無料の人間ドック

朝目覚めるとすぐに階段を降りて歯を磨きに行きます。一晩寝ただけなのに寝起き直後の体は階段を下るという複雑な関節の動きに適応困難でぎこちなく歩くことしかできません。人間のあらゆる生理機能は使わないと衰え、安静状態が長く続くと廃用性萎縮が起こり、さまざまな心身の機能を低下させます。睡眠時間は6時間ほどと長くはありませんが、体の劣化が確実に進むことを体感します。階段をスムーズに降りられる日もありますが、決まって前日にある程度の運動をした翌朝です。朝最初に下る階段での関節や筋肉の動きは体調のバロメーターとして役立ちます。これ以外に参考にしているのは肌の色艶と便の状態です。この両者は免疫系を司る腸内環境や血液循環の様子を反映しますので状態が悪ければ生活を改めます。体重も重要な指標ですがお腹の脂肪をつまむと体重計に乗らなくてもおおよそ分かりますので、朝起きて階段を下りトイレに行き鏡で顔色を見るだけで体調が把握でき、被爆リスクのある人間ドックには行きません。早期発見早期治療が奨励されますが、異常が発見されるまで体を放置する無関心な姿勢は危険だと思います。

赤飯こそ最強食品

最近よく赤飯を炊きます。以前は誕生日などに作る特別な料理でしたが、もち米は10kg単位で買い、国産小豆も大袋で買うと通常の炊飯コストとあまり変わりません。赤飯は見た目の華やかさだけでなく食べても美味しく、何より体に良い理想的な健康食品です。小豆には便秘の解消に効果のある不溶性食物繊維がごぼうの5倍含まれ、オリゴ糖も多く腸管免疫の働きを高め老化防止につながり有害な重金属や発ガン物質を体内から除去するデトックス効果があります。抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれることから活性酸素を消しアンチエイジング効果が期待でき、貧血を防ぐ鉄分も含まれます。さらに小豆の外皮に含まれるサポニンは、コレステロールや中性脂肪の増加を防ぎ、血糖値の上昇を抑え血液の流れを良くし、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防に役立ち利尿作用を促進しむくみを防ぎます。またビタミンB1は冷え性を改善しカリウムは高血圧予防になり、強い抗酸化力のごまと塩をかけると理想的なバランスで必須アミノ酸を得られる最強食品になります。手軽で手間いらずの赤飯を特別の日だけに食べるのはもったいないと思います。

産業が育ちにくいスポーツ業界?

マスターズの中継が日曜深夜としては異例の高視聴率となり、アジア人男性として初のメジャー制覇の快挙に湧きました。2019年のワールドカップといい、国民全体を動員できる力はスポーツをおいて他にはないと思います。成人のスポーツ実施率推移も平成の始め頃から倍増し、週1回以上の運動をする人は男女とも6割に達しています。しかしなぜかスポーツ関連産業は給料の低い業界と認識されてマネタイズに失敗しています。一方で儲かる業界は不用品をついでに売って潤っています。余計に働き余計に買うハイパー消費の時代は家や生活がものであふれ、浪費の目まぐるしいサイクルのなかで自分を見失い気持ちを重くします。理想の生活を求めて執着は強化され、際限ない消費社会のなかですでにその意味を失っているモア&モアの不毛な幻想に翻弄されます。スポーツに傾斜する人はストイックなまでに自らの肉体を鍛え上げ貯金より貯筋に励み、供給者とマスメディアが結託した自閉的資本主義から距離を取るために産業が育ちにくいのかもしれません。

執着の双六

昨日は地元の世田谷区を20kmほど歩きました。人口94万の政令指定都市に匹敵する規模を持つ世田谷区は、東京23区では大田区に次ぐ二番目に広い58.05平方kmあり、これは千代田、文京、荒川、中央、台東の5区の合計よりも広い面積で徒歩旅行に最適です。自粛によりご近所旅行のマイクロツーリズムが提唱されますが、感染防止以外にもメリットがあります。家を出た時から観光が始まるので効率がよく2、30kmの移動なら午前中に戻れて一日を有効に過ごせます。遠くまで行かなくても近所でさえ知らないことがあり新鮮です。手軽でお金もかからずラブラドールも喜びます。遠くに行けば大自然を満喫でき、異なる文化や気候・風土に触れそうした刺激は脳に良い効果を与えるとされます。一方で長距離移動の旅行は健康リスクを伴います。気候の変化や時差、飛行機などの高速移動は自律神経バランスを崩し、知らずに疲労を深め旅先や帰宅後に体調を崩すことがあります。身近なところではマンデーブルーやさざえさん症候群が知られます。派手で分かりやすいステレオタイプのレジャーはモア&モアの執着の双六を始めてしまうことも問題でしょう。

移動が価値の本質

五輪の象徴である聖火リレーがスタートしたのもつかの間、「まん延防止等重点措置」が始まることになりました。抑制効果を疑問視する声も聞かれますが、ゴールデンウイークに旅行を計画する人にとっては悩ましい状況です。季節のよい時期とは言え人混みの観光地に押し寄せる習慣は今も続く昭和の価値観でしょう。最も行きたい旅は山の稜線を何キロも歩く縦走ですが、重い荷物では距離を稼げず、日本の山小屋のアメニティレベルが低いことは難点です。風呂に入り布団でしっかり眠ろうとすると、毎日2、30km程度歩きながら下山して麓の宿に泊まる軟弱なステージレースは理想的です。旅の重要な要素は目的地ではなく移動プロセスにあり、目的地に到達する感動を特別なものにしてくれるのは人力移動だと思います。同じように旅の従属物だった宿泊施設が旅の目的になったように、脳のニューロンを活性化する移動そのものが価値の本質になるはずです。年間3万キロ移動する渡り鳥や、数千キロの旅をするサケの体に多様な微量栄養素が蓄積されるように、旅に耐える体を作ることから旅は始まるのかもしれません。

自分で作ってもそこそこの店並

昨年の菓子市場は生産数量、生産金額、小売金額が6%減となったと報じられます。巣ごもり需要の反面、観光地やインバウンド需要の大幅なマイナスを受けた形です。菓子類をよく買いますが、甘過ぎる市販スイーツの健康リスクを考え最近は自分で作るようになりました。アイスクリームやチョコレートムース、ティラミスをよく作りますが、これらは材料も調理工程もほぼ同じで調理時間も5分ほどと簡単に作れます。自分で作れば安上がりな上に、何より砂糖の量を減らせ無添加で自分好みの味にできるメリットがあります。食べ過ぎることを除けば良いことばかりで、加えて調理プロセスの短縮化は興味の対象になります。ネット上には膨大なレシピがあり、それらを見比べると合理的な調理法が学べ、さらに工程を簡素化して最短時間で簡単に作れる方法を探すのは一種の喜びです。卵黄に生クリームを混ぜるより生クリームに卵黄を加えた方が手早い、といったコツを加えれば調理時間はさらに短くなります。自分で工夫した手抜きレシピなら自分好みで呆気ないほど簡単に作れ、そこそこの店並の味になることは新鮮です。

愛すべき機械ではなくなった車

飽きた頃に壊れる工業製品が良い商品と言われましたが、乗用車の平均使用年数はバブル経済最中の平成元年の9.09年から現在では13.26年へと伸び続けています。レシプロエンジン車最後に乗るべき一台は何かと考えますが、食指が動く車はありません。そんなときに癒やされる動画が「名車再生!クラシックカー・ディーラーズ」のような年代物の車をDIYでレストアする番組です。購入した中古車を修理して転売する過程を描くドキュメンタリーは、料理番組のように小気味よく痛快です。自分で車を修理した電子制御化以前の世代にとってその手際良い作業が懐かしいだけでなく、70年代、80年代の車を見ると自動車雑誌を貪るように読んだ頃の憧れが蘇ります。今の若者が車に興味がないのは、豊かな時代が生み出す車が愛すべき機械ではないからだと思います。メーカーにも自覚があるようで日産はGTR、トヨタは2000GT、マツダはRX-7といったスポーツカーを中心に旧車維持活動を始めています。キャブレターやマニュアルトランスミッションなどの対話手段を失った時から車との関係は希薄になり始めたのでしょう。

小麦が人間を栽培している

我が家で合法麻薬と呼ばれる食パンを時々業務スーパーで買います。その強毒性を考えれば天然酵母であろうが免罪符になりません。精製された小麦で作られる食パンはそのGI値の高さからして世界最安、最強の合成麻薬と言えるでしょう。しかしフィトンチッドやラジウム泉が人体に良いように、微量の毒はホルミシス効果によりミトコンドリアを活性化し人を健康にするとされます。われわれは食べることについて大きな思い違いをしていて、食べる喜びを決めるのは神経伝達物質の分泌量と受容体の感度で決まることです。贅を尽くした高級飲食店の美食の喜びと、ときには4、50円で売られる食パンがもたらす幸福感は実はあまり変わらないのです。この不都合な真実を知るなら余計な出費をせずに日常を美食の喜びに変えることができます。中毒にならない程度の自制心は必要ですが、きつね色に焼かれたトーストほど人間を魅了する食べ物はありません。小麦が人間を栽培しているという比喩は真実でしょう。

今も昔も犬との関係は特別

昨日はラブラドールをシャンプーに連れて行きました。我が家に来て7年ですが、先代のラブラドールも含めてプロにお願いするのは初めてです。普段はあまりかまってもらえない我が家のラブラドールにとって、爪切りや歯磨きまでしてもらえて休憩を含め3時間ももてなされ、おやつまでもらえるとなれば天国でしょう。年に1、2度しか行かない病院でさえ、行くと分かると狂喜し先頭を切ってぐんぐん引っ張ります。こうした店が成功する秘訣は犬の満足度を上げることで、犬を溺愛する飼い主にとって犬の喜ぶ姿に勝るものはありません。前日と翌日には体調を確認する電話がありアレルギーなどを確認し、シャンプー中の様子を細かく記録される人間以上の手厚さです。アンケートに答えると犬が喜びそうなおもちゃがもらえ、次回以降の魅力的なプロモーション価格が提示されるなど、この業界の競争の激しさを感じさせます。家畜の歴史がせいぜい1万年なのに対して、犬は3万年前から生きた道具として人間のために働き、ほとんど進化しなかった石器に対して狩の生産性を飛躍的に向上させたとされます。今も昔も犬との関係は特別なものでしょう。

15人家族が最適?

娘が英国に出かけ夫婦とラブラドールの生活に戻りました。ニュージーランドで高校の一年間を過ごしたときは電話もSNSもメールも禁じられていたので多少の寂しさもありましたが、今はいつでもつながれます。日本にいてもインターンなどで東京を離れることが多く、家に居ることも居ないこともデフォルトの付かず離れずの距離感が適当と感じます。親子に限らず人間関係は蛋白過ぎても味気なく、濃すぎても煩わしく、どちらかが優位に立とうとしたり、あるいは依存するアンバランスな関係を続けていると結局は自分を欺くことになります。人類史における祖先たちの集団の大きさについては諸説ありますが、10人から20人程度の血縁集団で暮らしていたと考えていて、このサイズの家族関係というものがDNA的には人が一番心地よく感じる距離感だと思います。その点で核家族化した現代の人間関係は濃すぎて、単身世帯の急激な増加もバランスを欠いた人間関係と言えます。時々誰もいない山に無性に行きたくなるのは、膨らんだ利己主義が社会の至るところで人間関係を滞らせているからなのかもしれません。

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