都会になくてここにあるもの

今朝も小雨の降るトレイルを散策しました。赤面山(あかづらやま)登山道から阿武隈渓谷に下る変化のあるトレイルでは動物をよく見かけます。今朝は小柄な牛ほどの大きさのカモシカが、源流からトレイルを横切り急傾斜の渓谷を登っていきました。食べられそうもありませんが、トレイルにはキノコも出ています。

宿を経営する人と料理の話をしていると、岩魚も出さないのか?刺身も出さないのか?天ぷらも出さないのか?と一様に驚き、あきれられます。ステレオタイプの旅館像においてはあって当たり前のこうしたアイテムを売りにすることは、今となっては難しいと思います。これまで当たり前と言われてきた業界論理や昔ながらの「旅館はかくあるべき」という思い込みがこの業界を時代から取り残し斜陽化させてきたのでしょう。

飲食店のあふれる都会から食事目当てに人が来るという発想にはどこか無理があると思います。ぼくは食欲を満たす生理的な食事ではなく、健康になるための食事を出したいと思っています。料理は宿半径30km圏の地元西郷村、白河市で収穫された野菜や日本の伝統食材を中心に、米国の国立がんセンターのデザイナーフーズピラミッドを参考に作っています。デザートも一部を除いてドライフルーツなどを使用した砂糖不使用にしています。

ついでに言えば、これもよく聞く「料理に手間を惜しまず」という言葉にも誤解があると思います。新鮮なものになるべく手を加えず自然な状態で提供することに価値があるとぼくは考えます。都会になくてここにあるのは自然だけなのですから。

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