昭和の家


週末は妻の実家に柿をもらいに行きました。今月94歳になる父が一人で暮らす家は、鉄道沿線の丘陵地帯を造成した典型的な昭和の家です。都市部で深刻化した住宅不足を背景に作られた郊外住宅は、戦後の中流家庭が思い描いた「標準的な幸福」の器に見えます。人の家に行くと、この家に自分が住むなら、間取りやデザイン、外構をどのようにするか考えます。結婚した80年代から時が止まったままのような家のなかは、おそらく使われることのない持ち物があふれ、自分が旅館を買った時のように、不要物を捨て、照明器具を変えるだけでも場所の印象は大きく変わると感じます。ロビーにあった狸の置物を処分し、ポスターをはがし、事務所のような応接セットのあった場所に、一枚板のダイニングテーブルを入れ、薪ストーブとIKEAの照明器具を床に置いただけで、かつてを知る人は皆驚きました。必要なのは時代の価値観をアップデートすることだと思います。

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