食べ物を捨てる?

昨日は人生6度目の引っ越しをしました。引っ越しのメリットは持ち物が減ることですが、それでも引っ越し直後はおびただしいモノに囲まれます。自分の持ち物で最も体積を占めるのは捨てられない書籍とアルバムでダンボール7箱になります。洋服は2箱、OA機器が1箱、会社の決算や登記関係資料が1箱、あとは布団と靴が数足ぐらいで最も利用頻度の低いものが大きな比重を占め、人は過去の思い出を捨てられないものかもしれません。昔なら収納場所を確保しようとしたのですが、今の家は収納場所を減らして常にモノを目に晒すことで捨てるように作られています。欲望と執着と憎悪を捨てることでしか平常心は得られず、人間は本来キャンプに行く程度の荷物で生きられるはずです。以前読んだ本に、「食べ物をおなかに捨てるぐらいなら本当に捨てたほうが良い」と書かれていて最も深刻なモノへの執着は過食かもしれません。

トレードオフの岐路に立つ世界

大気汚染が深刻な都市ランキングワースト1位のインド北部から200km離れたヒマラヤ山脈が数十年ぶりに見えたと報道されます。世界中で大気汚染が改善されることは素晴らしいことですが、一方で経済が衰退すれば元も子もなく、感染終息と経済のトレードオフという難しい岐路に世界は立っていると思います。エヌエヌ生命保険の調査では5月末までしか資金が持たない中小企業が45%、6月末までは60%に及ぶとされ、壊滅的な被害を受けた外食、宿泊、航空産業などは深刻です。一ヶ月ほど前に発表された東京都の実効再生産数の1.7は想定の2.5より低く、患者数の移動平均線は2週間前にピークアウトしています。日本政府による渡航制限の遅れが人命を奪うなら、緊急事態宣言の延長も経済的な死者を出します。自粛を徹底しないとより深刻な第二波が来るという脅しが全てに優先する今の政府を見ていると、コンプライアンスは全てに優先すると叫び企業から活力を奪ってしまった経営者の姿とだぶります。緊急事態宣言を続けるなら病院経営をも破壊し経済的な理由から医療崩壊が起こると思います。

自由の素晴らしさ

日本国憲法の19条から23条は国家から制約も強制もされず自由に物事を考え、自由に行動できる自由権を規定しています。われわれは基本的人権を制限された経験がなく、不自由を感じるのは災害によりライフラインが止まる時ぐらいです。好きなときに好きな場所に移動し好きなことをする自由は緊急事態宣言で家から出られなくなって初めて実感する素晴らしさです。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が発表した2020年の報道自由度ランキングで日本は昨年から1つ順位を上げ66位となったものの2010年には11位でした。最下位の180位は北朝鮮、中国は177位でこれらの国では知る自由もなく情報が信頼できないことは世界の常識です。日本の企業が活力を失ったのはJ-SOXなど内部統制が言われ始めたことが原因の一つだと思います。監査部門がメールを監視し盗聴を行い、荷物検査さえする現代の企業組織の姿は監獄国家と変わりません。平成の失われた30年は緊縮財政による内需の冷え込みばかりでなく、思考停止を促す組織の空気にあると思います。番人ばかりが増え自由で前向きな発想のビジネスを阻むマイクロマネジメントが横行する理由は、企業が自らの存在意義を明確にできなくなったからでしょう。

150年の揺り戻し

リーマン・ショック後に出版された「グレート・リセット」は新しい経済と社会は大不況から生まれると主張していました。グローバル競争と不況の波の後に新しいライフスタイルが生まれ、それにともなう人の移動が都市構造を改変すると言います。今の世界は1930年代の世界大恐慌と同じ状態にあり、デジタルやAIによるサイバーシフトは不可逆的変化を引き起こし、われわれの仕事と生活はこの本の主張以上に変化するはずです。日本にありがちな岩盤規制が取り払われ、リモートワーク、ディスタンスラーニング、遠隔医療が可能になれば、付加価値の少ない管理職の仕事が可視化され、つまらない授業は淘汰され、重複検査や無駄な投薬も不要になり、権威や閉鎖性ゆえに存在した仕事はなくなります。同時に大半の仕事を魅力的でよりクリエイティブなものにする意識改革が必要でしょう。最も大きな変化はライフスタイルにあった場所に住むことが可能になることだと思います。世界的にも首都一極集中は日本と韓国ぐらいとされますが、この150年で急激に一極集中が起きたゆり戻しがこれからやってくるのでしょう。

現場で学ぶ姿勢こそ原動力

社会起業家集団ボーダーレス・ジャパンの人の話を一昨日Zoomで聞いて感じたのは、ビジネスをする上でのキャリア形成の時間軸がこれまでの組織人とは大きく異なることです。スタートアップの経営トップは30前後の世代が多いと思いますが、学生時代にすでに社会で活動をして、在学中か卒業後に数年海外に行き20代半ばで創業というイメージです。一方で一般的な大企業の場合、30前後でやっと係長になり、40前後で課長、50前後で部長、50半ばで初めて好きなように組織を動かせる感覚です。つまり50前後から活躍することを前提に気の遠くなるような時間軸でキャリア形成をしていきます。一社に人生を捧げ昇進ステップを昇る経団連的な思い込みが視野の狭い組織人と成長スピードの遅さを生み、それが日本にユニコーン企業が出ない理由だと思います。組織が固定化された結果煩わしい人間関係や無駄な仕事、社内政治に時間を奪われ自分たちが生み出す価値に無関心になっていきます。従来型の企業には先輩がいて以前のやり方を叩き込みますが、全員が素人で始めるボーダーレス・ジャパンは全てを一人で開拓します。徹底的にお客さんを想像し、メチャクチャ聞きに行き、お客さんのために何ができるかを現場で学ぶ姿勢こそ企業が成長する原動力なのだと思います。

強烈な思いこそが原動力

昨夜娘がZoomで参加したパネル風のトークイベントにソーシャルビジネスを通じて社会問題の解決に取り組むボーダレス・ジャパンの人が2人出ていました。海外で活躍する日本人と同じ時間を共有できる感覚はライブでYou Tube動画とは違います。自宅で食事をしながらイベントに参加でき、チャットを通じて双方向で進行される利便性から、今後多くのイベントや教育ビジネスはオンライン型に移行していくでしょう。印象的なのは彼らが自分たちは「根っからのビジネス屋」だと語ることです。単なる金儲けにはチャレンジのしがいがなくマネタイズが難しい、見放されたマーケットにこそやりがいを見出す姿勢は新鮮です。「マネタイズの方法ならいくらでもあるが、社会的インパクトが見込めないときに事業を止める」という発言は日々稼ぐことにもがく企業にとっては違和感さえ覚えます。損得ではない経済を作り直すという強烈な思いが仮説検証サイクルを最速で回し、圧倒的な行動力と信頼が短期の黒字化を実現しています。「自分たちのビジネスをハブに民族が融和していく仕組みを残したい」と話すミャンマー拠点の人の話が印象に残りました。われわれが見落としていたものは強烈な思いこそが事業の原動力だという点に尽きると思います。

心を壊すパチンコ依存

自粛する社会で悪者にされるパチンコですが、余暇産業に占める市場規模は飲食と並び最大規模です。世界のカジノ市場の売上10兆円に対して日本のパチンコだけで16兆円あるとされ、同時に日本はギャンブル依存症大国です。先進国のギャンブル依存症がいずれも1%台かそれ以下なのに対して日本は3.6%と世界最高レベルです。パチンコの参加人口が減っても売上が大きく落ちないのはこのためでしょう。IRは実質的な賭博の合法化であり税収は期待できるかもしれませんが、政治家や役所の利権拡大になるばかりかギャンブル依存による不幸を拡散します。IR推進派はシンガポールを成功事例としますが、中国並の監視社会と日本を同列に論じることには無理があります。会社の金の使い込みの原因はたいていギャンブル依存により膨らんだ借金です。ギャンブル依存症の治療に米国で使われるオピオイドはそれ自体が依存症を増やし、製薬会社と政治家が汚職関係で結びつき社会問題化しています。ビジネスにとって最も望ましい方法は客を依存症にすることですが、人は強い恐怖にさらされると急性ストレスで前頭前野の機能が弱り思考を停止して何かに依存したくなります。最も警戒しなくてはならないのは絶え間ないプロパガンダで大衆を扇動したナチスのような組織の再来でしょう。

自分を信じなさい

企業の経営破綻など嫌なニュースが広がり始めました。IMFの専務理事は1929年の世界大恐慌の再来となると発言しましたが、もはや驚くべきものではありません。前回の大恐慌では日本国内も飢餓に襲われドイツ国民がナチスを支持し始めました。こんなときに参考にすべきは4回も会社を倒産させながら有数の大富豪となり米国大統領となったトランプの生き方でしょう。トランプが薫陶を受けたのはニューヨークの牧師ノーマン・ヴィンセント・ピールと言われます。ピールが説いたのはポジティブシンキングですが、単なる楽観や現実逃避ではなく、不幸で悲惨な現実が目の前にあろうが、それを冷静に見つめてポジティブな面を探しチャンスの芽を掴むことです。明けない夜はなく、神はあなたが越えられない試練を与えないと述べるピールが最も大切にするのは「自分を信じなさい」という教えです。

前例主義に冒された日本

戦後最大の国難に際し時代は大きな転換点を迎えていると思います。昨年あたりから話題のMMT現代貨幣理論の影響もあって、失われた30年の元凶が緊縮財政とその総本山である財務省との批判が広がり始めました。脅しと懐柔で巧みに政治家を操り、緊縮プロパガンダで国民を洗脳する財務省の手口は中共政権と同じやり方です。日本はMMTの正しさを証明した国とされ、通貨発行権が独立している特権を今こそ使うべきでしょう。財務省が頑なに緊縮政策を変えない理由は同じ価値観に染まっていく認識共同体に伝承される前例踏襲と言われますが、環境が変わる世界で前例主義は有害です。ANAの救済はJALの再生と比較されますが、状況は異なり前例は意味を持ちません。重要なのは今の環境における合理的な判断ですが、大企業病に冒された組織は前例主義に陥ります。日本をだめにしたのは前例主義やマイクロマネジメントの思考停止だと思います。大企業ほどマイクロマネジメントのために膨大な人間を雇用しますが、アフターコロナで一気に膿を出しきれない組織は消えていくのでしょう。

90年前と同じ岐路

金正恩の死を前提に世界は動き始めたようです。昨年10月に受けた脂肪吸引手術の失敗で血管内に飛び散った脂肪塊が血栓となり心筋梗塞で重体になった噂を海外メディアが追認しました。父親も寿命を全うできませんでしたが30代半ばの青年が死ぬほど、贅を尽くした生活と喫煙が身体に悪いことが期せずして証明された形です。個人の健康が国の命運を決めるほど重要であり、組織や家族に責任を持つ人は一層健康に留意する風潮が広がるのかもしれません。一方で不要不急が消えた世間では高級食材がだぶつき暴落しているとされます。享楽的な都市型ライフスタイルへのアンチテーゼとして世界全体が低欲望社会化しつつある流れはこの騒動を通じて進むのかもしれませんが、一方で、東京にある20万軒の飲食店を守るために、来月配られる10万円を消費にまわすことは国への貢献になります。世界恐慌に見舞われるアメリカで1933年に大統領に就任したルーズベルトは就任演説で、「我々が恐怖すべきは恐慌ではなく恐怖そのものである」と述べ、米国経済を再建するために恐れず前進するよう呼び掛けました。今の世界も90年前と同じ岐路に立っているように見えます。

Translate »