2025年のサウナ

今年も各地のサウナに行きました。薪ストーブと外気浴は必須で、貸し切り数万円する施設を除外してベストのサウナを考えると、最も衝撃を受けたのは長崎県諫早市にある御湯神指しベストパワーランドのドーム式石室サウナで、松の木を豪快に燃やす室内は150℃に到達します。あまりの熱さにかぶる麻袋に火の粉が燃え移る衝撃的なサウナは、今後とも現れないでしょう。最もバリューなのは先週行った仙台の汗蒸幕のゆ(はんじゅんまく)で、韓国伝統の汗蒸幕をはじめ3つのサウナはどれもハイレベルで、朝10時までに入場すれば深夜1時までいても900円です。最も自分好みなのは、福島県郡山市逢瀬町のOUSE SAUNA TUULIで、美しい渓流に面する自作のサウナ小屋は、北欧もきっとこうなのだろうと思わせる、落ち着きと居心地の良さです。サウナブームの過熱から冷めた2025年は、本格的なサウナが登場する気がします。

雪道はマインドフルネス

週末にかけて冬型の気候が続き、南会津の方から連絡を貰い古民家の雪下ろしに行きました。南会津の中心地の会津田島でも氷点下10度まで気温が下がります。N-VANは商用車用スタッドレスのブリヂストンW300をはきますが、フィアットのブリザックの半値以下の価格ながら、タイヤが細いことを勘案するとグリップ性能は変わらない印象です。山道に入るとアイスバーンになっており、その日の車の挙動を把握するまでは慎重に走ります。日曜日ということもあって、峠道のごく近い場所で2件の事故があり、どちらも4WDのオフロード車が道から窪地に落ち、自力では脱出できない状況です。シーズン初めは雪道の運転感覚が戻らず、とくに4WDのオフロード車の事故が目立ちます。4WDのオフロード車といえども簡単にスタックしますし、走破力が高いという印象が過信を生むと思います。雪道は普段より車の挙動に集中しますので、マインドフルネスになれます。

サウナはおまけ

柏崎市の日本海に面するサウナSHIIYA VILLAGEに行きました。人口100人の集落である椎名の名を冠し、空き家の増えた地域に活気を取り戻すことを狙います。自分なら直したい所はいくつかありますが、細かいことなどどうでもよいと思わせる魅力が、この施設が生まれるまでのストーリーです。海で魚を突き、山ではイノシシなどの猟をして、仲間でバーベキューを楽しんでいた場所と言います。地域の魅力に惹きつけられた若者が集落の空き家に住むようになり、寒い季節にサウナで暖まりたいという話がサウナ営業に至ります。しかし本当の狙いはオーベルジュで、地域外のシェフを定期的に呼び、地元の食材で本格的な料理を食べるイベントを年間通じて行います。モキ製作所のハイパワーのストーブで75℃に保たれ、北限である地元のお茶のロウリュも、井戸水の水風呂も快適ですが、サウナはむしろおまけ、というところにサウナの未来を見出せそうです。

仙台でソウル旅行

昨日は仙台市にある汗蒸幕(はんじゅんまく)のゆに行きました。韓国で600年の伝統を持つ温熱療法を模した、高さ6m、直径6mほどのドーム型の石室サウナの室内は100℃前後あります。しかし天井が高く体感70℃といった感じで居心地がよくしっかり汗をかけます。岩盤浴のように寝ることができる黄土サウナや、オートロウリュのついた北欧式サウナもあり、平日の朝10時までに入れば900円と安く、おそらく最もバリューなスーパー銭湯型サウナだと思います。40分5,000円の本場韓国式アカスリを加えれば、ラグジュアリホテルの数万のスパと同等以上の効能が得られそうです。韓国料理を中心にしたレストランもあり、ここで一日を過ごせばソウル旅行気分も味わえます。北欧においても横穴式サウナが原初的な形態とされますが、蒸気浴による温熱療法は、人類が最初に編み出した健康法かもしれません。

衝撃的な幸福感

サツマイモの値段がこなれてくると、本格的な焼き芋の季節になります。これからの時期の焼き芋と、熟してオリゴ糖が増えたバナナは最高の甘味だと思います。最も簡単に幸せになる方法が甘いものを食べることなのは、われわれの遠い祖先が、生き延びる上で不可欠な糖質を、果実が実る季節に得たときの衝撃的な幸福感から続く記憶だからだと思います。さらに幸せなのは焼き芋やバナナが、日常的に買える食べ物としては最も安く手にできることです。人が身近にある幸せにそれほど感動しないのは、自ら幸福のハードルを上げているからかもしれません。希少なもの、得難いもの、豪華なもの、非日常的なもの、高額なもの、すなわち贅沢に幸せを見出そうとします。むしろ逆で、贅沢が不幸を呼び込むのは、やがて自制が利かなくなるからだと思います。今を幸福と感じることができるなら、金銭的野心は影を潜め平穏な生活を送れる気がします。

歴史と文化の継承

古民家を改修していると、NIPPONIAの施設はベンチマークの対象です。宿泊施設としてのNIPPONIAには、集落などの住民が運営の中心となるものと、プロがホテルサービスを提供するものがあり多くは前者です。オーセンティックな日本の暮らしを残すためのエリアマネジメントに特化するため、投資回収に走るファンド的ないやらしさがない反面、あまりにゆるく経営をすると持続可能性が失われるリスクもありそうです。地域資源の尊重と活用を通じて、伝統的な暮らしや文化を現代にふさわしい形で再創造することと、地域産業を創出し続けることの両立こそ最大のチャレンジと言えます。自然から遠ざかり、豊かさの羅針盤を失った現代人にとっても、より深く日本的なものを求めるインバウンドにとっても、日本社会が捨て去ってきた持続可能な暮らしは魅力的です。歴史と文化を未来に継承することが、自分自身のアイデンティティを保つ気がします。

経済力より健康力

クリスマスと言えば、2011年に営業を終えた赤坂プリンスホテルの部屋が5、6万円で若者に飛ぶように売れたのがバブルの時代ですが、今やホテルははるかに豪華になり縁遠いものになりました。高くなり過ぎたラグジュアリホテルに泊まることはできませんし、泊まる気も起きません。常に他人との比較で幸せを推し量ろうとすることに疲れてしまった昭和生まれにとって、幸せの象徴のように演出されるクリスマスには、むしろ虚しさを感じます。母がお世話になる高齢者施設に行くと、クリスマスのために用意された食事は豪華ですが、重要なのは経済力より健康だと思わざるを得ません。地位財に依存する生き方は、ときに健康や人間関係を犠牲にしがちですが、体の自由が利き、普通に食べられることの方が、表層的な幸せよりはるかに重要であり有難いと感じます。

キャンプにサウナは必須

サウナの経営者のなかには、全国のサウナ施設を回って最高のサウナを作ったと豪語する人が少なくありません。しかし、すでにレッドオーシャン化した業界の施設を見ることは、むしろ弊害の方が大きな気がします。他方でロイヤリティの高い顧客に支えられる施設もあり、週末に行った福島県郡山市逢瀬町にあるOUSE SAUNA TUULIはその一つだと思います。看板もなく、ビニールハウスを抜けた先にあるキャンプ場なのですが、美しい渓流に面するそのギャップにインパクトを受けます。自社が代理店をする北欧のバレルサウナ2台のほかに、北欧もきっとこうなのだろうと思わせる自作のサウナ小屋の居心地の良さは格別です。幅700mmの座面は天井高1,100mmと寝るのに適し、薪ストーブははるか足元にある理想のスペックです。TUULIはフィンランド語の風を意味するように、強風が吹き川の水量も危険なほどですが、冬のキャンプにサウナは必須と思わせます。

都心で野生動物の大群と遭遇

週末の朝ラブラドールと公園に行くと、上空を2、300羽の渡り鳥の大群が通過していきます。シベリアから越冬のために鹿児島県の出水あたりに向かうツルなのか、青い空を背景に大型の鳥が南西の方向に遠ざかって行きます。都心で野生動物の大群と遭遇することなど、この季節だけの貴重な光景と言えるでしょう。ヒマラヤの8,000m峰をも超え、現代の超長距離旅客機並みの13,000kmを体内に蓄えたエネルギーだけで飛び、GPSなしに正確に目的地を目指す野生のメカニズムと群れの集団知能は驚異的です。人類もある時期までは強靭な生命力と賢明な身体能力を持っていたはずですが、脳が作り出した欲望によって自らを甘やかし、ほしいままに振る舞う傲慢さで野生は失われたと思います。様々な発明によって肉体を拡張し生き残る戦略を採用した時から、人類は野生に戻ることを許されない宿命なのかもしれません。

インバウンドで盛り上がる?

ホテル価格が高騰して都内ではビジネス客が泊まれないと言われますが、年の瀬のこの時期と正月明けは旅行客が動かず、温泉地などの宿は安いシーズンです。昨日泊まった磐梯熱海温泉のゆとりろ磐梯熱海は、以前はゼビオの経営だったと思いますが、施設はきれいで、pH9.1のアルカリ性単純温泉の源泉温度は50.4℃あり、朝5時半からサウナが動き、ドリップコーヒーも飲めて4,600円はバーゲン価格に思えます。よく行く白河はビジネス需要中心で、比較的宿の値段が高く、1時間とガソリン代をかけてでも来ていいと思わせます。事前にバーコードが送られますが、フロントに人はいますので、完成度の低い省人化チェックインのようなストレスもありません。再生案件でも追加投資は必要であり、いつ来るか分からない客を相手に価格を下げざるを得ない業界の現状を見ると、インバウンドで盛り上がる業界の姿とは程遠いものを感じます。

Translate »