最新情報

Information

日本人の悪い癖

2022年の消費行動の変化に、リモートワークによるリゾート地などへの長期滞在があると思います。月一度程度の出社で事足りる人であれば、住む場所の制約がはずれます。東京が流出人口過多に転じたこともその現れかもしれません。毎週レジャーに出かけるのではなく、たまに出社するのであればトータルの移動コストを減らす効果があり、宿泊サブスクリプションサービスの普及がそれを実現します。人々の目が地方に向かうと、日本各地に残る伝統家屋や酒蔵などの再生が始まり、ハイアットのように日本文化への関心の高い海外の顧客を持つ外資系ホテルもその担い手です。今後日本で展開されるラグジュアリー温泉旅館ブランドATONAなど、地方に残る地域特有の文化資産の事業化が外資により占められ、全国がニセコのようになるかもしれません。外国から認められて初めてその価値に気づく日本人の悪い癖が心配です。

目先の流行を追わず

昨夜はサウナのイベントに行きましたが、今年の後半はサウナ研究?に明け暮れたと言えそうです。サウナに行き始めたのは30年ほど前ですが、今で言う「ととのう」を意識したのはそれほど昔ではありません。アウトドアや薪サウナ、ロウリュは今や当たり前で、アウフグースやアウグギーサー、ウィスキングやヴィヒタなどのサウナ用語も普通に使われ始めました。他方でグーグルのキーワード検索数は減少に転じ、新規開業施設も思ったほどに集客できないなどブームはピークアウトしたとの指摘もあり、サウナ人口はこの2年ほど大幅に減少しています。一方、欧州ではドイツ発のアウフグース競技が盛り上がり、日本では消えつつあるテレビが注目されるなど、サウナトレンドが進化しているようです。結局のところ、目先の流行を追わず、時間をかけて卓越した施設を育てることが必要なのでしょう。

良い本の条件

YouTube動画を見る時間が増え読書量が減っています。それでも今年読んだうちメモを作った本は253冊あり、健康本が159冊(63%)、ビジネス書が54冊(21%)、社会・一般が40冊(16%)です。健康本への偏重は自覚していましたが、驚くのは歴史書を一冊も読んでいないことで、YouTubeに移行したのでしょう。今年読んだ本のベストは、米国クォンタム統合医療大学教授のジョー・ディスペンザ氏の「超自然になる」と「あなたはプラシーボ」です。一言で言えば人生の可能性についての本で、物理次元に残る五感から量子場における意識体への移行という、受け入れ難いテーマです。著者は常識的でないことを実践するにあたり科学的な裏付けを待つべきではないと主張し、それは科学を宗教に祀り上げることになるからです。良い本の条件は読み返したくなる、著者と本を通じた対話をしたくなる、旅に出るような感覚をもたらすことの3点で、2と3の条件はYouTubeでは不可能だと思います。

食べても幸せ、食べなくても幸せ

一昨日は新月で2日ほど断食をしました。新月に断食と言うといかにも怪しげですが、人体が月の満ち欠けの影響を受けていることは紛れもない事実です。普段でも体重は丸一日の断食で2、3kg落ちますが、昨日は4kgほど落ちます。いつでも体重を落とせると思うと、誘惑に負けて過食をしてもストレスになりません。食べないでいると不思議と食欲が消えて行き、食べる必要さえ感じなくなります。グルメ大国日本では食欲を絶対視しがちですが、「人は食べるほどに食べたくなる」という経験則は正しく、その逆もまた真なりだと思います。至福と悪魔はいつも隣り合わせで、美味しいものを求めるほどに自分から執着を抱え込みます。16時間の間欠断食でもオートファジーによる健康効果が得られ、食べても幸せ、食べなくても幸せと思える感情の切り替えができるなら、年中幸せな気持ちで過ごせるのでしょう。

幸福感はいつでも相対的

一年を振り返る時期になり、今年泊まった宿泊施設でベストはどこか考えます。今年は営業施設に40回泊まり、長期滞在ホテル16泊、旅館10泊、民宿6泊、テント4泊、カプセルホテル2泊、ホステルと山小屋がそれぞれ1泊です。最良の宿泊施設は8月に泊まった北アルプスの雲ノ平山荘で、日本離れしたロケーションと山小屋らしくない洗練された建築、備品に至る一体感、そして簡素だけれどもお代わりをして食べた美味しい食事です。料理の品数は少ないですし、都会であれば顧ることのない内容ですが、ストイックな状況に置かれる山のなかでは、全てがありがたく、どこもが天国のように美しく感じられます。雑魚寝ですから睡眠も十分ではありませんが、普段われわれが重視するアメニティ水準がほぼ欠落していたとしても文句なしの最高評価であることを考えると、幸福感はいつでも相対的なものだと思います。

平凡な風景を聖地に

TVerの再生回数が歴代フジテレビ全番組の記録を塗り替え、Twitterでは初回放送から毎週連続国内トレンド1位を獲得する話題のテレビドラマ「silent」は昨日が最終話でした。会話のない表情だけの静寂さがドラマに引き込みます。撮影場所の多くは自宅の周辺で、ラブラドールと毎日のように散歩で通る東急世田谷線の松原1号踏切もその一つです。何度か撮影の現場を見かけ、聖地巡礼の若い女性が写真を撮りあっている姿も見られます。今や聖地巡礼と言えばアニメやドラマの舞台を指し、その経済効果は宗教の聖地を訪れる本家を超える程です。ありきたりの住宅街の風景をエネルギーの高い特別な場所に変える力がドラマにはあるのでしょう。感情とは、ある環境で経験した結果生まれる化学物質の合成物による心理状態であり、多くの人々が特有の思考と感情を振り向けた先に高いエネルギーが集まり、高揚感を味わう聖地が生まれるのかもしれません。

本当の幸せ

冬至は1年で太陽の位置が最も低くなる日で、日中の時間が最も短くなります。それでも東京の日中時間は10時間近くあり、この時期は晴天率も高く健康への影響は最小限です。娘のいるブライトンは日の出が8時、日没が15:57ですから東京より日中の時間が2時間も少なく曇りがちで朝日を見ることは稀だと言います。北欧の極夜になると日中でも太陽が昇らず日照時間はさらに限られ、日照時間が短い地域はうつ病が多い事が知られます。太陽光にあたることでミトコンドリアが活性化し、ビタミンDが合成されカルシウムの吸収率を高め骨の新陳代謝も活発になります。朝の太陽は地球の自転の遅れにより生じる24時間11分とされるサーカディアンリズムをリセットし、同時にセロトニン分泌を増やし約15時間後にメラトニンホルモンに変化することで人を眠らせます。太陽の天体の運行を意識する冬至ぐらいは太陽が昇ることに感謝し、本当の幸せを感じたいものです。

器用さこそが生き残る道

1993年式のトヨタカローラがニュージーランドで今年の3月、200万kmを走ったという記事を見ると、トヨタの関係者でもなくとも誇らしげな気持ちになります。オリジナルのエンジンとトランスミッションで不具合もなく、地球を50周してしまうトヨタ車の耐久性も驚異的ながら、週平均5千 kmを走る今年72歳の新聞配達請負業者の男性にも驚かされます。ニュージーランドに渡る前は東京で働いていた7年落ち8万kmのステーションワゴンは、2000年に男性の元に来て、以来2週間ごとにメンテナンスを受けていたと言います。国土の広いオーストラリアなら数十万km走る車は普通で、だいぶ昔にレンタカーで同年式のカローラを借りたことがありますが、海外で乗る日本車の安心感は絶大です。火縄銃の時代から日本のモノづくりには定評があり、幕末には実物を見ないままに蒸気船まで作ってしまう器用さと実直さこそが、日本の生き残る道なのかもしれません。

現代こそ有効な位打ち

頂上決戦にふさわしい好勝負でサッカーワールドカップが終わりました。東京オリンピックの30倍にあたる約42兆円をかけた大会は欧州、とくに準優勝のフランスとの間に軋轢も生みました。大量のオイルマネーがスポーツ界に流れ込み、欧州のビッグクラブを支配することには摩擦を伴います。巨額の移籍金が飛び交う世界で人は平静な心を保つことが難しくなります。サッカーの元プレミアリーグのプレイヤーの60%が現役引退後5年以内に、元NFLでは78%、元NBAでは68%が自己破産に追い込まれるという調査もあります。話半分としてもミリオネアだった選手たちの末路は明るいものではありません。金遣いの荒さ、離婚の慰謝料、投資詐欺など、メタ認知能力が欠如し、自分は特別な人間だと錯覚します。身分不相応な地位を与えると自己肥大化し、自滅していく伝統的な政敵排除法である「位打ち」は、消費が王様の現代こそ有効かもしれません。

エネルギーを充たす軍刀利神社

昨日は山梨県の軍刀利(ぐんだり)神社に行きました。樹齢500年の巨大な桂のある奥の院からハセツネコースの稜線にある元社、生藤山(990.3m)を経て神社に戻る累積標高500m、1時間半ほどのルートです。かつては軍荼利夜叉明王社と呼ばれ、その語源はヒンドゥー教の神とされ、サンスクリット語のクンダリーが軍荼利、軍刀利と変化し、今も軍荼利山にその名を残します。軍神として広く信仰を集め、真偽は定かでありませんが、昭和天皇が戦勝祈願に訪れたと一部では噂されます。永承3年(1048)に創立され野火により延徳年間(1489年-1492年)に現在の場所に遷座したという古社にはただならぬミステリアスな気配が漂い、信憑性は高いのかもしれません。神社は日本人の美意識の根底にあり、千年以上前から神を祀った場所は神霊の宿る聖地でしょう。古来より崇めてきた山や森と神社を巡る早朝の散歩ほど、心を整えエネルギーを充たす活動はないと思います。

Translate »