運転はエンデュランス・スポーツ

最近のマイブームは数十年ぶりに買った自転車です。結婚祝にもらった2台の自転車は30年以上経った今も現役ですが、自転車にときめくのは小学校以来かもしれません。旅先でのランニングやトレイルランニングと同様に人力で行動半径が広がる喜びと筋肉が鍛えられる充足感は独特の高揚をもたらします。今まで行けなかったスーパーにも日常的に買い物に行けるようになり生活も充実します。飛行機や電車での移動より車の移動が好きなのは体を使う身体性を帯びるからだと思います。早朝に家を出て700kmぐらいを一気に走って午前中から会議をするような車の使い方が好きなのは、運転にエンデュランス・スポーツの要素を見出すからでしょう。長距離運転と言うとアウトバーンをポルシェで瞬間移動というイメージですが、スポーツは安楽など求めませんので1.2Lディーゼルのフィアットで十分です。700kmを走った小さな達成感のまま打ち合わせをするのも、朝食前に標高差1,000mの山で雲海を眺めてから仕事を始めるのも同様に自分を高揚させてくれます。

プロトコルにはまるホテル業界

昨日は出張先のホテルで授業をしましたが、遠隔授業は「その日は東京にいませんから・・」と言わないで済みスケジュール調整が楽です。昨日泊まったのは地方都市とは言えそれなり以上の施設で、客室には2,200mmのキングサイズのベッドが入り、それなり以上の朝食がついて消費税・サービス料込で6,180円です。ここから一休の手数料を引かれると、客より多いぐらいの従業員の人件費を負担する余裕などありません。これはコロナショック以前からの問題で、価格競争に巻き込まれる原因は積極的に行く理由がないコモディティだからです。業界論理が強い産業ほど構造不況業種になり、ホテル業界はその典型です。IT業界以外でホテル業界ほどプロトコルにこだわる産業はなく、金科玉条のごとく錆びついた価値観を崇拝します。大半のホテルは入る前から何が起こるか想像できそれが安心という声もありますが、提供側の差別化というのはいつも誤差範囲です。朝食は満足すべきものでしたが、ありきたりのサービスに高い原価をかけた上に自力集客できないためにOTAに法外な手数料まで取られます。業界のピラミッド構造は逆さまになり蟻地獄になっても惰性の経営は同じことをやり続けます。

安全より安心

東京にいるとマスクの同調圧力を常に感じます。昨日は地方都市に移動してマスクをはずしている人をちらほらと見かけるとホットします。マスクが有効な科学的な根拠や裏付けを聞いたことがなく、一般人が使う限りにおいて百害あって、利はせいぜい二、三割しかないと思います。マスク警察が問題なのはマスクの危険性や正しい使い方の難しさを全く語らず、それらしきものをしているか否かだけを問う視野の狭さです。安全より安心という主客転倒や手段の目的化は日本社会においてよく見られます。クラスター発生の原因は飛沫感染ではなく接触感染の可能性が高いのにその対応は不十分です。企業がリスクマネジメントではなく保身目的にコンプライアンスを唱えるように、より大切なことを平気で見落としていることは問題でしょう。先日某公共施設でエレベーターに乗ると接触感染対策として楊枝を使っていました。楊枝を刺した人が感染していれば無意味ですしこれをやり始めるときりがないのですが、接触感染に目を向ける点は評価できます。言われたこと以上考えようとしないところに日本社会の課題を感じます。

気力は筋力

ステイホームがノーマルになると電車に乗って外出することが億劫になります。リモートワークの成果に疑問の声が上がる一つの理由は、出不精になり筋力が使われず気力まで奪われていくからでしょう。子供の声が絶えない保育園や小学校に行くとこちらまで元気になり、病院や高齢者施設に行くと生気を奪われる気がするのは、人が発する気が影響しているからだと思います。明るい会社と暗い会社の違いは社員の発する気力の反映でしょう。モチベーションの向上には報酬とやりがいが必要とされますが、経営者の多くが従業員のモチベーションに悩む理由はインセンティブにばかり目が行き、気力を生み出す人体のメカニズムに着目しないからだと思います。面倒になり安楽を求めたり、受動的な娯楽にばかり身を委ねていると心身の機能が低下し人は無気力になります。無気力の処方箋は運動しかないと思います。結局のところ気力は筋力から生まれ、血流が良くなりアドレナリンが分泌する運動により、心身の機能が向上して気力が生み出されるのでしょう。

外食の人は外食しない?

ものぐさな人にとって家事は厄介事で、もっとも手軽なアウトソーシングは外食です。サービス業は役務代行ですから本来自分で行うことができます。旅館を休業してから料理を作る機会は減りましたが、最近のブームはキッシュです。海外に行くと朝食にキッシュが出される機会が多く、自分のなかでキッシュは思い出深い存在です。オーブンやパイ生地不要のフライパンで作る簡単なキッシュにこそ価値を感じます。美味しいことを追求するのではなく、原価低減と調理工程を最短化して家事労働の負担を減らす方法を探します。レシピサイトを参考に自炊をすれば便利な調理家電、作り置きや冷凍庫活用をしなくても、お金もかけず健康になれます。自分で料理をするメリットは調味料などに関心を持ち味覚が敏感になり食事を楽しめることです。健康リスクの高い砂糖と塩や小麦粉をコントロールできることはさらに重要です。旅館の料理は衛生環境と健康、美味しい料理と健康はいつもトレードオフの関係でそのバランスのとり方に悩みました。自分が食べるならこれ以上塩は入れないが万人受けするために塩を入れるか迷うことがあります。それを知る提供側の人は、おそらく普段は外食で他人が作ったものを食べないと思います。

内憂外患の中共政権

一年でもっとも昼の時間が長い夏至が過ぎ、一年の前半を武漢発のウィルスに奪われ早くも冬に向かう感覚さえあります。その武漢市の上流にある世界最大の三峡ダムに決壊の危機が迫っているとの指摘があります。上流一帯を襲う豪雨にコンクリート構造物や水利の専門家が下流域から逃げろと警告します。三峡ダムの下流域には経済の要衝である武漢市、南京市、上海市がありその人口は4,700万人に達します。中国の四大水系で大規模な洪水が発生し電力供給が止まれば中国経済にダメージを与え中共政権の命運が尽きる可能性もあります。手抜き工事の噂が絶えないダムの基礎部が湾曲している写真が2018年に発表されて最初は否定していた当局は弾性変化と開き直ります。天安門事件後、世間の耳目をそらすために強引に推進されたいわくつきのダムは一万年に一度の洪水を食い止めるとされましたが、国営新華社は年々その年数を短かく報道しています。ウィルスからいち早く立ち直り優位に見えた中共政権が内憂外患に事欠かないのは人権侵害や侵略などの悪行への報いでしょう。

都知事選の番狂わせ?

人はいつだって自分の生きる時代を特別視したい生き物です。今は大きな変革の時代だと常に言い続けてきた気がします。バブル崩壊、ITバブル、リーマンショック、コロナショックと10年おきに経済停滞が訪れますが、大きな変化だと思っているものは時間の歪みだと思います。コロナショックは前例がないほどのスピードで社会の構造変化と価値観の変化をもたらすかもしれません。限界費用ゼロ社会、プラネタリー・バウンダリー、人間性回復、といったトレンドの交点で環境、健康、連帯といった社会の基軸がより鮮明になるはずです。コロナ禍にあってマスメディアの偏向報道が露呈し、世界のリーダーが示すリーダーシップを目の当たりにした今、東京都知事選挙は社会変化の最初の試金石になる気配です。2016年の米国大統領選挙で圧倒的に不利な状況から、滅多に起こらない奇跡によってトランプが大統領に就任したように、旧来型の政治勢力を一掃して失われた30年を払拭する世紀の番狂わせが起こって欲しいと期待したいものです。

限界費用ゼロのニュー・ノーマル

昨日発売されたユニクロのマスクはどの店でも三密が発生するほどの行列で完売し、ウェッブサイトにもアクセスできません。普段使っている手荒れのしにくいハンドソープを買おうとアマゾンで検索すると以前の倍ほどの値段に高騰していました。一方ステイホームの影響で400リットルクラスの大型冷蔵庫が売れているといいます。米国では小売業の業績回復が著しく国内でも6月は前年に近い売上を見込むところが出始め、経済の先行きを悲観する必要はないかもしれません。他方でもとの大量消費社会に戻ることを手放しで喜べない気持ちもあります。限界効用逓減の法則なのか、満たされるほど人は消費をしなくなりデフレ社会は経済発展の結末かもしれません。昨夜娘が開いたオンラインイベントには各地から150人ほどが集まったようですが、お金はかかっていません。ニュー・ノーマルの本当の意味は限界費用ゼロ社会を急加速で実現させることなのだと思います。

会う必要ありましたっけ?

コロナ禍が生み出したリモートワークは、マイクロマネジメントによる頻繁な監視や無用な打ち合わせ、はては個人の生活を覗き見するリモートハラスメント(リモハラ)まで起きていると言います。一方で、ほとんど質問の出ない授業を遠隔化してもメリットを超えるデメリットは今の所見つかりません。移動時間やコストなど人と会うことの代償をこれほど意識したことはありませんでした。非接触のSNSが時空を超えて擬似的に人間関係を維持してきたように、新たな働き方は生活を豊かにする可能性があります。年間60日のスキーをKPIにする星野リゾートの星野代表がスキー場からiPadで会議する姿をうらやましく思いましたが、誰でも森でハンモックに揺られながら会議に参加できる時代です。学校や職場に行かないことで4月の自殺者が過去5年で最低だったことも象徴的です。ワークスタイルを変えれば自殺も過労死も減少し、その選択肢ができることで主体的に働く自分を発見する人が増えるはずです。専門職としての自分のスキルを意識すれば、組織の内外という境界線なしに仕事を進めていく時代が始まると思います。

iPhoneは捨てよ

最近のストレスはiPhoneがもたらします。勝手に電話をかけたりシャッターチャンスにカメラがフリーズするのは個体の問題としても、音声アシスタントのSiriは時間を聞いても答えない割に、静かにしてほしいときに突然話し始め、人間を困らせるためにいたずらをしているとしか思えない邪魔な機能です。写真を撮るだけなのに無駄にプルダウンメニューを表示してセルフタイマーを起動するなど、人の意に反して動く設計思想にかつてのアップルの姿はありません。ベンチャー経営者でウィンドウズマシンを使っている人を探すのが難しいほど成功したアップルですが、アップルはジョブズと共に死んだと思います。ウィンドウズマシンを使っていても常に一台はマックブックを持つほどアップルに愛着がありますが、それは直感的に動かせてウィンドウズより一工程少ない生産性の高さ故です。今のアップルはAI時代のデバイスについて大きな思い違いをしていると思います。人間らしい葛藤の中で禅に傾斜したジョブズなら、人間を飼いならそうとする今のアップルを嘆くことでしょう。そんなiPhoneは捨てよ、とジョブズが言っているように思えます。

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