
昨日は二年前まで一緒に働いていた同僚とそのランニング仲間に泊まってもらいました。同じ運動をする者同士は初対面でも親近感があります。マラソンや山岳レースの苦しい共通体験とそれがもたらす高揚感を知る者同士ゆえのことでしょう。宿の営業を始めて半年が経ちますが、いまでも知らない人と同じ屋根の下で一晩を過ごすことは落ち着きません。日本に昔からある「一見客お断り」ビジネスは生理的に正しいやり方だと思います。
残念ながら台風の影響で滞在中の天気はよくありませんでしたが、雨天でも許してくれる寛容さがアスリートのよさです。屋外で行う競技は天候悪化が前提ですから、トレイルが滑りやすい雨天という状況に評価や判断を加えず、ただあるがままの状態で走ることは練習になります。マインドフルネスは「あるがまま」を意図的に行う技能ですので、トレイルランナーは自然とマインドフルネスを実行していることになります。



今朝の新甲子温泉は冷たい雨です。温泉から雨に煙る阿武隈渓谷を眺めていると気分が落ち着きます。連日、赤面山、三本槍岳、三倉山と1,800m級の山に登っていますが、山が雪に閉ざされる季節は目の前ですので、毎朝でも登りたい気持ちです。厳しい雪山に埋もれる前に三本槍岳直下の鏡ヶ沼に行きたいと思います。晩秋の静寂に包まれる森の水辺に身を置けば、心を揺らす執着から開放されて安らぎが訪れることでしょう。
今朝の甲子峠付近の気温は5度で昨日同様の快晴です。7時に隣町の下郷町音金にある正一位稲荷神社の登山口から三倉山(1,888m)にラブラドールと登りました。那須連山最大の急登といわれるだけに前半は急登の連続で、さながら落ち葉のカーペットのトレッドミルです。後ろの山で猟銃の乾いた音が響き、三倉山の方からは鹿の鳴き声が聞こえます。三倉山への往復は距離10.12km、累積標高1,233mで往復に2時間56分を要しました。山頂付近は樹氷のついた山肌が太陽に反射して美しい光景を見せます。三倉山の山開きは7月中旬で、もう一ヶ月もすると長い冬が始まります。


