
昨年の個人的なニュースは、長年悩まされてきた腰痛が、日常生活の支障にならない程度に改善したことです。老化とあきらめるのは思い込みで、やり方次第で体は元に戻るという気づきは、自己肯定感につながります。今年の目標は、運動最盛期の体を取り戻すことです。もう一つは2軒の古民家サウナの経営を軌道に乗せ、新しいプロジェクトを始めることです。人生の後半に入った人間にとって、マイビジネスを始めることは自己実現に近づき、同時に適度な緊張を維持できる適切な趣味だと思います。定年を契機にビジネスの経験を断絶してしまう風潮は、勿体ない気がします。幸か不幸か定年より早く組織を離れた自分には、仕事をしないという選択肢はなく、そうした強迫観念がなければ、怠惰な道を選んでいたはずです。そのモラトリアムも10年を迎え、仕事の刺激で心身を活性化する一年にしたいものです。
信頼が成立する日本

2025年のニュースは女性首相の誕生と、独裁国家を超える若年層の驚異的な支持率です。憲政史に残るばかりか、有史以来の日本の転換点に見えなくもありません。戦争の世紀だった昭和100年、戦後80年が暮れようとする今、世界では戦火が絶えず、貧困や絶望は蔓延したままです。平和と自由と豊かさにただ乗りする現代の日本人は、先人が艱難辛苦の上に築いた日常を当然の権利のように享受し、さらなる欲望に邁進します。大晦日のスーパーでは人々が好きなものを買い、家では暖かい風呂や寝床があります。自由に生きられる平和を今も最前線で守る人に、歴史の転換点ともいうべきこの日ぐらいは感謝すべきでしょう。熱しやすく冷めやすい日本人は、だまされやすい国民でもあり、それは島国ゆえの信頼の上に生活が成り立つおおらかさとも言えます。信頼が成立する日本の素晴らしさを、次の時代へと引き継ぐために何ができるのかを考えたいものです。
魔のオフロード4WD

昨日は南会津に行きました。車の気温計は氷点下11度を示し道路は雪に覆われます。例年この季節は凍結路での事故を見かけ、昨日もそうですが多くはオフロード4WDが横転したり派手に道路から飛び出しています。見かけるのは下り坂で、オーバースピードで進入しそのままリアの荷重移動によりグリップを失うケースが多いようです。12月はまだ雪道での運転に慣れておらず、夏に近い感覚で運転をしがちです。また一見濡れているように見える路面が凍っているブラックアイスバーンが発生しやすいのも12月です。4WDは発進や加速時に高いグリップ力を発揮しますので、その過信が速度超過につながります。SUV用のスタッドレスタイヤは、車重に耐えるためにゴムが硬めに設計されることが多く、氷上性能は低下します。重心の高いSUVはブレーキ時のロールが大きく、タイヤの接地圧が不安定になり、オフロード4WDは想像以上に雪道に弱いと思います。
後世に委ねられた評価



麻布台ヒルズに行きました。かつては毎日通った神谷町ですが、訪れるのは数年ぶりです。小さな住宅が入り組んだ下町のような谷地は、ヘザウィック・スタジオによるデザイン、起伏を生かした秀逸なランドスケープ、ディテールに至る素材の質感など、建築としての高い完成度の街に生まれ変わりました。一方で、集客上の課題も指摘されます。従来の森ビル開発との違いは、1.5流の立地、周辺の街との回遊による連続性の断絶がありそうです。アマンの姉妹ブランド「ジャヌ」は、知る人ぞ知るブランドで、六本木のグランドハイアットのような派手な主張をしません。それでも、建築家ではなく3次元デザイナーのトーマス・ヘザウィックに委ねた英断は評価できます。建築上の制約を無視した造形は、同時に日本の高い技術力を物語ります。森ビルが目指した緑に包まれた広場のような街の評価は、後世に委ねられたのでしょう。
豊かな時間

昨日ラブラドールと早朝の公園に行くと、水たまりが凍る寒さです。澄み切った空気により、雪に覆われた白い山を遠くに望むことができます。その後は両親の墓参に築地本願寺和田堀廟所に行き、毎朝7時から始まる勤行に参加します。声を出しての読経は深い呼吸を伴い、僧侶の声との同調は周波数の共鳴を起こし、どこか超越を感じます。帰宅してお風呂で体を温め、水シャワーを浴び、肌を刺す冷気のドライエリアで椅子に横になると、サウナに行かずとも調いを得られます。お金のかからない週末のモーニングルーチンは、単なる節約を超えて身体のバイオハックとマインドフルネスを高度に融合させると思います。人は手っ取り早く確実に手に入るドーパミン系の報酬に対価を払いますが、それがもたらす幸福の時間は持続しません。一方で日々の非物質的な豊かさは、オキシトシンやセロトニンを伴い、豊かな時間と自己決定感をもたらす気がします。
マーケティング万能論の終焉

イマーシブ・フォート東京が来年2月に営業を終了すると発表しました。開業から2年で、今年3月には大規模改装を終えたばかりです。森岡毅氏の「数学的マーケティング」という魔法が、冷酷な現実の前で消えようとしているように見えます。P&GやUSJでの成功は、資本、商品、IPという元々持っていた資産を磨き上げた結果です。しかし自動車のチューナーが自動車メーカーになることはできません。有名な大企業で実績を出しても、それは個人の実力ではなく企業の信用と仕組みです。もはやジャングリアの勝負もつき、この悲劇の共犯者は、彼の神話に熱狂し思考を委ねた人たちです。商売の神は数式の中ではなく、現場の体温の中に宿ると思います。ビジネス人に必要なのは、自らの目と感性で勝ち筋を見抜く野性であり、人々の感情を数式で操れると考えた傲慢さを教訓とすべきでしょう。
最高の健康アドバイザー

胃の調子が優れず一日一食にしています。昼食を完全に抜いてしまうと胃酸が強まりかえって悪化しそうなので、ギリシャヨーグルトと果物でも食べようかと思い、GoogleのAIに聞いてみました。その答えはヨーグルトを摂らずに夕食まで食事を抜いた方が良いという助言でした。その代わり、昆布、梅干し、なつめ、はちみつ、生姜、塩こうじ、本葛にお湯を入れて飲めというマニアックな民間療法を教えてくれます。医療に関わることを聞くと、極めて保守的な答えしか返してこないAIですが、相談内容が民間療法となると、突然アグレッシブに豹変する印象です。葛は家になかったのですが、残りの材料でお茶のようにして飲むと意外に美味しく、夕方には胃の調子が目に見えて改善します。民間療法に関してAIは、最高の健康アドバイザーかもしれません。
ゲームチェンジの残酷さ

欧州の成長エンジンだったドイツが、構造的な経済危機に直面しています。ドイツ経済の象徴である自動車産業の停滞は、一時的な景気後退を超えて進行しているようです。「値下がりしない資産」として扱われてきたメルセデスGクラスやポルシェの一部モデルの神話が崩れ始めました。ヨーロッパ勢の極端なEVシフトは、バッテリー劣化も敬遠され、リセールバリューを壊したと思います。機械的な剛性感が強みだったドイツ車は、近年ソフトウェアのバグに悩まされ、信頼性は低下の一途に見えます。他方で、日本車の品質は揺るがず、機能美と洗練を手に入れたデザインは強みになりつつあります。故障に怯えながら見栄を張る高額消費疲れも、その動きを加速させます。内燃焼機関を捨てたときに変わった、ゲームチェンジの残酷さは、これから訪れるのでしょう。
人間の優位性は揺るがない

早朝のジョギングを始めたのですが、止せば良いのに、途中で数本の坂道ダッシュを入れてしまい、ふくらはぎの肉離れを起こしました。長年の腰痛を一度で治してくれた近所の整体(ストレッチ)で施術を受け、翌日には普通に歩けるようになりました。アスリートを専門に診ていることもあり、効果はすぐに現れました。痛くても動かし、お風呂で温めほぐした方が良いという助言でしたが、帰宅してGoogleのAIに聞くと、動かさず、ほぐすなという圧迫と安静を優先する真逆のアドバイスです。自分の感覚では人間の判断が正しいと感じ、何度かAIとやり取りをしたのですが、AIは主張を一切変えず、最後には二度と坂道ダッシュができなくなると脅します。セカンドオピニオンとしては有効ですが、触診を行える人間の優位性は当面揺るがないと思います。
マインドフルネスな季節

冬至を迎えこの日を境に日照時間が長くなり、陰から陽に変わり運気が上昇する時期とも言われます。冬は寒いだけで良いイメージがありませんでしたが、福島県で生活をするようになって以来、その雪に埋もれる美しさに、好きな季節になりました。内に閉じこもる冬の季節こそ、自身を成長させる時だと思います。日照時間が短く、活動量が低下しますが、その静かで長い夜こそ内省や、体系的な知識を深く吸収するのに最適です。寒い冬は睡眠の質を上げるのにも適し、腸内環境を整える食事や入浴に時間をかけることができます。活動的な夏に向けて根を深く張るための、地味で、静かで規則的な生活を楽しむ、まさにマインドフルネスな季節が冬なのでしょう。そして、冬になると旅行に行きたくなります。魚の美味しい季節であり、観光地から人の姿が消え、日本海の荒波のような自然の厳しさを体感できるこの季節が増々好きになります。