自立あっての絆

3ヶ月間日本に戻っていた娘が渡英しました。昔なら頻繁に行き来するなど考えられませんが、生活費の高いイギリスにいるよりは、安い航空券で日本に戻る方がむしろ合理的です。疫病によって国境の壁は高くなりましたが、LCCの航空運賃が当たり前の世代は1ドル360円世代と違い、1万km隔てた2拠点居住は普通の感覚かもしれません。関西に住む同じ大学のルームメイトが東京観光で1週間ほど我が家に滞在しましたが、シェアリング世代にとって暮らしと旅行の境界も消えていくのでしょう。4人住まいが昨日から2人住まいになり家は広くなりましたが、お互いにあまり干渉をしないためか、娘が家にいることもいないこともデフォルトです。SNSやスマホを禁じられ月一度の文通しか許されなかった高校時代の留学時も、別段生活の変化はなく娘もホームシックにはならなかったと言います。家族の絆が強いと動脈疾患の発症が低いとされ、最後まで家族と一緒に暮らす高齢者の蘇生事例も報告されます。家族の絆は大切でしょうが一方で過干渉や依存が問題になるケースもあり、お互いの自立あってのことでしょう。

真贋を見抜く力

野田氏が出馬した自民党の総裁選ですが、選挙を競馬にたとえるのは言い得て妙です。野党の危機感をよそに盛り上がるレースは先行岸田、本命が河野なら、ネトウヨのアイドルと揶揄され泡沫候補扱いされてきた高市は差し馬でしょう。一般国民は蚊帳の外とは言え、国家観を持つ政治家こそが望ましく、軽々しく言説を変える人は信用できません。真贋を見抜く力が必要なのは、誰もが関心を持つ健康や幸福についても同じです。両者に共通することは、ノウハウとして語られることには真実がないことだと思います。幸福で重視されるのは各々が感じる主観的な幸福であり、それを無理やり型に当てはめ、こうすれば幸福になれる、健康になれると論じる説は信用できません。条件付きのノウハウに真実はなく、現代的な輝きをまとっていてもそれらは虚像であって、健康も幸福も昔から語り継がれて来たこと以上でも以下でもないと思います。幸福なら身の丈にあった生活で日常を真面目に生きることであり、健康なら腹八分目だけで十分でしょう。身の丈を超えた執着を克服したときに本質を見る目が培われると思います。

文化になるサウナ

以前から気になっていた屋外サウナを昭島で見ました。サウナの本場として知られ540万人の人口に330万のサウナがあるフィンランドの隣国エストニアのIGLUCRAFT社製の4人用サウナは機能的でデザインも魅力的です。エスキモーの家として知られるイグルー形状のサウナは、2018年にデビッド・ベッカムが購入したことでその名が知られるようになり日本でも10ヶ所程度が設置されています。温泉信仰の根付く日本ですが、入浴後の効果を実感しやすいのはサウナだと思います。温泉とは名ばかりの循環式の塩素風呂も少なくない現状を考えるなら屋外サウナはより確実に健康になれるかもしれません。焚き火の魅力と入浴を同時に楽しめるサウナは新甲子温泉の弱点だった寒さを魅力に変えられそうです。サウナ、水風呂、外気浴をワンセットにすることで交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われ、寒さを好むミトコンドリアも活性されます。抗酸化力が強いヒートショックプロテインHSP70が分泌されインスリンの感受性を上げるほか、発汗は排尿より重金属を排出するデトックス効果も期待できます。銭湯が減り入浴文化が失われる日本ですが、効率的に脳と体を整えるサウナが文化に根付く日が来るのかもしれません。

プリミティブな道具としての潔さ

三菱自動車が国内向け乗用車の車台開発をやめて、日産自動車との車台共通化をすると伝えられます。自動車メーカー単独の生き残りが難しい時代に目くじらを立てる問題ではないのかもしれませんが、1917年に日本初の量産乗用車を作った名門企業の決断には寂しさを感じます。最初に運転したのが叔父からもらった初代の三菱コルトギャランで三菱車には思い入れがあります。ラリーでの活躍など、三菱車の魅力はスパルタンな車作りだと思います。今でも納車一年待ちのジムニーがJeep伝来のラダーフレームにこだわるのは、プロの仕事を支える道具としての悪路走破性と、過酷な条件下での耐久性を譲らないからとされます。ホンダのN-VANもプロユースの商用車ですが、実際には乗用車的な上級グレードも売れています。ジムニーとN-VANは唯一買う可能性のある国産車ですが、その魅力はプリミティブな道具としての潔さを持つからだと思います。豪雪地帯なら雪道の走破性は命に関わる問題ですが、車の最後に残された魅力は、軍用機が機能美を帯びるような実用性がもたらすと思います。

現代消費は被害者なき犯罪?

怪しげな外国人の写真を貼ったフェイスブックの友達申請は今でもありますが、最近は日本人らしき名前で五毛党なのか少し変な日本語でコメントや動画、写真を送りつけてきます。この手のアプローチが絶えない理由はそれでも彼らの目的が達成できるからでしょう。不動産営業の電話も頻繁にありますが、いつも同じパターンです。騒々しい電話の背景音と裏返った声で落ち着き無く「永野さんの携帯でよろしいでしょうか?」と聞けばほぼ確定なのですが、以前ここで切ろうとして本当の用事だったこともあり一応会社名を聞いてから切ります。こうもワンパターンなのは、それでも成功する可能性があって電話をかけるコストが割に合うからで、誰しも魔が差すことはあるのでしょう。詐欺は心の隙間を狙いますが寂しい人と欲に目がくらんだ人だけがターゲットではありません。不用品を売りつけることでしか成立しない過剰消費社会においては、どこまでが商行為でどこからが詐欺なのかは判然としません。それが問題視されないのは、売り手ばかりでなく買い手も共犯関係にある被害者なき犯罪だからでしょう。

最強のアンチエイジング法

屋外で行う山岳競技まで中止に追い込まれる世の中ですが、一人ひとりが勝手にトレイルのコースレコードを計測するFKT(Fastest Known Time)は新たな競技として根付くと思います。今や高額なGPSウォッチがなくてもスマホで簡単にコースタイムをクラウド上に記録でき、区間ラップも教えてくれるので反省材料を見つけることもできます。アドレナリンが出るレースならではの雰囲気は代えがたいものがありますが、一方で無理をして転倒などのリスクを取りたくないので、体調を見ながら好きな時に計測できるFKTにはメリットがあります。昨日は西岳と編笠山を2時間半ほどで回りましたが、肥満していた20年前なら、休み休み半日以上かけて歩いたコースです。所詮素人のお遊びとは言えその記録が年々早くなり身体能力が今も向上していることを考えると、アンチエイジングは部分的とは言え現実に起こると思います。アンチエイジング医学が本当の病人より効率よく儲ける手段になっていることとは逆に、必要なのは少食と運動と挑戦することだけで、朝食を摂らずに山に入るFKTは最強のアンチエイジング法だと思います。

起こることは全てがベスト

社会人になって最初に入社した会社の同期が勤続35年表彰されたとのフェイスブック投稿を見ると感慨深いものがあります。選択はいつも非対称であり定年まで勤め上げる自分の姿を想像することはできません。結局4回会社を辞めましたが、どの会社でもそれぞれに得難い経験ができ感謝の気持ちしかありません。鉄道系、銀行系の保守的風土は何とも居心地が良くそれぞれ14年もお世話になり、外資系とオーナー系は走り続けないと居場所がなくなるシビアさもあり2年、8ヶ月と短いのは世間相場でしょう。辞めた理由はだいたい同じで、このまま定年まで同じ仕事を繰り返すことが絶望的に思え、とにかく自分を変えなくてはと思い込む発作が起きます。しかし皮肉なことに、自分がどれほど恵まれていたかが分かるのはいつも辞めた後です。経験的には14年がキャリアを変えるタイミングのようで、次の14年をどのようにキャリア形成するかが目下の課題です。辞めグセがついていなければ旅館を買うなどという常軌を逸した経験もしなかったはずで、その選択も含めて人生に起こることは全てがベストだと確信することが心穏やかでいる秘訣だと思います。

人生の時間は無尽蔵?

911からあっという間に20年が過ぎた印象ですが、他方であの日から2回会社を変わり3度目は独立して今に至ることを考えると遠い昔のようにも思えます。同じ20年でも自分が経験していない生まれる前の20年は途方もなく遠い時間に感じます。自分が生まれる20年前の日本は戦時下でした。戦争など無縁の世界だと思っていましたが、成人したときに自分が生まれてからの時間を巻き戻すと、日本とアメリカが血みどろの戦いをしていたことに愕然とした記憶があります。学生と話した後に後悔するのが、彼らの生まれる20年前のバブル景気の頃を昨日のことのように話してしまうことです。20年前の今日がまさにそうであるように印象的なエピソードを伴う記憶は、生涯その鮮度は変わらないと思います。311や日航123便墜落、ホテルニュージャパン火災、浅間山荘、三島由紀夫自決など子供時代も含めていずれの記憶も鮮明です。人生の時間は無尽蔵にあると錯覚できることが若さの特権なら、過去の時間を瞬時に行き来できることは歳を重ねた人の特権でしょう。しかし、生涯健康であれば人生の時間は無尽蔵と錯覚し続けることができると思います。

何よりのコロナ対策

昨日長野県に来ました。東京から車で2時間ほどの距離ですが、気温差は10度以上あり、早くも今シーズン初めてストーブを点けました。寒がりではなく普段から薄着ですが、時節柄体調を絶対に崩したくないので、少しでも寒いと感じれば念の為一枚多く着るなど用心するようになったのは怪我の功名です。日本中で誰もが感染症対策を取り、深酒をしなくなった結果、昨年の死者は前例のないことですが減少しました。手すり、ドアノブなど接触感染の可能性のある場所には触れない、こまめに手洗いをする、顔を触らない、家族のタオルも触らない、コロナウィルスを無力化するとされるお茶を飲むなど徹底するようになり、今のような季節の変わり目でも体調を崩す気配さえなくなりました。なるべく屋外で太陽にあたり、お風呂で体温を上げることも大切でしょう。一方で、マスクの効果的な使い方を実行している人は、医療関係者を除けば100人に1人もいないでしょう。くしゃみをするときにわざわざマスクを外す人を何回か見ましたが、マスクを強要する前に正しい使い方を教えるべきです。しかし何よりのコロナ対策は危機を煽り続けるマスメディアを遠ざけることでしょう。

最も高い利回り

自民党政権の安定化を折込み株価の終値が3万円台となりました。誰もが儲け話には敏感ですが、最も割に合う投資は教育と健康と言われます。学ぶ機会として教育を広く捉えるなら、今の時代は無料教材があふれお金はそれほどかかりませんのでその利回りはさらに上昇します。一方で健康への投資と言うと最先端の機器を使った人間ドッグや精密検査、オーガニックフードや高額なサプリメントやスパ施設での施術などを思い浮かべます。しかし、ほとんど資金を投じることなしに健康は実現でき、むしろお金を払ってやっていた体に悪いことを止めるだけですので節約になり、その利回りは最も高いものになるはずです。健康の秘訣はなるべく食べず、なるべく体を動かし、いつも心穏やかに過ごすことに尽きます。もしお金を投じるなら、正しい情報を仕入れることに対してでしょう。現代は情報が命を救う時代ですが、すぐに撤回される最先端の医療情報には飛びつかないことが賢明でしょう。そして最も大切な健康情報は自分の体で臨床試験をしたことであり、自分が確信した健康法はプラシーボ効果もあって最強だと思います。

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