山と温泉があれば何もいらない

昨日も那須湯元温泉の鹿の湯に行きました。平日にしか行ったことがありませんが、朝のうちは6つある浴槽に4、5人しかいませんので、ファンの回る音と硫黄泉の流れる湯音だけの浴場は時が止まったような癒しの空間です。温いお湯が好きだったぼくでさえ、鹿の湯の46度、48度の高温浴槽には魅せられています。浴槽に身を沈めた瞬間思わずため息がでます。もちろん効能もあって、水仕事で荒れた手などは2、3日で治ります。山に登って温泉に入る毎日なら、ほかには何もいらないと思えます。

もうひとつのひそかな楽しみは、高温浴槽を固めるレジェンドたちと一見客の行動を見ることです。年間100日以上来ている人が多く、芸術的な湯もみや湯面を揺らさないのにすばやく浴槽から出る技を目の当たりにできます。中には持ち物だけは一人前でレジェンドの域に達していない人もいます。湯温を聞くとわかります。レジェンドの誤差は鹿の湯の電子温度計と0.2度以内です。ぼくでさえ0.5度の誤差なら当てることができますが、似非レジェンドは1度ぐらい違う温度を言います。

悪趣味ながら、一見客の行動はほとんどエンターテイメントの世界です。勢いよく入って自分が乱した湯面の熱さに耐えられず浴槽から飛び出します。浴槽の周りの雰囲気や壁の注意書きに気がついてもらいたいものです。

神の領域の朝焼け

今朝は4時半に峠の茶屋を出発してラブラドールと朝日岳、茶臼岳に登りました。朝日岳を背景に見る朝焼けの美しさはもはや神の領域です。宿を出て1時間も経たずにこの景色に出会える日常はやはり贅沢です。下山後は那須湯元温泉の鹿の湯が7時40分に開くのを待って温泉に入りました。

昨日は以前からやってみたかった玄米のパエリアを作りました。玄米は手ごわく白米とは全く別物です。いつもより強火にしますがいつまで経っても炊ける気がしません。先を急がず話しでもしながら料理のプロセスを楽しむにはよいのですが、夕方から始めたのに気がついたら満天の星空になっていました。

玄米特有のわずかな苦味がオリーブオイルとローズマリーに調和して気に入っています。阿武隈源流の沢音と虫の音しか聞こえない暗闇ですっかり秋の気配の夜風に吹かれていると全身の力が脱力していきます。

真冬が待ち遠しい

今朝の新甲子温泉は穏やかな晴天です。冷蔵庫で持て余していたナスとインゲンでポタージュを作りました。普段ならまず一緒にしない組み合わせですが、ナスの甘みとインゲンのまろやかさが絶妙に合い定番メニューにしたい嬉しい発見です。健康に直結する料理こそ自分でやるべきですし、日々こうした発見があることも料理を作る喜びです。

創作活動をしない人が芸術に触れるだけでは幸福になれないのと同様に、料理も自分でやらないと本当の喜びはわからないと思います。

昨日の夕方、久しぶりに那須湯元温泉の鹿の湯に行きました。63度の源泉が昨日は50度しかないようで高温浴槽は温めです。自分のところに温泉があっても硫黄泉だけは特別です。その匂いを嗅ぐだけで遠くに来た気分になれ、わずか車で20分の距離なのに東北の秘湯にいる錯覚をします。浴室でしっかり体を冷やせる真冬が待ち遠しいです。

昨日の夕食時、パエリアの燃料のところでクワガタを見つけました。

田舎ならではの贅沢

今朝の新甲子温泉では虹が見られました。朝5時からラブラドールと那須の峰の茶屋まで散歩をしました。那須連山の稜線に出るよく整備されたトレイルに人の姿はありません。雲海から顔を出す朝日岳を目前に望む贅沢な散歩道です。

宿に戻り週末使い切れなかった野菜をパエリアパンで焼きました。オリーブオイルだけで調味料を使わないのですが、ナスやズッキーニは甘みがあります。初秋の心地よい風を受けながら焼きたての野菜を食べる外での朝食もやはり贅沢なものです。夏の気候が厳しく人が多い東京では希少な贅沢が田舎の日常にはあると思います。

シンプルが一番美味しい

日本最強のトレイルランニングチーム「チーム100マイル」の夏合宿が終わり、朝霧に包まれる今朝の阿武隈源流には秋の気配が漂います。伝説のパワースポット剣桂神社に行くとそこに留まる空気があたりとは違うことがわかります。森に入ると倒木が目立ちこうして森の新陳代謝が進むことを実感します。宿の前には手のひらより大きなきのこができています。
朝食は週末の残りの野菜をパエリア鍋で焼きオリーブオイルだけで食べますが、このシンプルな調理法が一番美味しく感じるのは皮肉なものです。

電話はいらない

そろそろ宿の固定電話をやめようと思っています。忙しいところに営業電話ばかりされて仕事になりません。FAXをやめたのも「マイクロバス買い取ります」といった営業が年中入ることが原因です。「FAXがないと送客ができない」、と言い張るじゃらんでの販売をやめたのもそれが理由です。いまこの宿の主たる顧客となっているトレイルランニング関係者はみなフェイスブック経由で予約をもらっています。
開業4ヶ月で宿泊客の誰一人客室にテレビがないことに文句を言った人がいないように、なくても良いものがたくさんあると思います。
写真は昨日のチーム100の合宿で作った50人用パエリアです。

日本最高峰チームのオーラ

昨日はトレイルランニング界最高峰の「チーム100マイル」の夏合宿に宿泊していただきました。トップアスリートのオーラ漂う集団が大挙してチェックインするさまには圧倒されます。昨日は午前中は嵐の前の静けさなのか晴天でしたが、昼前には豪雨と落雷で停電がありました。50人用パエリアもビギナーズラックもあってか及第点です。夕食後は宴会場を使ったミーティングが遅くまで続きました。

見えない明日

新甲子温泉は夕方から久しぶりに晴れて太陽がまぶしく森を照らします。週末に大型団体を迎える準備で山には行けませんが、晴れると無性に山に行きたくなります。

日記を見ていたら30年を超えるサラリーマン生活に区切りをつけたのはちょうど去年の今日でした。この一年は今まで生きてきたなかで一番長い一年のように思えます。不安ばかりの毎日ですが、ルーチンになりがちなサラリーマン時代よりは生きている実感があります。きっとハピネスレベルは今の方が高いと思います。ぼくは見えない明日に向かっているときに幸せを感じるようです。

料理は自己表現

夏休みを利用して宿の掃除を手伝ってくれた以前の会社の先輩が次の目的地に移動し、ラブラドールと二人だけの日常に戻りました。掃除をして買い物をして日が傾けば焚火をしながらパエリアを作る日々です。新甲子温泉は火が恋しい季節になりました。夕方パエリアを作りながら炎を眺めていると懐かしく暖かい気持ちになります。暑かった東京の夏が少し恋しくもあり、人間は贅沢なものです。

毎晩パエリアを作っているので、コツがつかめてきました。レシピ通りやってうまく行かない場合、ぼくはレシピにとらわれずに色々なパターンを試します。基本的には水分量、火加減、時間の三要素を入れ替えています。武道などで言う守破離です。ぼくはレシピのルールに縛られるのではなく、料理は独創的かつ自己表現の場であるべきだと思います。

人生も同じです。だれかが書いたシナリオの上をトレースするだけの予定調和の人生は幸せにはつながらないと思います。

今朝は宿の玄関に沢ガニが入り込んでいました。阿武隈源流からは標高差が80mほどありますので不思議です。

夏の余韻に浸る

今日も新甲子温泉は冷たい霧雨が降り続いています。白河の街では雨は上がっていますが、標高差が500mあるために車で20分の距離なのに気候が違います。半袖、半ズボンで過ごせる季節は終わりを迎えています。雨が多いと倒木が日常的です。数日前も剣桂に続く宿の前の旧道で倒木が電線にあたりクレーン車が来て伐採をしましたし、宿から阿武隈源流に下る遊歩道も倒木が塞いでいます。

ラブラドールも所在なげに惰眠を貪っています。おそらく那須連山の稜線に上がれば雲を抜けて晴れるのでしょうが、仕事が多く無理をしてまで山に行くモチベーションはありません。まだ夏の余韻に浸れるうちに那須・会津のトレイルツアーに行きたいものです。

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