年末になるとスーパーのありがたさを感じます。365日店によっては24時間営業するスーパーほどわれわれの生活に密着するビジネスはありません。便利が当たり前になり、現代人は感謝を忘れがちですが、スーパーやコンビニという補給線なしに都市は存続できません。われわれが生命をつなげるのはスーパーがあるからですが、ビジネスは地味で収益性の面でも決して恵まれたものではありません。日々の品出しなどその手間は大変で、気楽な消費者は日付の新しい商品からピックアップしていきます。年末で混雑する店内を見ていると、この人手不足の時代にスーパー経営をするなど芸術の領域だと思います。大量の品を切らさず、大量の客をさばき、さらにおもてなしまで要求され、被災地では自分の家のことよりも店の営業を優先したと聞きます。生まれたときからある近所のスーパーは正月三が日は休業することを伝統にしていますが、たかだか3日店が閉まる程度で不便に感じる人は都市の生活に毒されていると思います。豪華なおせちや海外旅行などの贅沢と無縁の静かな年末を迎えられるささやかな幸せに感謝するぐらいが、心穏やかでいられると思います。
お知らせ
財政を破壊する思いつき投資
先日、ある自治体の三セク施設に宿泊しました。建設された時代背景もありますがこの手の施設に共通するのは事業収支など全く意に介さない過剰投資です。無意味に長い動線は空調や清掃コストを増やし、何より客や従業員がこの距離を移動する時間がコストです。大浴場までは往復数百メートルありお年寄りには過酷な距離です。かつては自治体に賃料を支払うことで貢献していた施設が、今は逆に助成を受けねばならず民間経営ならとっくに破綻しています。自治体の大きな悩みの一つがこれらの過剰なハコモノの後始末です。バブル崩壊後三セクの経営実態が問題視されましたが、この問題はオリンピックという免罪符で今もハコモノが作られ続ける現在進行形です。ハードばかりでなくソフトにも問題があり、半官半民施設ゆえにターゲット設定がなく利益の見込めない商品力向上に経営資源を投じ、他方で売上減少を加速させるようなコスト削減が行われています。船頭ばかりが多いうえにそれが時々変われば経営責任など無いに等しくなります。今の時代に売上を上げる方法は商品の卓越性しかありませんが、具体的な利用シーンのイメージのないままに思いつきで投資を繰り返しているように見えます。素敵なゲストに出会えることこそ宿泊施設経営の最大の楽しみだと思いますが、それを放棄する経営は愚かなばかりでなく自治体財政まで破壊しかねません。
昭和の空気を今に伝える組織
昨日は運転免許証の更新に行きました。昭和の空気を今に伝える組織は警察署ぐらいだと思います。昨今は役所でもお客様と呼ばれるご時世ですが、昭和の時代は民間企業もひどい状況で、今では考えられませんが路線バスやトラック、タクシーのあおり運転など日常茶飯事でした。規律維持のための批判を許さないコマンドアンドコントロールの組織風土がそうさせるのでしょうが、内部の論理だけで作られた商品が社会に受け入れられることはありません。交通警察の使命は交通安全ですが、免許更新時の啓蒙活動が極めて重要なはずで、せっかくの講習の機会をより効果的なプレゼンテーションにする必要があります。交通事故の悲劇は人々の心を打ちますし、受講者がなるほどと思える役に立つ情報提供をするなどいくらでも改善の余地があります。前例踏襲の昔ながらの退屈な講習で寝る人を注意する前に自分たちの仕事を評価すべきです。普通の市民を相手にする免許更新業務はすべて民間委託すべきで、印紙販売から写真撮影までひどい対応の連続に辟易します。大量の客を的確に笑顔でこなすディズニーリゾートやマクドナルドに見習ってほしいものです。
健康に良いのは恋愛だけ?
一般家庭に育ち、学生時代から政治家の秘書になり32歳で参議院最年少当選したアグレッシブさは政治家に必要な天性の資質かもしれません。鈴木宗男氏以来17年ぶりに収賄容疑で逮捕された秋元議員の上昇志向は常にお金を必要とします。もし彼が学生ベンチャーからそのまま企業社会に身を投じていても大成したことでしょう。金はあってもなくても不幸の原因になります。金を持つと空気のような存在になり、その先の不幸への警戒を解いてしまいます。彼が採決強行した「カジノ法」もやがて同様の不幸をばらまくでしょう。ニコチンやアルコールなど物質に対する依存症はこれまでに治療プログラムも確立されていますが、ギャンブルや食べ物、買い物など物質を介さない行為依存に関する研究は進んでいないのが実態です。依存症にはアルコールなどの物質依存、ギャンブルなどの行為依存、恋愛などの人間関係依存がありますが、このうち健康に良いのは恋愛だけでしょう。ギャンブル依存になる原因の一つはビギナーズラックとされますが、最年少当選というビギナーズラックが彼の人生を狂わせてしまったのかもしれません。
最低価格の最強ブランド
もっとも頻繁に使う外食はマクドナルドです。飲み物しか頼まないので平均消費単価は200円ほどですが出先のオフィス代わりになり、昨日も西那須野と白河の2軒に寄りました。24時間使えて、机と電源とWi-Fiを提供してくれて昨今は居心地も悪くありません。昼時はもちろん、朝早い時間でも人が入り活気があります。いきなり!ステーキや大戸屋など一時期はプライスコンシャス時代の勝ち組と目されていた外食企業の失速が伝えられ、外食ほど栄枯盛衰のはかなさを感じる業界はありません。マクドナルドやスターバックスもその例外ではなく、苦しい時期を乗り越えてきました。人手不足の昨今時間帯によってはサービスレベルが極端に低下することも散見されますが、いつも決まった方法で手早く提供することで顧客の期待に応えるマクドナルドほどブランドに対する信頼感が高い企業はないと思います。日本でもホテルのブランドが頻繁に変わる時代に入り、ブランドが意味を成さなくなりましたが、卓越したブランド力を持つ企業が最低価格帯というのも皮肉な話です。
世紀の金融犯罪?
日本工学院の授業のケーススタディにワークマンを取り上げ、高騰を続ける株価はバブル時代の再来のようだと話していたのは1ヶ月ほど前です。米中政府の株価操作もあって昨日はそこからさらに28%も上昇して、年率換算なら恐ろしい倍率です。昭和の時代は遊ぶと言うと競馬に麻雀、パチンコにゴルフと相場が決まっていてどれも賭けの対象?ですが、株ほどギャンブル性の高いものはない今の時代はいつか来た道です。株式を金融商品ととらえ短期売買で儲けようとする投機的株主と、企業に資金を提供し成長させて配当を受け取る安定株主を一緒にするところに株主至上主義の致命的欠陥があります。ROIを用いると分子の利益が一定なら分母の投資額を減らすと投機的株主は喜びます。日本的経営が想定したのは後者なのに投機的株主が会社を乗っ取ると安定成長や安定雇用を守れなくなります。90年代以降注目されたプロ経営者が胡散臭いのは多義的な企業価値について金儲け以外の尺度を持たなかったからだと思います。会社の時価総額を4年で6分の1以下にしてしまい株券印刷会社と揶揄されても居座る大塚家具の社長はその時代の残滓なのか、それともビジネスモデルに見切りを付けた父娘が大塚家へ高額配当を還元するために仕組んだ自作自演のプロキシーファイトだったのでしょうか。血肉を分けた親子が共犯なら世紀の金融犯罪が暴かれることはないでしょう。
人の責任を受け入れる日本人
昨日羽田から乗った飛行機の出発が30分遅れ、客室乗務員に遅れた理由を聞いても出発準備の遅れとしか答えません。ここがJALの素晴らしいところですが、その後別のCAが出発便のゲートに他の飛行機が止まっていたことが遅れた理由だと教えに来てくれます。しかし始発便にも関わらずゲートに別の飛行機が止まっていた理由は、聞いていないのか言えないのか教えてくれません。以前外資系企業で働いている頃に感銘を受けたのは、再発防止のために原因追求を徹底する姿勢です。日本企業の場合、だれかの責任が問題視されることを回避するために原因追求の手を緩める傾向があります。忖度、遠慮、和をもって尊しの精神は日本の良さであり同時に経営改善の観点からは致命的な弱点だと思います。責任追求をすれば誰かを敵に回すことでエネルギーを使いますし、仲間はずれにされることを極度に恐れる日本人は適当なところで問題に蓋をするか泣き寝入りします。飛行機が遅れたことより遅れた原因が放置されることに腹が立ちます。到着地の空港に近づくと普段の高度より低く、通常は空港をだいぶ行き過ごした地点で旋回をするのですが、空港のわずか手前で旋回して空路を短縮します。人の責任であっても何とかしようとするのが日本の美点なのかもしれません。
観光の終焉
2年前にわが家にホームステイしていたオーストラリアの留学生が、高校卒業後日本と韓国を一月半かけて旅行中にわが家に滞在しています。英語以外に日本語と中国語をほぼ完璧に話し今はフランス語を勉強しているという彼女の行動は従来の旅行者という概念ではくくれません。暮らすような旅という旅行の文脈を超えて両者が融合しています。留学時代の友人と会ったり、下北沢の古着屋を見たりグーグルマップを片手に大阪で買ったICOCAでどこにでも行きます。もはや旅行というカテゴリーでくくることが憚られるロングステイを見ていると、もしかしたら自分は都会が嫌いなのではなく、画一的な日本の都市を見飽きて退屈なだけだと思います。MaaSによりシームレスな移動が実現しそのICTプラットフォームに住居と仕事と信用スコアが乗れば働くことと世界中への移動が融合した新しい生き方が生まれます。人口減少と空き家、生産人口の減少に悩む日本が優秀な労働力という関係人口を世界から集めるために、目先のインバウンド集客など観光に留まらない戦略が必要だと思います。
忖度は日本のカルチャー?
かんぽ生命保険の不適切販売や総務省時代のポジションを背景に影響力を持ち、行政処分の検討状況を総務省から聞き出していた日本郵政の上級副社長の一連の問題は、周回遅れになっても懲りない旧態依然とした日本のムラ社会の健在ぶりを見るようです。変わらなくてはならないというのは対外的な姿勢だけで、いつまで経っても内輪のなれ合い論理が抜けず、そこには国民や消費者の目線はありません。秩序と調和を重んじ、変化の兆しを察知すれば出る杭を叩く風土からはイノベーションも斬新なアイデアも生まれなくなり社会との接点も閉ざされていきます。保身や忖度にまみれた非生産的な組織に長く身を置くと地位や名声、お金以外のものへの興味を失います。名誉ばかりを重んじ変わろうとしない組織ではお互いが忖度しあうことで双方の立場を守る独特の世界観が作られます。旧来の秩序を信奉するリーダーには確固たるビジョンや戦略がなく、挑戦に向き合うこともしない閉塞感がいずれ組織を劣化させます。イノベーションから遠いところにある組織は生き残りを賭けた切迫感がなく、遠慮や忖度を未だに尊い日本のカルチャーだと信じ込んでいるからです。リーダー自身が組織の外と向き合い変わらない限り大胆な挑戦ができないと思います。
結果にコミットの真実
問題解決で必要なのは原因を見つけることです。原因を特定しない対症療法では再び問題が起こります。西洋医学は対症療法ですから自ずと患者は生涯お世話になります。同様にあまたあるダイエット法はリバウンドを繰り返し事業者の経営を安定させます。太る原因を掘り下げないダイエットは体に無理を強いるだけです。ゆるい糖質制限で20kg体重を落としましたが、以後リバウンドはありません。リバウンドの定義にもよりますが仮に体重が増えても数日で元に戻せます。糖質制限については今でも様々な意見がありますが、糖質が肥満の主因で現代社会が糖質過多であることは疑いがありません。太るメカニズムに関与をするのは糖質摂取とグルコーススパイクによる食欲の暴走で、リバウンドする人は偽の食欲に騙されます。空腹と空腹感の違いが分かれば誰でも食欲をコントロールでき、自分で痩せられます。人の手を借りたダイエットはリバンドするのが常で、忙しくてライザップに通えなくなった有名人のビフォーアフターのリバウンド写真が一部でネタにされています。あと30年ぐらい経ってライザップのCMに出ていた人たちがどうなったか確認しないと、ライザップがコミットした結果の真実が分からないところに健康の難しさがあります。