贅沢な呼吸

今朝は4時過ぎに宿を出て日課になりつつある、甲子山(1,549m)、須立山(1,720m)、三本槍岳(1,917m)、赤面山(1,701m)の西郷村4座を歩きました。今朝も快晴で暑くなく、稜線は風もなく高山らしい23kmの那須連山縦走を楽しんでもまだ朝の9時過ぎですので、一日をたっぷり使えます。甲子山では雲海越しに雪をかぶった飯豊連峰を望むことができます。この縦走ルートは4つのピークとも眺望が良く、360度の景色を見ながら吸う朝の空気は、それだけで贅沢な気分になれます。空気を吸うことが贅沢に思えるのも大自然のなかならではです。

モラルに甘い日本

昔なら観光地の交通規制を不便に感じたのですが、阿武隈源流沿いの道の通行止めが連休に解除されて以来ごみが目立つようになりました。そしてとうとう阿武隈源流に石油ストーブが不法投棄され、昨日はその石油ストーブを回収して村役場に運びました。通常車の通行が許されない遊歩道ですが、4WDの軽トラックならかろうじて入ることができます。それでも木の橋があるために最後の300メートルほどは手で運びます。村役場の担当者は投棄する人間は十人十色と言っていましたが、その人間が何を考えストーブを運んだのか、その心を推し量ることはできません。心ない人間まで入り込む現状を考えると、誰もが自然の懐にアクセスできることに複雑な思いがします。大企業のコンプライアンスなど病的なほど厳格にやる半面、こうした最低限のモラルに甘い日本は少々変だと思います。夕方は禁漁の阿武隈川で密漁者4人を見つけました。悪びれる様子もないので声をかけましたが、確信犯でやっている連中ですからふてぶてしい態度です。悪いことばかりではありません。先日はラブラドールが、雪のなかで失くしたストックのゴムキャップを見つけてくれました。もちろん彼女はそれで遊びたかっただけなのですが。

ゴミだし前の四座周回

今朝は3時過ぎに宿を出て一昨日歩いた西郷村の四座、甲子山(1,549m)、須立山(1,720m)、三本槍岳(1,917m)、赤面山(1,701m)をまわる23km(累積標高1,664m)を歩き宿には8時半過ぎに戻りました。午前3時と言うと早く聞こえますが、日の出が一年で一番早い今の時期、冬なら夕方5時ぐらいの明るさなのでこの時間に起きないのはもったいなく感じます。休憩を入れて5時間半の行程ですが、朝のごみ出し時間にも間に合います。今日は暖かく稜線に出ても気候は穏やかで半袖で過ごせます。甲子山からは雲海に浮かぶ山々がどこか神秘的です。赤面山に下る雪渓も2日前よりとけており、もう半月もすれば登山道が現れることでしょう。

先を急がない山歩き

今朝は早朝に目が覚め温泉から星空を眺めたあと3時5分に宿を出て甲子山に登りました。あたりはうす暗く眩い月明かりに照らされます。この時間にはまだ鳥たちも鳴きませんので、聞こえるのは静寂の森を風がそよぐ音と沢音だけです。甲子温泉の大黒屋にいつも通り35分で着き、そこから登山道に入ると黒い動物が俊敏にトレイルを横切ります。どうしたわけか今日は体調が思わしくなく、ペースが上がりません。たまには先を急がない山歩きもよいものです。甲子山山頂には5時2分ですので、いつもより30分ほど余計に時間がかかっています。山頂付近はいつもながら突風が吹き抜け会津側から湧きあがる雲で旭岳を見ることができません。山頂で朝食を済ませ、帰路ものんびり歩きましたが、それでも7時前には宿に戻れます。

西郷4 peaks 23km

今日は西郷村の甲子山(1,549m)、須立山(1,720m)、三本槍岳(1,917m)、赤面山(1,701m)の4峰をまわり宿に戻る23km(累積標高1,664m)を歩きました。朝3時45分に宿を出ると山かげに大きな月が沈むところで、森のなかを動物が走り、阿武隈源流沿いの道には密漁の車がいます。甲子山までは1時間半、そこから雪渓で登山道を見落とし、背丈ほどの笹やぶで全身をからめ取られながら格闘すること2、30分のタイムロスを含んで須立山までが1時間40分、三本槍岳までは38分、赤面山までが48分、宿までは1時間12分です。タイムロスや休憩を含む宿を出てから宿に戻るまでの時間は5時間50分でコースタイム11時間15分の約半分です。早朝の稜線は寒く手の感覚がなくなりロープを持つ手に力が入りません。氷点下まで気温が下がるらしく坊主沼は半分凍っています。主峰三本槍岳からは雪をかぶった会津の山々を望むことができます。赤面山に下る雪渓は2週間前より小さくなったとはいえ、逆まわりであれば登山道を見つけることが難しそうです。高山らしい縦走を十分楽しんでも9時過ぎには宿に戻れるのは高尾山に1時間かけて通っていた身としては夢の環境です。

健康的な寒さ

昨夜は日が暮れてから那須連山の上空の雲を紫色に染めてあたりに雷鳴がとどろきました。標高が高いためか東京で聞く雷鳴とは違い、ジェット戦闘機が上空を通過したような迫力ある籠った音が響き渡ります。今朝は晴れています。温泉浴場を掃除してから阿武隈源流の森に出掛けました。鳥たちの美しいさえずりと沢音が響く一人だけの森で、木々の発する冷気に触れながら飲むコーヒーはプライスレスです。自然と深呼吸をしたくなり全身の細胞に酸素と栄養がいきわたるようです。東京の殺人的暑さに辟易していたので、6月のこの涼しさ(寒さ?)は健康的に感じます。

野生に戻る爽快さ

今朝は5時半に宿を出て大白森山(1,642 m)山頂で朝食を食べました。登りが宿から2時間13分、下りは1時間28分です。朝日が深い新緑の森を照らし、生きていることの素晴らしさを感じられる朝です。向かいの山の深い森に鹿の鋭い鳴き声がこだまします。早朝の森の散歩に勝るリラクゼーションはないと思います。今日は熊探知犬のラブラドールがいないので、熊の出没情報の多い尾根は走り抜けますがそれがまた爽快です。大白森山の山頂付近はロープをつたい岩場を一気に登ります。山頂は360度の大パノラマで、眺望を期待していなかったのですが、会津方面の雪に覆われた山々を遠望できます。

体が目覚めた帰路は軽くトレイルランをしました。大白森山からのトレイルは良く整備されており走るのが爽快です。そんなに早いペースではないですから、呼吸は規則正しく、そして一歩一歩に集中していますので、ある種の瞑想状態の気持ちよさがあります。登りのトレイルで体をリラックスさせ、帰りは気の迷いや不安を全部洗い流すイメージです。多くの人がトレイルランに夢中になるのはβエンドルフィンなどいわゆる脳内麻薬によるランニングハイだと思いますが、その境地に至らなくても自分の原点であろう野生に戻るような爽快さがあります。

一人自分と向き合う

ゴールデンウィークから宿を手伝ってくれていた小学校以来の同級生が次の仕事のために今日で新甲子温泉から帰ることになりました。晴れているのに夕方からは別れにふさわしい冷たい雨が降っています。ラブラドールも東京に帰ってしまい、また一人だけの生活が始まりました。一人自分と向き合う、気兼ねない気ままな生活も好きですが、やはり一人でいて会話をしないことは精神衛生上良くないことでしょう。一人暮らしの高齢者の心の隙に入り込む詐欺商法が後を絶たないのも分かります。世界中どこにいても会話ができる便利な時代ゆえに、一人でいる時間を楽しむことができるようになったのだと思います。

今の季節、駐車場横の空き地には小さな草花が咲き誇っています。

宿の魅力としての共振

思い返せば今を遡る2カ月前の4月11日、ぼくは不安と失意の底にあったと思います。宿の改装工事が終わり、その週末に初めてのゲストを迎える時期でした。宿の将来展望が描けないなかで、理想と現実のはざまで悶々としながら僕が救いを求めたのは最初に入った鉄道会社の先輩です。10時からの面談は小一時間で終わったのですが、先輩の提案は人を集めてワークショップをすることでした。会社を出て間もなく携帯が振動して、フェイスブックにワークショップのイベントページが作られていました。ゴールデンウィーク前の平日にわざわざ福島まで来る人などいるのだろうか?というぼくの不安は外れその日の夕方には20名の定員が埋まりその後も参加希望者が続くという誤算でした。そうして開催された「甲子高原フジヤホテルの未来を一緒に考えるツアー」の第二回OFF会が昨夜開かれました。慶應義塾大学大学院の前野教授をはじめ各方面の最前線で活躍される方々の短いながら刺激に満ちエッセンスの凝縮されたプレゼンテーションが続きました。分野は違っても皆さんの見ている先にある未来は同じで、僕自身が漠然と感じていた予感は確信に変わりました。これからの宿の魅力は、集まった人たちの間に起こる共振関係だと思います。

プロたる所以

健康に気を使うようになってからなるべく外食を避けるようになりました。もちろん今でも美味しいものを食べるのは大好きです。昨日はそんな私に最適な、低GI値など健康に留意した低糖質フレンチのレストランでランチをいただきました。自分で料理をするようになってから、外食は単なる楽しみではなく観察の場になりました。料理はそれぞれに色々な表情を持っていると思います。お手軽なランチなのに繊細な料理にはプロの技を垣間見ることができます。原価などの制約条件のなかで何かを感じさせ感動させてくれる料理を出せることがプロたる所以だと思います。French Restaurant Salt Shirokane

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