
今年も各地のサウナに行きました。薪ストーブと外気浴は必須で、貸し切り数万円する施設を除外してベストのサウナを考えると、最も衝撃を受けたのは長崎県諫早市にある御湯神指しベストパワーランドのドーム式石室サウナで、松の木を豪快に燃やす室内は150℃に到達します。あまりの熱さにかぶる麻袋に火の粉が燃え移る衝撃的なサウナは、今後とも現れないでしょう。最もバリューなのは先週行った仙台の汗蒸幕のゆ(はんじゅんまく)で、韓国伝統の汗蒸幕をはじめ3つのサウナはどれもハイレベルで、朝10時までに入場すれば深夜1時までいても900円です。最も自分好みなのは、福島県郡山市逢瀬町のOUSE SAUNA TUULIで、美しい渓流に面する自作のサウナ小屋は、北欧もきっとこうなのだろうと思わせる、落ち着きと居心地の良さです。サウナブームの過熱から冷めた2025年は、本格的なサウナが登場する気がします。



サツマイモの値段がこなれてくると、本格的な焼き芋の季節になります。これからの時期の焼き芋と、熟してオリゴ糖が増えたバナナは最高の甘味だと思います。最も簡単に幸せになる方法が甘いものを食べることなのは、われわれの遠い祖先が、生き延びる上で不可欠な糖質を、果実が実る季節に得たときの衝撃的な幸福感から続く記憶だからだと思います。さらに幸せなのは焼き芋やバナナが、日常的に買える食べ物としては最も安く手にできることです。人が身近にある幸せにそれほど感動しないのは、自ら幸福のハードルを上げているからかもしれません。希少なもの、得難いもの、豪華なもの、非日常的なもの、高額なもの、すなわち贅沢に幸せを見出そうとします。むしろ逆で、贅沢が不幸を呼び込むのは、やがて自制が利かなくなるからだと思います。今を幸福と感じることができるなら、金銭的野心は影を潜め平穏な生活を送れる気がします。

サウナの経営者のなかには、全国のサウナ施設を回って最高のサウナを作ったと豪語する人が少なくありません。しかし、すでにレッドオーシャン化した業界の施設を見ることは、むしろ弊害の方が大きな気がします。他方でロイヤリティの高い顧客に支えられる施設もあり、週末に行った福島県郡山市逢瀬町にあるOUSE SAUNA TUULIはその一つだと思います。看板もなく、ビニールハウスを抜けた先にあるキャンプ場なのですが、美しい渓流に面するそのギャップにインパクトを受けます。自社が代理店をする北欧のバレルサウナ2台のほかに、北欧もきっとこうなのだろうと思わせる自作のサウナ小屋の居心地の良さは格別です。幅700mmの座面は天井高1,100mmと寝るのに適し、薪ストーブははるか足元にある理想のスペックです。TUULIはフィンランド語の風を意味するように、強風が吹き川の水量も危険なほどですが、冬のキャンプにサウナは必須と思わせます。

ホテル価格が高騰して都内ではビジネス客が泊まれないと言われますが、年の瀬のこの時期と正月明けは旅行客が動かず、温泉地などの宿は安いシーズンです。昨日泊まった磐梯熱海温泉のゆとりろ磐梯熱海は、以前はゼビオの経営だったと思いますが、施設はきれいで、pH9.1のアルカリ性単純温泉の源泉温度は50.4℃あり、朝5時半からサウナが動き、ドリップコーヒーも飲めて4,600円はバーゲン価格に思えます。よく行く白河はビジネス需要中心で、比較的宿の値段が高く、1時間とガソリン代をかけてでも来ていいと思わせます。事前にバーコードが送られますが、フロントに人はいますので、完成度の低い省人化チェックインのようなストレスもありません。再生案件でも追加投資は必要であり、いつ来るか分からない客を相手に価格を下げざるを得ない業界の現状を見ると、インバウンドで盛り上がる業界の姿とは程遠いものを感じます。