
いわき市の小名浜オーシャンホテル&ゴルフクラブに泊まりました。20代の後半以降ゴルフはしませんが、大浴場が充実するゴルフ場にはよく泊まります。福島の川奈ホテルと言えそうなロケーションは抜群で、打ち寄せる波が岩にあたり砕ける音が響く、大海原を望む露天風呂は夕日も日の出も夜中の星も美しく、日の出を見ていると、平和な一日を迎えられることに感謝の気持ちが起きます。サウナも含めて5:00から24:00まで営業しているのは良心的ですが、年配の男性客はサウナがぬるいぬるいと文句を言います。朝5時からサウナを動かす施設は珍しく、それでも室内は80℃近くあり、最上段ならじわじわと十分な汗をかけます。オフシーズンなら一休の朝食付き7,700円という、手の届く値段で贅沢ができる現代人は幸せですが、贅沢をすることの不幸は、執着に支配され感謝の気持ちを失うことかもしれません。
日立市の「85歳が創る茨城極熱サウナ~3un~」に行きました。施設名は、大工一筋60年という経営者の祖父が、自宅の庭にサウナ小屋を作ったことに由来します。凄いのはロケーションで、住宅地にある工務店の資材置き場にサウナ小屋と水風呂、外気浴スペース、更衣室兼用のシンギングボウルを用いた倍音によるサウンドセラピーを行う部屋があります。外気浴スペースはアパートと隣接し、犬の鳴き声や生活音がするのはご愛敬ですが、合計4時間にも及ぼうというプログラム中は意識が薄れていきます。とくに北欧から取り寄せたオークのウィスクによるウィスキングは、ここが茨城県の工務店の中庭であることを忘れます。ウィスキング後半はロウリュで一気に汗を流しますが、立って施術をするセラピストは体力勝負です。森林のような香りと蒸気に包まれ、五感を研ぎ澄まされる体験は、サウナのメインストリームになる気がします。
N-VANに、ドアのロック・アンロックに連動してドアミラーが自動的に格納・復帰するオートリトラクタブルミラーを付けました。乗降時に、ミラー操作の手間が省ける便利さが回路の交換だけで済むなら、全車に標準装備してもらいたいところですが、配送などに使われる商用車では、都度ミラーが格納されることが嫌われるのかもしれません。ディーラーでの作業には時間がかかるようで、代車に借りた黄色いN-VANのAT車は想像以上に好印象でした。実用的な低速域では6速MTより加速力を感じ、乗り味も重厚です。これで燃費が良いとなれば、変わり者以外はMT車に乗る理由が見つかりませんが、それでも帰路自分のMT車に乗り替えるとライトウェイトスポーツカーのような吹き上がりを楽しめます。マニュアルトランスミッションによる運転の身体化なしに、Fun to Driveはありえないという信念はしばらく変わりそうもありません。
N-VANに乗るようになって夜中に移動する機会が増えました。以前は渋滞を避けるために早朝に出かけましたが、今は眠気さえなければ夜通し走り、眠くなればSA/PA、道の駅などで仮眠を取ります。助手席から続くフルフラットのスペースに、600mm幅のマットレスと普段から使う寝具を積むので、運転を中止して数秒で眠りにつくことができます。夜中に運転するメリットは、交通量が少なく、道がスムーズに流れるために燃費も移動時間も少ないことです。夜中は仕事など運転に慣れているドライバーが多いため、道には秩序が回復しストレスがないこともメリットです。暗闇のなか自分だけの時間を取り戻し、昔聞いた音楽を流していると学生時代のような高揚感を覚え、夜が明けていく時間帯の光の美しさも印象的です。時間に拘束されず、真夜中に移動できるN-VANは、どこでもドアのようにささやかな夢をかなえてくれます。
昨日は10月に開業した日立市のMIDORITO SAUNAに行きました。渓流の滝でクールダウンできるアウトドア型サウナで、7、8人が入れるモルジュのMORZH MAXをパブリック利用に使います。2台の薪サウナはスチームジェネレーターで水蒸気を出す仕様で、90℃の室内は十分に汗をかけ、地下水を使う16度の水風呂も好印象です。今月末には、機密性・蓄熱性・耐久性に優れるとされる土管サウナも稼働し、隣地にはキャンプエリアが整備されるようです。先日長崎県の御湯神指しベストパワーランドに行き、中央で松の木が燃え盛る石室サウナを見てしまった後では、営業許可が取れるのかは甚だ疑問ですが、何を見ても普通で、感動も調いも薄れてきました。今や自然の川を使った水風呂も、施設の卓越性にはならず次の時代を切り開くサウナの在り方を考える日々です。
近所の京王線の駅では衣類循環型社会の実証実験として、古着を回収する専用ボックスを設置し、リユース・リサイクルをしています。将来的には、様々なクリエイターと連携してアップサイクルを行う予定です。衣類は洗濯を行ったもので、汚れや破れがなく再使用できるものに限られますが、重宝しています。勢いで買ったが着ていてもテンションが上がらないとか、高価で捨てるのが忍ばれる服もあります。ゴミとして捨てるのには抵抗があり、好みが分かれる服を人にあげるのもリスキーです。今や古着はファッションの一部で、買うことへの抵抗感も少なく、誰かが使ってくれるのであれば、捨てる罪悪感に苛まれる必要もありません。洋服が減れば探す時間も減り、家も広くなります。身の回りは捨てたら楽になるモノがあふれていますが、心置きなく捨てられるのであれば消費への貢献も期待できそうです。
一年で一番日没が早い時期を迎え、来週からは日没時刻が遅くなり始めます。この季節になると落ち葉が道路を覆います。近所の甲州街道の街路樹はケヤキの大木で、降り積もった落ち葉の清掃に一車線をふさぎ作業をします。甲州街道が混むはずのない時間に渋滞をするときは、だいたい街路樹整備の車両が車線をふさぎます。ケヤキの高木の剪定をするために大型のクレーン車が持ち込まれるためです。景観をよくし、夏場には木陰を作る街路樹ですが、管理の予算は膨大なはずです。歴史的に杉並木を作ってきた日本ですから、街路樹を整備することは当然に思えますが、全国で行われる草刈りといい、いつまでこのような管理ができるのか心配になります。先の兵庫県知事選で争点になった県庁舎建て替えも、木材を定期的に更新し続ける設計で、林業利権とのつながりの指摘も聞かれます。行政の行う支出の合理性を、有権者が考える必要を感じます。
兵庫県知事選挙での選挙運動が公職選挙法に違反するとして、PR会社の女性社長が刑事告発されました。地上波とネットで一斉に叩かれるのは気の毒ですが、ブランドバッグを身に着けたキラキラ女子への怒りの根底には、SNS時代の歪んだ嫉妬を感じます。SNSの最大の罪は、身近な人に生活を見せつけあう虚構の張り合いが無用な憧れを生み出し、比べ過ぎ社会がやがて怨嗟という負のエネルギーに変わることだと思います。人間をダメにするのは慢心と屈折した自己承認欲求ですが、自慢する方もされる方もSNSの下僕になり、盛り過ぎる不毛なゲームから降りられなくなります。PR業界の性である自己承認欲求の強さは武器になりますが、政治活動においては時として命とりです。盛り過ぎ社会を生き残るためには、メタ認知能力の高さが求められるのかもしれません。
N-VANを定期点検に持ち込みました。自分で買った車は伊伊英独英米伊製で、日本車の正規ディーラーに足を踏み入れるのは学生の頃以来です。当時の自動車雑誌には、スカイライン対BMWといった記事が多く、国産車は常に欧米、特にドイツ車の後塵を拝する存在でした。そのため左ハンドルなどへの舶来信仰に支配され、信頼性が高く合理的なことを分かっていても、国産車を避けてきました。日本製に乗ることは自分のアイデンティティさえ失うという思考に支配されてきたと思います。1時間半ほど待っていると、点検・整備を終え、作業内容の写真とともに、きれいに清掃された車が戻ってきます。当たり前の風景でしょうが、世界の頂点に達した日本の車を手に入れてみると、それが軽の商用車であってもエキゾチックさを感じ、やっと車と本音で向き合えるような気がします。