時代を変えるのは異端の存在

昨日は北アルプスの最奥部、標高2,600mに広がりアプローチの遠さから最後の秘境と呼ばれる雲ノ平に行きました。雲ノ平のもう一つのハイライトは雲ノ平山荘でしょう。日本の宿泊業界にあって、最も遅れているのは山小屋だと思います。国立公園内の宿泊施設を内務省が管理する米国のような体制がなく、ある種の放任主義的な運営方針が古くからの山小屋の経営スタイルを生み出したとも言えます。雲ノ平山荘は、山小屋に滞在しなければ生まれない時間の価値をテーマに、人々が創造性を持って自然と向き合える場所を追求しています。それは創業者が航空工学の若き研究者であり、敗戦により夢破れた人だからだと思います。美味しくて栄養がある手作りの料理はもちろん、山小屋とは思えない居住空間には、デジタル音源より豊かな音色を聞かせるレコードプレーヤー、オーディオ機器の機械美とマッチしたラックにまでこだわります。時代を変えるのは異端の存在なのでしょう。

Translate »