルに届く施術を行うには、トレーナーの存在が欠かせないと感じます。注射や鍼灸は即効性があっても根治は難しく、長年の悪い姿勢などにより蓄積された痛みは、時間をかけて解消するしかないと思います。

使わなければ委縮する

本が読みにくくなったと感じていたので、昨日は眼科に行きました。視力検査をすると両目とも裸眼で1.5あり、「これだけ遠くが見えるなら近くが見えづらいのは当然」と医師は言います。自分でも半信半疑ですが、甲子高原の山中で1年ほど暮らすうちに0.2から1.2に視力が改善し、免許の条件から眼鏡等が消えました。都会人の多くは視力を補正しないと生活ができませんが、人間の目はもともと良かったはずで、モンゴルのような大平原に暮らす住民なら何kmも先まで見通すことができます。人体のあらゆる生理機能は、使わなければ廃用性萎縮が起こり衰えます。肉体労働が減った現代人が運動不足に陥り様々な病気を招いたように、受動的な娯楽を与えられて思考しなくなった脳の容量は低下傾向にあります。科学の進歩によって平穏無事で安静な暮らしが続くことが、緩慢な自殺につながるとは皮肉なものです。

攻撃は最大の防御

秋風を感じる季節になり、空を見上げ自然の風が頬をなでると平穏な幸せを感じます。災害の多い日本ですが、紛争の絶えない世界が嘘のような平和が保たれていることを、真剣に考えるべきでしょう。ロシア・ウクライナ戦争の戦局を変えた、ウクライナ軍によるクルスク侵攻は、戦史に残る作戦だと思います。限られた兵力を戦線から離脱させクルスクに投入した賭けは、圧倒的に不利な状況を逆転させた、朝鮮戦争における仁川上陸作戦と並ぶ評価を後世はするかもしれません。洋の東西を問わず「攻撃は最大の防御」とされますが、ウクライナによる奇襲は、ロシア経済そのものをじわじわと締め上げているように見えます。モスクワ周辺のエネルギー関連施設への大規模なドローン攻撃に対し、対空火器が前線に出払ったロシアは有効な防御ができていないようです。「攻撃は最大の防御」は、ビジネスの世界だけであってほしいと願います。

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