
都心で見かけるインバウンド客の数が落ち着いてきたように感じます。コロナからの急激な回復を遂げてきた観光市場ですが、2025年の春以降その回復に停滞の兆しが見られます。飛びぬけて集客をしてきた大阪も、今週末で万博が終われば需要が落ち込むのは明白です。これまであまり旅行をしなかった20代の需要は比較的堅調とされますが、かつてはアクティブシニアと呼ばれ平日需要の中心となってきた団塊の世代に期待することはできません。生活必需品の値段が上がり、手取りが増えないなかで、調子に乗って上げ過ぎた価格も客離れの要因です。インバウンド市場においては、暑すぎる夏の日本には旅行をしないというトレンドが広がります。ポストコロナの旅行需要の回復は一過性のものだったと見ることもできますが、事業者にできることは、マクロ市場の動向など気にすることなく、自分の事業の特長を磨くことでしょう。
お知らせ
自分軸で生きる

10月に入り気温が下がると、東京の家でも自然と睡眠時間が増えます。一方で、自分のことを短眠だと思っていると寝不足という概念はなくなります。食事も同じで、一日一食生活が普通になると三食は食べ過ぎですが、食べるのが好きな人は三食でも足りないと言います。贅沢な生活が不幸を呼びがちなのは、今よりさらに高い水準の贅沢を求めるようになるからです。結局のところ人生は、今あるものに目を向けて感謝をするか、足りないところにフォーカスして、常にモア&モアを求めるかに二極化すると思います。起きて半畳寝て一畳で、今の生活を十分だと思えば人生は満たされますが、不足と思えば欲望が止まらなくなり際限なく増殖します。不足に支配されてしまえば、自分軸で生きることが難しくなり、自分を人生の主役にするには感謝で満たすことが必要な気がします。
廃業率4割の悲劇

長野県にいる時や自宅を離れる時はWi-Fi接続にガスト、マクドナルド、スターバックスを利用します。世界最高水準と言われてきた日本の外食運営ですが、さすがの人手不足にDXの活用によって省力化するチェーンが増えました。以前なら、ブランドの象徴でもあったスターバックスの接客力にしても、最近はぎこちなく感じます。料理、価格、雰囲気、接客の飲食店の商品要素の一角である人的サービスを、大手は放棄し始めたようにも見え、逆に個人商店にとっては接客が生き残りの武器になる可能性があります。近所の商店街にいつも工事をしているビルがあり、駅に近いことからテナントが入っては、撤退を繰り返す場所です。どの店も洒落ていて、コンセプトは分かるけど需要がないことも素人目に分かります。一年以内の廃業率が4割という飲食店の世界に参入する悲劇が止まらないのは、自店の存在価値を高く評価し過ぎるからかもしれません。
火中の栗を拾う覚悟

自民党新総裁に高市氏が選ばれる予想外の結末は、土俵際に追い詰められた自民党が、奇跡の大逆転をした印象です。初の女性総裁の誕生という政治史に残る転換点に、男性にできない思い切った決断を期待する半面、岩盤保守層が自民党に戻ることで、旧来型の政治が温存されないかという心配もあります。派閥の論理より党員票によって、国会議員票が動いたことにはかすかな望みが持てます。高市トレードによって、株式市場にも良い影響が及ぶはずです。決選投票の直前、勝利を確信して余裕の表情を見せていた小泉氏に対して、終始緊張の面持ちを崩さなかった高市氏には本気の気迫が見て取れます。「ワークライフバランスを捨て、政治家の皆さんにも馬車馬のように働いてもらいます」、という決戦投票直後の発言に、衆参少数の状況で火中の栗を拾う覚悟を感じます。
信頼に値するブランド

コロナ後の決算でキャンプブームの終焉が囁かれていたスノーピークは、昨年MBOを発表し、減損処理を経て業績は順調に回復しているようです。成長軌道への回帰の目途がついた今月1日、ロエベジャパン、スターバックスジャパンのCEOだった水口氏を、代表取締役に迎えました。成長のためのコンセプトは不易流行で、「人間は自然の一部である」という日本人が持つ自然観をより深く進化させる骨太さを感じます。自分も一時期在籍した米国系コンサルを経て、ルイヴィトン以来、一貫してデザインやブランド領域のトップを務めてきた氏の才能と感性は、三代目の電撃辞任で混乱するかに見えたスノーピークとの、幸せな結婚に見えます。「人間らしく生きる時間をより一層深め、世界中へ広げていきます」とのコメントが嘘くさく感じないのは、信頼に値するブランドだからでしょう。
プロ対名経営者

2025年の基準地価は、沖縄県が住宅地で全国トップとなる前年比5.7%上昇しました。ジャングリア沖縄のある今帰仁村は従業員向け住宅増などの投資により、11.2%上昇したと言います。パークの完成度や運営については否定的意見が多い反面、一定の人が支持するのは経済効果であり、それが実証された形です。しかしながら、パークの構造的な問題から失敗を予想する専門家もいて、その根拠にも納得できます。レジャーの楽しさは屋外で行う点にありますが、他方で没入感は失われていきます。個人的にはジャングリアが成功しない気がするのは、刀の森岡氏にプロ経営者のにおいがしてしまうからです。プロ経営者は短期的に企業を立て直し、会社を渡り歩く人ですが、利益の先食いをする手法でマクドナルドのQSCを破壊したのもプロ経営者です。名経営者は長期視点で思考しますが、プロ経営者がもてはやされるのは、世間が短期利益を求めるからでしょう。
栃木県はサウナの不毛地帯?

宇都宮のザ・グランドスパ南大門に行きました。「サウナイキタイ」の栃木県版では圧倒的な一位ですが、焼肉やパチンコを祖業として、1986年に開業した韓国風健康ランドは、昔懐かしい昭和の風情です。サウナ室は広く、好きな温度の席を選べますが、ロウリュができないためか、ガッツリと汗をかきたい人には物足りません。宿泊する部屋がいくつかに分かれていて、Sを指定されたのでD~Tと書かれたドアをバーコードで開けようとしても開かず、フロントに戻ると別の一角でした。これほどわかりにくい表示を何十年も放置し、部屋番号を示すサインも進行方向から見えない角度に貼るなど、ありえない運営状況です。せめてフロントが気働きがして、一言添えれば済むのに、到着早々の悪印象を最後まで引きずり、全般に凡庸な印象で行く理由はなさそうです。
いっそのこと道ずれに

関西に住む親せきに書類を郵送したのですが、途中に週末をはさんでいたこともあり、丸5日を要しました。昨今では普通のことですが、郵便インフラの衰退は国民生活に直結し、値上げをしながらかつての郵便事情からは見劣りがします。明治維新による偉業の一つは、国家統一の象徴として、全国津々浦々まで情報を届ける郵便制度が早い段階に基盤構築されたことだと思います。明治の政治家は、国の未来を見据えて近代国家の礎を築きましたが、今の政治家は「改革」の名のもとに国民を欺き、都合よく郵政事業を解体して収益部門を売却し、日本が世界に誇る郵便制度を破壊してきたと思います。週末に迫る自民党の総裁選ですが、今の自民党に期待する気にはなれず、いっそのこと党内野党の石破さんが党を道ずれにしてくれれば良かったという気がします。
睡眠の真実

長野県から東京に戻るのはいつも夜中です。早く寝れば深夜に目が覚めるだろうと高をくくっていたら、昨日に限って目覚めたのは4時過ぎで、慌てて高速に乗りひどい渋滞は回避しました。睡眠には未解明なことが多く、自分でも睡眠をコントロールすることは困難です。サーカディアンリズムを意識する、部屋を真っ暗にするなど世間で言われることはしていますが、それでも4、5時間しか眠れず、これが自分にとっての正常な睡眠周期だと思います。分かっていることは睡眠負債があるとよく眠れることです。すなわちよく寝るためには寝ないことが重要です。もう一つは食事を減らすと睡眠時間も減ることです。一日に2、3度食事をしていた頃は今より長く眠っており、これらは睡眠の真実のような気がします。それは食事を減らすと食事が美味しくなり、豊かな気持ちになるのと同じ原理なのでしょう。
グランピングは都会人の本音

東京の最高気温が30℃を切るようになると、標高1,300mの長野県では最高気温が20℃を切り、ストーブが恋しい季節に入ります。薪ストーブが唯一の暖房なので、薪の消費量を抑えるためになるべく着るもので調節しますが、秋から冬に向かう火のある暮らしも魅力的です。外食もしなければショッピングもしない人間にとって、都会は魅力を感じる場所ではなく、Wi-Fi環境がなく、近所にコンビニもなく、刺激はないけど自然がそばにあるシンプルな暮らしが好きです。都会の刺激や情報から離れてみると、自分にとって本当に大切な事は何かが分かり始めます。きちんと食事をする、山で体を動かす、紙の本をゆったりと読む、そんな何気ない時間に幸せを感じるのは、必ずしも歳のせいばかりではないと思います。一時期流行ったグランピングは、都会人の本音だったような気がします。