


麻布台ヒルズに行きました。かつては毎日通った神谷町ですが、訪れるのは数年ぶりです。小さな住宅が入り組んだ下町のような谷地は、ヘザウィック・スタジオによるデザイン、起伏を生かした秀逸なランドスケープ、ディテールに至る素材の質感など、建築としての高い完成度の街に生まれ変わりました。一方で、集客上の課題も指摘されます。従来の森ビル開発との違いは、1.5流の立地、周辺の街との回遊による連続性の断絶がありそうです。アマンの姉妹ブランド「ジャヌ」は、知る人ぞ知るブランドで、六本木のグランドハイアットのような派手な主張をしません。それでも、建築家ではなく3次元デザイナーのトーマス・ヘザウィックに委ねた英断は評価できます。建築上の制約を無視した造形は、同時に日本の高い技術力を物語ります。森ビルが目指した緑に包まれた広場のような街の評価は、後世に委ねられたのでしょう。