冬至は1年で太陽の位置が最も低くなる日で、日中の時間が最も短くなります。それでも東京の日中時間は10時間近くあり、この時期は晴天率も高く健康への影響は最小限です。娘のいるブライトンは日の出が8時、日没が15:57ですから東京より日中の時間が2時間も少なく曇りがちで朝日を見ることは稀だと言います。北欧の極夜になると日中でも太陽が昇らず日照時間はさらに限られ、日照時間が短い地域はうつ病が多い事が知られます。太陽光にあたることでミトコンドリアが活性化し、ビタミンDが合成されカルシウムの吸収率を高め骨の新陳代謝も活発になります。朝の太陽は地球の自転の遅れにより生じる24時間11分とされるサーカディアンリズムをリセットし、同時にセロトニン分泌を増やし約15時間後にメラトニンホルモンに変化することで人を眠らせます。太陽の天体の運行を意識する冬至ぐらいは太陽が昇ることに感謝し、本当の幸せを感じたいものです。
お知らせ
器用さこそが生き残る道
1993年式のトヨタカローラがニュージーランドで今年の3月、200万kmを走ったという記事を見ると、トヨタの関係者でもなくとも誇らしげな気持ちになります。オリジナルのエンジンとトランスミッションで不具合もなく、地球を50周してしまうトヨタ車の耐久性も驚異的ながら、週平均5千 kmを走る今年72歳の新聞配達請負業者の男性にも驚かされます。ニュージーランドに渡る前は東京で働いていた7年落ち8万kmのステーションワゴンは、2000年に男性の元に来て、以来2週間ごとにメンテナンスを受けていたと言います。国土の広いオーストラリアなら数十万km走る車は普通で、だいぶ昔にレンタカーで同年式のカローラを借りたことがありますが、海外で乗る日本車の安心感は絶大です。火縄銃の時代から日本のモノづくりには定評があり、幕末には実物を見ないままに蒸気船まで作ってしまう器用さと実直さこそが、日本の生き残る道なのかもしれません。
現代こそ有効な位打ち
頂上決戦にふさわしい好勝負でサッカーワールドカップが終わりました。東京オリンピックの30倍にあたる約42兆円をかけた大会は欧州、とくに準優勝のフランスとの間に軋轢も生みました。大量のオイルマネーがスポーツ界に流れ込み、欧州のビッグクラブを支配することには摩擦を伴います。巨額の移籍金が飛び交う世界で人は平静な心を保つことが難しくなります。サッカーの元プレミアリーグのプレイヤーの60%が現役引退後5年以内に、元NFLでは78%、元NBAでは68%が自己破産に追い込まれるという調査もあります。話半分としてもミリオネアだった選手たちの末路は明るいものではありません。金遣いの荒さ、離婚の慰謝料、投資詐欺など、メタ認知能力が欠如し、自分は特別な人間だと錯覚します。身分不相応な地位を与えると自己肥大化し、自滅していく伝統的な政敵排除法である「位打ち」は、消費が王様の現代こそ有効かもしれません。
エネルギーを充たす軍刀利神社
昨日は山梨県の軍刀利(ぐんだり)神社に行きました。樹齢500年の巨大な桂のある奥の院からハセツネコースの稜線にある元社、生藤山(990.3m)を経て神社に戻る累積標高500m、1時間半ほどのルートです。かつては軍荼利夜叉明王社と呼ばれ、その語源はヒンドゥー教の神とされ、サンスクリット語のクンダリーが軍荼利、軍刀利と変化し、今も軍荼利山にその名を残します。軍神として広く信仰を集め、真偽は定かでありませんが、昭和天皇が戦勝祈願に訪れたと一部では噂されます。永承3年(1048)に創立され野火により延徳年間(1489年-1492年)に現在の場所に遷座したという古社にはただならぬミステリアスな気配が漂い、信憑性は高いのかもしれません。神社は日本人の美意識の根底にあり、千年以上前から神を祀った場所は神霊の宿る聖地でしょう。古来より崇めてきた山や森と神社を巡る早朝の散歩ほど、心を整えエネルギーを充たす活動はないと思います。
サウナはディテールが全て
昨日は日本橋に開業したグッドサウナ日本橋に行きました。外気浴テラスの目の前は首都高速と神田川です。85℃が保たれるサウナ室のHARVIA社製電気式サウナストーブは強力ですが、ロウリュを繰り返しても発汗するのは最初だけで、湿度、体感温度が低く薪ストーブのサウナで味わう熱波と滝のような汗が継続しません。ベンチや天井の曲線デザインは良いのですが、座面から天井までが高く、最上段の熱さも物足りません。冷却チラーで13℃まで冷やされた水風呂は快適なのですがタブの深さが足りず、Lafuma mobilierのインフィニティチェアも傾斜角が浅い印象です。どれも一般人にとってはどうでも良い微細なことですが、サウナ総研の調査では一般のサウナーは増えておらず、コロナ禍で急激に増えているのは20代でとくに女性です。本格的なアウトドアサウナを求めるコアな層はこだわりが強く、サウナはディテールが全てだと思います。
冒険へのロマン
福島や長野への移動は車に頼ります。部屋ごと移動できる車はささやかな贅沢で、フィアットなら公共交通機関より少ない交通費で済みます。燃料価格が高騰するたびに、燃料を節約して限界まで遠く走るハイパーマイリングがブームになります。17.5万kmを走ったフィアットの平均燃費は19.1km/Lで、EU基準・複合サイクルのカタログ数値21.3km/Lより悪いものの、一般道で記録した最良燃費は26.9km/Lで普通に走っても軽油1Lで22kmほど走ります。ハイパーマイリングを指南する海外のサイトには109の方法が列挙され、最も良いのは車を使わないことですが、アクセルとブレーキをなるべく踏まない、許容範囲まで空気圧を上げる、荷物を降ろすなどは定番で、ストップ&ゴーの少ない道を選ぶ、窓を閉じて空気抵抗を減らす、エンジンブレーキを使わない、惰性走行する、大型車の後ろを走るなど推奨されないものもあります。人体であれ車であれ、長距離走には冒険へのロマンを感じます。
買い出しドライブは蚤の市
週末に奥会津の金山町に出かけ、野菜や果物を仕入れました。リンゴ3箱、会津みしらず柿1箱、菊芋や大根、葉物野菜など段ボール2箱で、フィアットの後席が占領されます。会津みしらず柿はアマゾンで買うと5,500円ほどするものが900円、リンゴも一箱1,000円とアウトレット価格ですが、見ても食べても悪くありません。大量買いは不合理な消費行動とされますが、今の季節なら屋外に出せば日持ちします。直売所やその土地固有の商店を回ると東京の2分の1から3分の1の値段の野菜や果物を見つけることができ、旅行支援の地域限定クーポンの支払いなら負担感もありません。生産者が自由に値段をつける直売所は総じて割安ですし、地元のスーパーでは見慣れない商品を見つけ刺激的です。産地に出かける買い出しドライブは、蚤の市で宝物を探すワクワク感のある実益を兼ねたレジャーだと思います。
不摂生を無かったことに
株主優待のお菓子やナッツの詰め合わせが届き、いかにも体に悪そうな小麦粉とチョコレートの袋菓子が中心です。ナッツだけ食べてお菓子は人にあげようと思っていたのですが、箱を開封するとそんなささやかな決意は吹き飛び、結局食べてしまいます。来るもの拒まず、出されたものは完食する主義が裏目に出て、腸内環境の悪化は明らかです。欲望を喚起しようと躍起になる食品産業の前では、意思の力など無力でしょう。一方、見方を変えると体調悪化は福音でもあり、健康状況を挽回するための断食や運動を積極的に行うモチベーションになります。断食状態で運動をすれば脂肪が蓄積されることはなく、飢餓環境に体を追い込めば最後は毒素さえ燃焼し尽くして不摂生を無かったことにしてくれます。不健康な食生活を習慣にすれば身の破滅ですが、精神安定のための息抜きであれば、健康を改善するモチベーターとして有益かもしれません。
最強の小皿ダイエット!?
子供の頃から親しんでいた近所のそば屋さんが廃業し何年も経ちますが、店の前を通るとご自由にお持ちくださいとの張り紙があり、漬物をのせていた小皿を貰ってきました。「この店のかつ丼で私の体はできている」と言えるほど、出前の大半はこの店からとっていました。今でこそかつ丼を食べることはなくなりましたが、以前はどこの店に行ってもかつ丼に満足できなかったのは、おふくろの味とも言えるこの店の料理に長年慣れ親しんできたからでしょう。小鉢料理にちょうど良い大きさの皿は、その無骨なフォルムにも温かみを感じます。何より店のロゴを見るだけで懐かしい思い出がよみがえり、プライスレスの皿を今自宅で手にすることが奇跡に思えるほどです。小皿で食事をすると脳が騙されるようで、普段の半分のポーションでも不思議と満腹になり、小皿ダイエットは最も安上がりな最強ダイエットかもしれません。
庶民の生活から生まれた美意識
週末はサウナの計画地と旅館の跡地を妻に見せるために白河市と西郷村に行き、ついでに奥会津まで足を伸ばしました。600kmほどの一般道を走りましたが、フィアットパンダはカントリーロードの燃費に優れ、総平均は軽油で22km/Lほどと経済的です。このイタリアの大衆車は、本国では陸軍から清貧な生活をする修道女まで、質素な国民の足として広く使われます。働く車は、極めて丈夫で、運転しやすく、燃費が良く、小回りがきき、乗るだけで楽しいことが求められ、それらの条件を満たしていると思います。このフィアットで自分史上最長距離を走るのは、庶民の生活から生まれた美意識とも言える粋を感じるからかもしれません。法定点検以外は洗車もメンテナンスもまるでしないのに、不平など一切言わず、雪道でも荒れた林道でも高い走破力を見せる最小クラスの大衆車と暮らしていると、これみよがしの高級車がいかにも野暮に見えます。