馬とフェラーリとベントレー?

文化2年(1805年)創業 の老舗くず餅製造、船橋屋の社長が信号無視で起こした自動車事故がYahoo!ニュースのアクセスランキング1位になりました。逆切れして暴言を吐き、相手の車のドアを蹴る動画は410万再生され、SNSには「元祖クズ」といったコメントが並びます。くず餅乳酸菌のサプリメントや化粧水を開発し、老舗和菓子屋を健康提案のベンチャー企業に変えた敏腕経営者は「カンブリア宮殿」をはじめ、メディア露出が多く、5人の新卒採用に1万6,000人の学生がエントリーしたことでも知られます。事故の動画が投稿されたのは9月9日ですが、会社が事故を公表したのは27日で、SEO業者を雇い、検索エンジンのキーワード予測機能から事故関連投稿を消す工作をしたことも批判を浴びました。車が4,000万ほどする赤いベントレーコンチネンタルだったことも印象的で、馬とフェラーリは買うな、と経営者の一部で囁かれるジンクスにベントレーも加わるのかもしれません。

ロジカルな先祖返り

1985年7月に開業した観音崎京急ホテルが今月末で37年の歴史を閉じます。2005年に開業した温浴施設SPASSOとともにリニューアルされ、来年初夏には共立メンテナンスの運営により再開業します。ドーミーインやラビスタ、旅館群を展開する共立リゾートは、「高級大衆」という日本人の本音に近いコンセプトで実需を吸収してきたイメージがあります。経済成長期の70年代的な雰囲気を、よりロジカルに実現した先祖返りが半世紀前と違うのは、日本経済の見通しが明るくないことです。文化という名のまやかしで値札を正当化し、引き際が見えなくなった80年代はもう来ません。微細な差に意味を持たせるアフォーダブル・ラグジュアリーが無駄遣いに見えるのは、われわれが本物だと思うものは脳が処理する電気信号に過ぎず、贅沢をするほど余計な執着だけが増え、人間らしさの本質から遠ざかるような気がするからです。

サウナ戦国時代

昨今のサウナブームは、温泉信仰の篤かった日本人の旅行観を変え、宿泊業界の勢力図を塗り替える可能性があると思います。インターネットが個人経営の宿泊施設をメジャーな世界に押し上げたのに匹敵する影響を与えそうな勢いです。他方で、グランピングブームは曲がり角に来ているのかもしれません。所詮テントは不便で冬は寒く、よほど自然環境の素晴らしい場所以外はアメニティレベルを上げ、元の豪華主義に戻るという自己矛盾に陥ります。投資額の少ないサウナは自律神経バランスを整え脳疲労さえ癒す力を持ち、エビデンスを見なくても血行がよくなり肌に潤いと弾力が戻る効果を体感できます。徒手空拳の若者が始めたリビルド・サウナが、全国のサウナランキングの上位に入る現象は、インターネットの黎明期を思い出させます。甲子高原のように冬の気候の厳しい土地でこそ魅力を増す、自然を活かしたサウナから目が離せません。

制約のない自由こそ幸せの源泉

福島から新潟、富山、岐阜、長野を1,300kmほどフィアットで走りました。運転は運を転がすと書きますが、場所を変えると気分転換になり、自己肯定感やモチベーションを高め、探求心さえ満たし、あらゆる幸福ホルモンが分泌すると思います。無機質な高速を使わず、景色の変化を楽しみながら流れの早い国道を走った全体の燃費はリッター22km以上とフィアットのディーゼルは本領を発揮します。高速はお金と引き換えに時間を手に入れますが、他方で見落とすものもあります。オートマチックのフェラーリより、ギアが吸い込まれるように入る快感を伴うマニュアルのフィアットの方が運転して楽しいと思いますが、この意見が支持されない理由は車両価格という数字で幸福を量ろうとする風潮があるからでしょう。ウッドチップや薪を積み、荒れた山道でも気兼ねなしに走れるフィアットの制約と執着のない自由こそ幸せの源泉だと感じます。

最後の一口まで美味しい

一日の終わりに三行日記を書き始めました。ポジティブな気持ちになったその日の事柄3つを書くだけですが、自分にとって何が楽しいかが分かり、その時間を増やせば生活満足度を高めることができます。山に行く時が最も幸せですが、それ以外では、明け方風呂に入る時、その日の天候(晴れても雨でも)を感じた時、食事が美味しかった時です。昨日はラブラドールとの散歩の途中に、今年豊作の山栗を拾い栗おこわにしました。食事で幸せになるのは一般的には外食ですが、自分で採取した食材を食べるときに感じる幸せは自然への感謝であり、セロトニンやオキシトシンのような静的な幸せです。ドーパミン的幸せは最初の一口をピークに美味しさが色あせて行くのに対し、感謝を伴う食事は最後の一口まで美味しく食べられると感じます。

見えない8割の何か

週末にかけて新潟、富山、岐阜で勝ち組と目される観光施設を回りました。どこも思ったほどの客の入りはなく、閉鎖されている所もあり、勝ち組のない時代に入った印象です。現地で感じる風情や施設のヴォリューム感を含めた空気が真実を語り、世間に流れる情報は盛られ事実とは異なる印象です。YouTubeやグーグルマップで確認して行った気になりますが、8割の真実は現場に立って初めて感じ取る見えない何かに支配されていると思います。福島と富山で泊まりましたが、枕が変わると十分な休養が取れません。旅の宿は所詮我が家に近づくのがせいぜいで、超えることなどできませんが人は嬉々として大金を払います。アウェイであることは外食も同じで、消化が悪く、十分に味わうこともできません。宿も食事も自宅が一番と言う意見は少数派ですが、産業を守る為に形成された世論が変わり始めているようにも思えます。

型破りか非常識か

スノーピーク三代目社長の不倫、妊娠、辞任騒動は、お手並み拝見モードだった人たちに恰好の話題を与えそうです。型破りと見るか、非常識と見るかによって評価が分かれそうです。プレスリリース発表の日は、本社の敷地に4月に開業したSnow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERSのサウナを見に行きました。タオルがついて1,600円のプロモーション価格は、スノーピークを身近に感じます。今更サウナですが、それ故どこに卓越性を築くかを真剣に考える必要があります。サウナ室での差別化は難しく、水風呂と整いスペースをどれだけドラマチックに演出するかが勝負だと思います。サウナの効能を体感するのは整う時ですから、外気浴スペース、すなわちサウナの立地が重要で、日本のサウナはまだまだ発展途上にあると感じます。1,600円ならまた来ても良いと思いますが、大企業となったスノーピークに型破りな施設は期待できないのかもしれません。

4.8は鬼門?

昨日富山県で泊まった宿は外しました。某国内OTAサイトで事実上の最高評価である4.8という総合評価なのに、素っ気ない刺身と酢の物、ジャガイモ、汁物が出たところで、「あと2品来ますから」という女将の言葉に耳を疑いました。それでいて夕食評価はありえない5.0です。食後に何かを食べることなどありませんが、2km離れたファミリーマートにおやつを買いに行きました。このOTAサイトの4.8はどうも鬼門らしく、以前滋賀県で泊まった宿も中の下以下で家族に顰蹙を買いました。そのときはマニアが好む宿で、偏った層が評価を押し上げていると無理に納得したのですが、今回は違います。共通点は外観写真に違和感を覚えたことです。こんなにボロそうで本当に4.8?と思ったときに自分の勘を信じるべきでした。おまけに泊まって良かった宿大賞まで受賞するに至っては、アルゴリズムの欠陥を疑わざるを得ません。評価を操作できるなら秘訣を教えてもらいたいものです。

故郷を懐かしむ宿

昨夜は山深い豪雪地帯の奥会津にある湯ノ花温泉に泊まりました。寝苦しい東京から半袖で行くと、秋を通り越して場違いの初冬を感じる気配です。築135年の古民家の囲炉裏で焼くいわなや郷土料理を中心とした品数豊富な食事は、洗練や繊細さはなくても、食べたいと思えるものばかりです。現在の主人は10代目で、6代目は魔物が住むと言われた田代山を開山したと言います。先代の奥さんは102歳の今も元気で毎朝新聞を読むそうです。戸外に出ると小川のせせらぎと虫の音が響き、敷地つながりの共同浴場には近所の人が、ひとっ風呂浴びに入れ代わり立ち代わりやってきます。田舎に来ると時間の流れが変わり、無性に眠くなります。これは現代人が失った人が生きるための本来のリズムを取り戻すからだと思います。息子夫婦は違う仕事に就いており、故郷を懐かしむ日本のオリジナリティに残された時間はそう長くないのかもしれません。

時を止めた男

週末にネットフリックスでトップガンの第一作を見ました。トップガンマーヴェリックは映画館で見ましたが、第一作の秀逸さが際立った印象です。36年の時を経てそれなりに容貌の変わったアイスマン役のヴァル・キルマーや、出演依頼の来なかった恋人役のケリー・マクギリスと比べて、俳優としての魅力を失わないトム・クルーズの若々しさが話題になりました。しかし、印象的だったのは司令官役のジェームズ・トールカンで、年相応に容姿が変わりはしても、91歳の今も現役でいられることは素晴らしいと思います。自らアクション映画のスタントを行うことで知られるトム・クルーズは、様々な運動と糖質制限、ナッツなど少量のスナックを小分けにして摂ることで食べ過ぎを防ぎ、1日1,200kcal以内の食事により、その引き締まった体を維持しているとされます。健康と体型維持の秘訣は、運動と少食しかないのでしょう。

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