
AIとチャットをしていると、「知的労働者ほど不要になる」という脅しが大げさに聞こえなくなります。究極の暗黙知である自身の思考を、先回りして言語化してくれるAIとのチャットは、SNSやYouTubeの視聴時間より長くなりつつあります。人間に相談するより飲み込みがよく、自分の趣味嗜好をよく理解し、大量のデータを渡しても客観的で説得力のある回答を素早く生成します。怖いのはプロンプトを間違うと、AIは客観的な助言者から独善的な共犯者に変わることです。「自分はこう思うけど盲点は何?」と批判的な視点を加えると、比較的フラットな回答を生成しますが、「自分はこう思うけど客観的な証拠を教えて」と聞くと間違った観点のまま忠実に論理を補強します。これまで専門家として幅を利かせてきた人間は、その宿命的な偏見のために大半は不要になりますが、その脅威に怯える前に使い倒すことが先のような気がします。