昨日は妻の実家に行き、90歳を超える父と夕食を食べました。この13年ほど身の回りのことを一人で行い、車の運転こそ最近止めましたが体は至って丈夫で、杖など使わず数km離れたスーパーに歩いて買い物に行きます。身近な存在であり、全くいたわる必要を感じさせないので、90歳で元気な人は普通だと思っていますが、世間的には希なケースでしょう。よく酒は飲みますし、以前は喫煙をし、生活は昼夜逆転に近く、一見すると健康的な生活には見えません。一方で魚介類が好きで、庭で野菜を育て、家は急傾斜を登った丘の上にありますので、長寿の人が局所的に集中するエリアを示すブルーゾーンの生活とも言えます。ブルーゾーンとして紹介される世界の5地域に共通するのは、野菜と魚中心の食生活、よく身体を動かし、豊かな人間関係とされ、健康長寿の秘訣は昔から誰もが知ること以上でも以下でもないと思います。
お知らせ
少ない食事で遠くまで
昨日は八ヶ岳南端にある西岳(2,398m)を経て青年小屋まで歩きました。同じ1月2日に登った昨年は、登山口で氷点下12度まで気温が下がりましたが、昨日は氷点下4度ほどです。それでも体が暖まるのは頂上に近づく頃で、心拍が遅いほどスポーツには有利ですが、体がいつまでも冷たいのはデメリットです。心臓の耐用回数はあらゆる動物でおおよそ20億回とも言われ、われわれを生かし続けるために四六時中働く心臓への感謝の念を持つのは運動をしているときです。心臓と血管に報いる最良の方法は、規則的持続的な有酸素運動により機能を良好な状態に保つことです。心臓は筋肉の一種ですから負荷をかければ強くなり、同時に寒い場所での運動はミトコンドリアを効果的に増やし、少ない食事で大量のエネルギーを生みだすことができます。トレッキングの可能性を広げるのは、極力少ない食事で遠くまで行ける身体づくりに尽きると思います。
今年も続くサウナブーム?
年末年始は山に行く以外は専ら読書とWEBで見つけたフィンランドサウナ関連のレポートを読みました。海外との往来が始まり、今年はフィンランドと周辺国のサウナを見に行こうかとも考えたのですが、それには及ばないほどの北欧式サウナに関する情報があふれています。コロナ禍でバーチャル化した海外旅行は本物の旅行を代替し得るものではありませんが、こと視察の類は多少の想像力を働かせれば、あわただしく数か所しか見られないリアルの視察より、広く浅く膨大な資料に目を通した方がメリットは多そうです。どうしても見たい施設がないわけではありませんが、見たからといって人生が変わるわけではありません。サウナ室の吸排気の構造など、良質な最新情報がアップデートされていることを考えると、昨年視察で当地を訪れたビジネス関係者は多く、今年も本格的なサウナ参入の波は続きそうです。
平凡な暮らしに喜びを
皆さま、新年あけましておめでとうございます。30年ほど恒例にしている諏訪大社に初詣をしました。今年ばかりは世界の平和を祈らずにいられません。参拝のあと、神社の背後に鎮座する守屋山(1,650.3m)に登りました。山はいつ登っても緊張から解放され、心と体が浄化され、体調が回復し、心身が喜ぶ場所であり、これ以上の幸せ追求など無用に思えます。快晴の続くこの時期に雪を踏みしめて歩く森のトレイルは、心身一如をもたらし感覚が研ぎ澄まされます。新年の誓いを立てるとすれば、なるべく自然の近くで、なるべく体を動かし、無駄に食べず、無駄に消費せず、平穏な日常に感謝し、平凡で静かな暮らしに繊細な喜びを発見するような一年でありたいと思います。何を食べても美味しく、どこに行っても楽しい感受性こそが人生の満足度を高め、健康で平安な日々を過ごせるのでしょう。
人こそが最高のパワースポット
国の内外で重大事件が起きた2022年ですが、個人的には変化に乏しい一年でした。唯一のトピックは戊辰戦争以前の古民家を買ったことで、土蔵を使ったサウナ併設の賃貸住宅を建設予定の来年は、多少刺激的な年になるかもしれません。とは言え冬の氷瀑めぐりに始まり、八ヶ岳にはしばしば登り、遠く九州の韓国岳や2度行った北アルプスなど山に行く機会には恵まれました。大半が日帰りのトレッキングですが、山以上に幸せを感じる場所はありません。世界一過酷な山岳レースTJARの応援に行った北アルプスでは、人の能力を超える秘儀を身につけたとしか思えない選手や、登山界最高の栄誉ピオレドール賞を日本人最多受賞するアルピニストの平出和也氏、80歳を超える若々しいハイカーとお会いすることができ、前向きに生きる意欲をもらい、人こそが最高のパワースポットだと実感する一年でした。皆さま、良い年をお迎えください。
近所の銭湯サウナに帰る
今年の後半はサウナ研究に時間を費やしました。しかし空前のサウナブームというのは幻想で、メディアとインフルエンサーが生み出した熱狂感だった気がします。投資で財を成した人の成功法則はいつも同じで、市場に悲嘆が満ち溢れているときに買い、熱狂が頂点に達する前に立ち去る、と言われます。生き残るには、自然発生的に生まれた熱狂とプロモーションにより作り出された熱狂感を見分ける必要があります。ウェルビーイングという昨今の文脈の追い風を受けたサウナブームは、以前の岩盤浴との類似性も指摘されます。ブームが過熱するに従い、差別化と高付加価値化を事業者が競い、足抜けできないほどの初期投資の施設が目立った一年でもありました。雨後の筍のごとく現れた高級貸し切りサウナへの熱狂感が冷めた時、結局人は日常的な近所の銭湯サウナに帰るのかもしれません。持続する幸せは日常にしかないのですから。
必ず終わるという世の定め
昨日は貰い物の高級食パンを昼食に食べました。トーストは最も食べたいけど同時に最も食べたくない食品です。人を小麦の奴隷にして健康を害すると同時に、究極の至福をもたらします。あれほどたくさんあった高級食パン専門店は、近所ではほぼ消滅しました。コロナ禍以前から盛り上がってきた高級食パンブームですが、「高級食パン」の検索数は2021年をピークに急減し、コロナ禍が促した「プチ贅沢」と「巣ごもり消費」が一巡した結果かもしれません。手が届き、ちょっと豊かな気分にしてくれる身近な贅沢品の代表である高級食パンは、消費マインドの変化を占う景気指数にもなりました。パンは主食なのでブームで終わらず安定化して続く、との関係者の願いも空しく、ブームはあえなく終焉したようです。ブームは必ず終わるという世の定めを、熱狂の渦中にいると人は忘れてしまうのでしょう。
日本人の悪い癖
2022年の消費行動の変化に、リモートワークによるリゾート地などへの長期滞在があると思います。月一度程度の出社で事足りる人であれば、住む場所の制約がはずれます。東京が流出人口過多に転じたこともその現れかもしれません。毎週レジャーに出かけるのではなく、たまに出社するのであればトータルの移動コストを減らす効果があり、宿泊サブスクリプションサービスの普及がそれを実現します。人々の目が地方に向かうと、日本各地に残る伝統家屋や酒蔵などの再生が始まり、ハイアットのように日本文化への関心の高い海外の顧客を持つ外資系ホテルもその担い手です。今後日本で展開されるラグジュアリー温泉旅館ブランドATONAなど、地方に残る地域特有の文化資産の事業化が外資により占められ、全国がニセコのようになるかもしれません。外国から認められて初めてその価値に気づく日本人の悪い癖が心配です。
目先の流行を追わず
昨夜はサウナのイベントに行きましたが、今年の後半はサウナ研究?に明け暮れたと言えそうです。サウナに行き始めたのは30年ほど前ですが、今で言う「ととのう」を意識したのはそれほど昔ではありません。アウトドアや薪サウナ、ロウリュは今や当たり前で、アウフグースやアウグギーサー、ウィスキングやヴィヒタなどのサウナ用語も普通に使われ始めました。他方でグーグルのキーワード検索数は減少に転じ、新規開業施設も思ったほどに集客できないなどブームはピークアウトしたとの指摘もあり、サウナ人口はこの2年ほど大幅に減少しています。一方、欧州ではドイツ発のアウフグース競技が盛り上がり、日本では消えつつあるテレビが注目されるなど、サウナトレンドが進化しているようです。結局のところ、目先の流行を追わず、時間をかけて卓越した施設を育てることが必要なのでしょう。
良い本の条件
YouTube動画を見る時間が増え読書量が減っています。それでも今年読んだうちメモを作った本は253冊あり、健康本が159冊(63%)、ビジネス書が54冊(21%)、社会・一般が40冊(16%)です。健康本への偏重は自覚していましたが、驚くのは歴史書を一冊も読んでいないことで、YouTubeに移行したのでしょう。今年読んだ本のベストは、米国クォンタム統合医療大学教授のジョー・ディスペンザ氏の「超自然になる」と「あなたはプラシーボ」です。一言で言えば人生の可能性についての本で、物理次元に残る五感から量子場における意識体への移行という、受け入れ難いテーマです。著者は常識的でないことを実践するにあたり科学的な裏付けを待つべきではないと主張し、それは科学を宗教に祀り上げることになるからです。良い本の条件は読み返したくなる、著者と本を通じた対話をしたくなる、旅に出るような感覚をもたらすことの3点で、2と3の条件はYouTubeでは不可能だと思います。