弟子入りで成り立つ?


サウナ施設の視察に行くと、自戒も込めてですが、この施設は3年後に生き残っているのだろうかと考えます。突然のサウナブームとコロナ後の補助金バブルによって、サウナビジネスは参入が容易な業界になりました。その代表格である飲食業は年間廃業率が4割、都市部ではさらに高いとも言われます。水曜日に行った神崎サンガサウナは、業界の有名人である大垣サウナの元支配人の経営で、サウナ施設としてはこの上ない大自然のロケーションに恵まれます。スタッフと話すと、オーナーに頼み込んで弟子入りをしたと言います。サウナ界ではこの弟子入りという特殊な雇用慣習や複数店の兼業などの特徴が見られます。施設によっては初期投資を数百万に抑えるところもあり、その点で参入がしやすく同時にレッドオーシャンのリスクに晒されます。どの業界であれ、自分で付加価値を作れなければ生きづらい時代なのは確かでしょう。

美しい街並みは取り戻せる


ブルーボトルコーヒー京都カフェと京都六角カフェを見ました。どちらも渋いロケーションで、一等地ではないまでも京都風情が残り、人が集まる場所です。とくに見たかったのは前者で、民家の前面を大胆にカットした断面図のような建物はインスピレーションを掻き立てます。後者も自転車店とのハイブリッド店舗というペナンあたりにありそうな情緒が参考になります。商業施設に限らず、現代的なデザインと融合させてこそ古民家は存在価値を放つと思います。譲り受けた南会津の古民家も解体直前でしたが、残された時間のなかで一軒でも貴重な古民家を次の時代に引継ぎたいものです。古民家は直しながら使えばほぼ永久に使えますし、日本伝統の建築は基礎を固定しない究極の免震構造で、壊れても直すことができます。古い民家は不便であり快適とも言えませんが、工夫次第で美しい街並みは取り戻せる気がします。

調う秘訣


昨日は神崎サンガサウナに行きました。岐阜の名店大垣サウナの元支配人が、オーナーの施設です。美しい二つの渓流が合流するこの上ないロケーションは、異なる水質の水風呂を体験できますが、難点はサウナ室から川まで歩くことです。人気は本場フィンランドをイメージした貸切のログサウナですが、人がひしめいて窮屈そうです。一方でパブリックのコンテナサウナは、入る人がなくこちらこそ貸切状態です。大きな窓から渓流を望む開放的なサウナ室は10数人が座れそうで、75℃と快適ながら適度に汗をかけます。以前買った10万円のサヴォッタのテントサウナでも快適に汗をかけましたので、サウナ室の快適性はかけたお金とは比例しないのかもしれません。サウナ施設に行くのは基本的に視察ですが、いつも落ち着かないのはそれが原因ではなく、日帰りだからだと思います。サウナは宿泊施設と組み合わせて初めて調うような気がします。

サウナホテルの標準


昨日はSAUNA HOTEL GIFUに泊まりました。岐阜市殿町で45年間営業してきたビジネスホテル花月を改装して、全客室にHARVIAのロウリュヒーターを導入しています。ストーブは80℃から110℃まで調整でき、ヒノキ材を使用したサウナ室は無理すれば二人で入れます。水風呂には長良川の地下水が使われ、1015のユニットバスはチラーを通して本格的な水風呂になります。オロナミンCとポカリスエット、水が無料提供され、1階のバーでは1時間限定で飲み放題がつけられ8,300円はバーゲンプライスです。屋上には金華山や中心街の街並みを望む開放的なととのいスペースまであり、名古屋の不動産会社による新規事業は採算度外視の道楽に見えます。難点はストーブが小さく、ロウリュでは湿度が十分に上がらないことですが、起動から30分ほどで入浴できる温度に上がり、常時サウナに入れてYouTubeや音楽を楽しめるのは、今後のサウナホテルの標準になる気がします。

投資回収が難しいサウナ事業


昨年8月に開業した岡崎市の龍城さうなに行きました。2021年3月に休業し解体予定だった、1925年(大正14年)開業の銭湯龍城温泉を活用した男性用サウナ施設です。建設会社と消防署に勤務していた高校の同級生2人が、30歳で脱サラをして挑んだのが、今年築100年の味わいのある銭湯の再生です。風情のあるレンガの煙突が残る場所は、釜炊きをしていた釜場で、今は外気浴に使われます。天井には古民家のような丸太の梁が眺められ、随所に大正時代の痕跡を見ることができます。意義深い事業と感じる反面、7カ月の工期と4,000万を投じた事業は、投資回収が難しいように見えます。鳴り物入りで開業したサウナ施設の多くが、実際に行ってみるとそれほどの盛況ではありません。開業時期からして事業再構築補助金などを使ったと思われますが、実際の投資額が半分だとしても、その道のりは平たんではなさそうです。

ありのままの自分


秋が深まると温泉に行きたくなります。南会津に行くと古民家のある現場から車で10分ほどの木賊温泉に行きます。深山幽谷の秘湯風情がなんとも味わい深く、冬に入ると温かい気持ちにさせられます。山の反対側にある湯ノ花温泉共同浴場の石湯も川の近くにあり、どちらも過去に濁流に流されたことがあるほど野趣あふれる非日常の世界に誘われます。都市の贅沢とは対極にある浴槽に身を沈めるとき感じる幸せは、終わりなきラットレースに見える都市の暮らしより本質的に見えます。発達心理学でいう老年的超越とは、物質的な価値観から超越的・精神的な価値観へ移行することで、いくつになっても精神的成長や自己変容を遂げることができると思います。人が最晩年に後悔することが、他人の目を気にして自分らしく生きなかったことであるなら、素朴な共同浴場で感じる幸せこそが、ありのままの自分のような気がします。

N-VANは物価の優等生


N-VANは自分史上最速で5万kmを走りました。この1年で4.2万kmをノートラブルで走破したことになります。N-VANに乗り始めてから、自動車への興味がなくなりました。自分が小学校の頃でも車は百万円ほどしていましたが、半世紀を経てもそれに近い価格で買え、4WDや最新装備を考えればむしろ安いぐらいです。不満と言えば、坂道で遅いことと18.5km/Lとそれほど伸びない燃費だけです。たとえばアルファードと比較すると、できないことは定員が少ないことぐらいで、逆にN-VANにしかできないことは、フルフラットで布団が敷けることや、6MTの痛快な走り、満車の駐車場でも空いている可能性の高い軽の車室に停められることなどたくさんあります。長崎まで走った時もたいして疲れず、雪道での走行性能も安定しています。しかし、最大のメリットは、車への執着から解放してくれたことだと思います。

戦後政治の転換点


26年ぶりの自公連立瓦解という熟年離婚は、戦後政治の転換点と言えそうです。じり貧で先のない公明党が切られる前に切ったのか、一気に単独過半数を狙う自民党の大博打なのかと憶測が広がります。あえて裏金議員を起用したところを見ると、公明党を追い出すための意図にも見えます。いずれにしても、宗教支配の組織票なしには選挙で勝てないという風潮が、政治家の間に蔓延している状況は不健全でしょう。公明党の足かせがなくなることで、自民を見限った保守層が戻るなら、自民党一強の時代が再び訪れる可能性もあります。経済政策の失敗により、就任から1ヶ月半で辞任を表明し、イギリス史上最短の首相在任期間となったリズ・トラスのように、積極財政には副作用もありますが、総裁選直後の株価上昇率が歴代最高を記録した今の空気が、継続してもらいたいものです。

問題はセンス


昨日は南会津に行きました。途中鬼怒川温泉や川治温泉といった、昭和の時代には我が世の春を謳歌した温泉街を通ると、極端な二極化を目にします。得意の絶頂があれば失意のどん底もあるのがこの世の定めですが、現実はより冷酷です。伊藤園ホテルズやごく一部の差別化された旅館には平日でも宿泊客の車が駐車場を埋め、それ以外は静かに廃墟をさらします。安売りは正義という教義は、景気が回復したとされる宿泊市場においても有効です。ごく一部の投資家だけが富を独占するグローバル経済の原理は、地方の温泉街においても見ることができます。経済においては貪欲と臆病という極端かつ強力な二つの感情が周期的に繰り返しますが、多くの人はそれを忘れて行動します。ウォーレン・バフェットは周囲が貪欲なときに売り、臆病なときに買い、成功した経営者や投資家は皆同じことを言います。問題は今が売りか買いかを判断するセンスでしょう。

歴史は繰り返す


アメリカが衛星などの情報をウクライナに積極的に提供をはじめてから、ウクライナ戦争の形勢が逆転し始めたように見えます。「ウクライナは国境線回復以上の軍事的な成果を得るかもしれない」というトランプの予言以来、世界は大きく動き始めたのかもしれません。ロシア国内のエネルギーインフラへの攻撃は、ドローンによるインテリジェンス戦争の幕開けを告げるもので、データと人工知能を駆使したゲームチェンジャーにより、軍事大国ロシアの防衛線が崩壊しつつあります。エネルギーインフラや兵站への精密攻撃により、ロシアは南部の兵站を再構築する必要が生じます。歴史は繰り返すと言われますが、小国日本に負けた日露戦争の12年後、財政破綻によりロマノフ王朝は崩壊しました。アフガニスタン侵攻の12年後にソ連が同じ理由で消滅したことを考えると、プーチンがラストエンペラーとなることは必然かもしれません。

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