山ならではの贅沢

昨日は安曇野にある穂高養生園に来ました。この施設に通うようになり25年が経ち、その間に新棟が建つなど施設は洗練されていますが、この施設が持つ独特の空気は昔のままです。

テラスに出て初夏を思わせる森を抜ける気持ちの良い風に吹かれていると、自分が宿でやりたいことは「これなんだ」と思います。小川のせせらぎを聞きながらハーブティーを飲み読書をしていると、いつの間にか意識が遠ざかっていきます。副交感神経が優位になり、睡魔に身をゆだねウトウトするのも贅沢なひとときです。朝食は今朝の散歩で自分たちが摘んだ野草を天ぷらにしました。摘みたて野草の天ぷらは都会では食べられない山ならではの贅沢です。

河原に勝るカフェはない

連休前なので、昨日は雪の消えた阿武隈源流のトレイルで下草刈りをしました。太い笹でも根元に草刈り機の歯をうまくあてると低い回転数でも気持ち良く刈れます。気に入っている楢の大木の下の河原で持参したクッキーと紅茶で一息いれました。この贅沢な時間こそがこの場所が持つ価値で、ここに勝るカフェはないと思います。今の僕にあるのは事業資金枯渇への不安だけですが、阿武隈源流の豊かな流れが轟音とともにその不安を洗い流してくれるようです。

別に疲れるほど働いたわけではないのですが、那須湯本温泉の鹿の湯に行きました。高温浴槽の一見客は行動で分かるので皆が注目します。判でついたように同じリアクションをするからつい見てしまいます。浴室に何か所か貼り紙がしてあるのに先客が入っていても構わずに浴槽に入る。皆の白い視線を浴びてすぐに出るわけにもいかず1分ほど苦痛に表情をゆがめたあげく風呂から凄い勢いで飛び出る、というパターンです。48度の浴槽でこれをされると入っている人が火傷をしますので、咎める常連もいます。今日の48度の浴槽は47.6度、46度の浴槽は46.1度です。47度を超えると足が火傷したように痛いのですが、46度の浴槽は慣れると爽快です。

昨日はスカイランニング・トレイルランニングを通じた友人が那須岳の帰りに来てくれました。共通の趣味を持つ者として知人も少なくなく話しが尽きません。

春真っ盛りの白河

雪どけの沢音が日増しに高まる早春の新甲子温泉と春真っ盛りの白河は車ならわずか20分の距離です。気候の異なる二つの地域を短時間で行き来できることは12月から住んでいても不思議な感覚です。白河方面から上がって来る人も異口同音に気候の違いを口にします。

昨日は白河に二往復しましたが、それもさほど苦になりません。お城の桜はまだのようですが、樹齢400年とされる妙関寺の境内にある紅しだれ桜の「乙姫桜」は見頃を迎えていました。

上着二枚で過ごせる陽気に

雪がとけて宿の前を走る国道289号線でレジャーに向かう車の数も増えました。日帰り温泉にいらしていただける方や電話での問い合わせも増えています。ただ未だに運営体制が固まらず、来るもの拒まずの消極的な営業状態です。自分で料理を勉強する一方、料飲施設を運営してくれる人を探しています。

今朝は4時過ぎから剣桂神社に行き、阿武隈源流沿いのほとんど雪の消えた遊歩道を通って宿に戻ってきました。冬の間は4枚の重ね着をしていましたが、今朝は温泉で体が火照っていることもあり、上着2枚で外を歩けます。小鳥のさえずりが心地よい清々しい朝です。

途中で半分以上の根が宙に浮いた不思議な大木を見つけました。

混乱の?初日

昨夜は10名の団体にお泊まりいただきました。これまでは友人の宿泊が中心でしたので、初めての一般のお客様の受け入れです。この地で長年営業してきた旅館だけに、地の利もあって先方より指名で予約を入れていただけることは有難い限りです。

さすがに10名同時の食事提供は一人では時間がかかってしまい、お客様に配膳を手伝っていただきました。ありがちな話ですが初日からトラブル続きです。お客様をお迎えするのに薪ストーブに火をつけたところ、煙突が煙を吸わず、煙がロビー中に充満したり、温泉浴場を清掃した際に湯量が減った結果循環するお湯が逆流し浴槽を洗いなおしたり、ノンオイルフライヤー2台を同時に動かしたところブレーカーが落ち復旧できずに他の場所で焼いたりなど、落ち着く暇のない一日でした。

バスのドライバーとガイドさんが仕事でいらしているので朝食時間を遅らせることはできません。最初は余裕をもって準備をしていたのですが、予想外に時間がかかりあと15分という段階でもまだ盛り付けは半分程度という状態です。それでもガイドさんに配膳を手伝ってもらい、なんとか7時ちょうどに朝食を出し終えました。連休には15人以上の団体を二組お迎えするので、厨房動線の見直しなど作業効率を改善しないといけません。

宿の付近では至るところでフキノトウが顔をのぞかせています。

再び一人の生活

ラブラドールが東京に帰ってしまい、また一人の生活に戻りました。犬を飼うと心臓病にならないとか、長生きをするとか言われますけど、多分それは正しいと思います。一日の歩数は1万歩から3千歩程度に急低下しました。運動量だけではなく、いつも一緒に買い物に出かけていた車の後部にラブラドールがいないと何とも喪失感があります。

昼間風が強かったためか昨夜は美しい星空でした。今日は10人の小団体をお迎えします。といっても現在のワンオペ体制では20人以上をお受けするのは難しいのが実情です。

朝晩の冷え込みは冬並みですが、宿のまわりからは雪が消え、温泉から見る今朝の江森山には雪がありません。

ついに遭遇!!

朝起きるのは決まって4時頃なのですが、今朝は珍しく5時になって日がさし込むまで目を覚ましませんでした。体には気だるい疲労感が残っています。わずか一日東京で仕事らしきことをしただけなのですが、都会生活はそれだけ体に負担がかかるのでしょうか。こちらの若い人と話しても東京に行っても疲れるから泊まらないで帰るという話を聞きます。

春真っ盛りの東京から新甲子温泉に昨日戻りましたが、東京に行っても花粉症の症状は全く出ません。花粉症歴30年で去年までは肋骨が折れそうなくしゃみをしていたので、そう簡単に治るとは思えません。考えられる理由は標高800メートルの広葉樹林帯に住んでいることでしょうけど、都会でのサラリーマン生活を止めたことも無視できない理由だと思います。花粉症がない春が来るならどんなに素晴らしいだろうと夢見ていましたが、いとも簡単に実現しました。鼻づまりもないので夜もぐっすり眠れます。

今朝は快晴ながら氷点下の寒さで温泉の横には氷柱ができています。浴室の清掃をするために循環バルブを閉めにボイラ室に行くと、100kg以上をあろうかと思われる巨体のイノシシが文字通り地響きを立てて阿武隈源流の谷に向かって駆け降りて行きました。これほど大きな野生動物が建物のすぐ横まで来るのは驚きです。写真はイノシシがいた今朝の温泉浴室の前です。那須連山はまだ冬山のままです。

誰かが私に乗り移る?

前期の授業が始まり立教大学に来ています。雨上がりの澄み切った空に青い山並みが映えるさわやかな朝です。立教大学にお世話になるようになって早いもので15年が経ちます。人前で話すなど一番の苦手種目で昔なら想像もつかなかったことです。今でも、我ながらよく3時間も話すことがあるものだと不思議な感覚です。話し始めると何者かがぼくに乗り移るとしか思えません。プレゼンテーションの基本は聴衆が聞きたいことを話すということですが、今の若者は何を聞きたいのでしょうか?と模索する日々です。

花粉症のない30年ぶりの春

昨日は白河市内でレストランやカフェを経営されている方にお越しいただき、温泉でも色々とお話を伺わせていただきました。裸の付き合いができることも旅館の良さだと思います。その方がお持ちのワーゲンバス(フォルクスワーゲン・T1)は近くでじっくり見るのは初めてで、何とも魅力的なフォルムは車が憧れだった時代を思い出します。

午後は宇都宮に向かいました。雪景色の残る標高800mの新甲子温泉とは別世界の里では、一気に咲き誇る桜の花は生命感あふれる眩しさです。古来より日本人に特別な意味を与えてきた桜は人の心を元気にさせます。菜の花の香りも遠い記憶を呼び覚まし、花粉症のない30年ぶりの春を心ゆくまで楽しみました。白河の桜はまだ10日ほど先です。

人の心も浄化する原生林?

今朝の新甲子温泉は快晴です。阿武隈源流のブナの森は来るたびに水量が増し、至る所で沢音が大きくなっています。鶯が美しい音色で鳴き、ブナの枝先が膨らみ春を感じます。雪がとけると空き缶やペットボトルなど有難くないものも現れます。東京近郊の観光地に比べると、この付近では道路わきのごみを見る機会が多いと思います。モラルの低い人間が多いのか、あるいはわれわれ清掃側が追いつかないのか、いずれにしても迷惑な問題です。道路わきに放置してくれるならともかく、急傾斜の崖に投げ捨てられたごみを回収するのは、ときとして命がけです。ブナをはじめとした広葉樹の森が人の心を浄化してくれることを期待します。

剣桂までの旧道の雪はだいぶとけてアスファルトが露出していますが、沢筋に面して雪が集まる場所にはまだ1メートル以上の積雪があります。

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