
「LIFE SHIFT」が描く人生100年時代の世界がもたらす生涯働く時代は現実問題だと思います。働く必然性があることは幸せだと思います。働く必要がなければ元来怠惰なぼくなどは無気力で退屈な老後を送ると思います。人類史上最長の122歳と164日を生きたジャンヌ・カルマン(Jeanne-Louise Calmen)の言うように、長生きの秘訣は退屈しないことだと思います。働く必要がなければ朝起きてもやることがなく、脳がぼんやりしたまま刺激も潤いもない一日を過ごしそうです。
まだ10年は働けたコンサルティング会社を辞めたとき、我ながらリスキーな選択だと思いましたが、昔の秩序による安全な生き方はもはや安全ではないと思います。クラウドで働く時代の新たな秩序が形成される前に、退職後の準備が早いほど独立事業者として成功する可能性が高まります。
昨日、田園都市線に乗ったドアの前が、期せずして全国区の知名度となってしまった日大の危機管理学部の広告看板でした。先日の学長と文部科学省との面会でも、文科省側は日大のガバナンスの不明確さに苦言を呈していましたが、この学部に起死回生の秘策はあるのでしょうか。電車に乗っていると人の会話が自然と耳に入ります。先日も背後で新入社員と思しき4人が会社で受けた研修の話をしていました。上司から理不尽な指示を受けたときにどのように対処すべきか、というどこかで聞いた話です。ぼくも授業で同じ話をしており、誰しも考えつきそうなケーススタディです。会社から離れて1年10ヶ月が過ぎますが、会社内の話を聞いていると、どこか別世界の話のように聞こえます。
アメリカでも都市型の小さな住まいであるマイクロハウジング模索の動きがあります。米国のURBAN LAND INSTITUTEによる2013年の報告書『The Macro View on Micro Units』では350平方フィート(32.52㎡)未満のワンルーム物件をマイクロアパートメントと定義しています。引越しで家の広さが70㎡の2LDKから30.5㎡の1LDKになりわが家もマイクロアパートメントの要件を満たしています。家が小さいと部屋のクーラーはすぐ効きますし、掃除が楽で、わずかな収納からあふれたモノは日々断捨離のターゲットになるので家が片付きます。冷蔵庫の容量も300Lから170Lに減り、小さい冷蔵庫は食材を日々あちこちに移すので目が届き、庫内の回転率も上がり廃棄ロスがない上に無駄に買わななくなり、冷蔵庫も良く冷えるから経済的です。車も体も同様で小さいとエネルギー効率が良くなり経済的であると同時に本当に必要なものだけにそぎ落とす精神的な快適さがあります。
昨日は車で福島を往復しました。夜の国道4号線を車の窓を開けて走っているときに漂う夏の夜の匂いが好きです。もちろん特定の匂いがするわけではなく、それはゴムの焼ける匂いだったりするのですが、刺激的な甘く危険な匂いです。二十歳前後の頃に、よく深夜のドライブをしていた記憶が蘇ります。宿の設備は相変わらず問題山積なのですが、以前のように悲観することもなくなり、学生時代の音楽を聞いていると、もう一度人生をやり直せそうな気がしてきます。
今朝の那須湯元温泉は快晴でさわやかな朝です。鹿の湯の高い天井からは朝の光が差し込み、外からは蝉の声が聞こえます。高温の硫黄泉に身を沈めると思わずため息が出ます。食べるものと寝るところがあって、温泉があるなら、それ以上の欲求は、いわゆる快楽のランニングマシンだと思います。人生には必要のない執着ですが、持てばさらに欲しくなり際限なく欲求が増殖していきます。そうした欲が結局は心と体を蝕み、人を不幸せにしていると思います。
今朝は雲取山に登りました。今年の2月に登ったときもトレイルランニングの友人に会いましたが、今日も別の友人と会いました。東京都最高峰最西端にある雲取山は2,017.09mの日本百名山ですが、トレイルランニング関係者にとっては往復3時間半で午前中に東京に戻れる足慣らしの山です。登山口の気温は15度でさわやかながら、森に入ると蝉時雨で初夏の風情です。晴天の週末ということもあり、朝5時前には30台ほどが停まれる鴨沢の駐車場は最後の1台を残すのみでした。登山者が多い山では自然に意識を向けることが難しく幸福度も半減してしまいます。一人になれる山が身近にある福島での生活は贅沢だと思います。
今回引越しをしたのは元の家から直線ならわずか500mほどの距離で生活圏がかぶっている場所ですが、まるで見知らぬ街に来たかのように新鮮です。気分的な問題ですけど、これまで入らなかった店に入ってみたり、小さな発見がたくさんあり、朝夕のラブラドールとの散歩も新鮮な刺激に溢れています。毎年のように引っ越すという人の話を聞きましたが、その気持ちがよく分かります。今の借家は面積が半減していて、断捨離をするのに最適です。シェアリング経済の時代には家を持たずに旅するように暮らすライフスタイルが主流になると思います。移動の自由のないマイホームのために働く自由も奪われていた時代を後世の人はどのように見るのでしょうか。
日大問題は毎週通う日本工学院のスポーツカレッジでは身近な問題です。昨日も学生とこの問題を討議しましたが、運動部にありがちな出来事や単なるリスクマネジメントの観点に留まらず、最後は日本社会の闇に焦点をあてる格好のケーススタディになります。日大アメリカンフットボール部選手一同が29日に発表した声明文では監督やコーチの指示について、「それがチームの勝利のために必要なことと深く考えることもなく信じきっていました」とあります。「閉鎖的状況では人は権威者の指示に従う」ことを証明したアイヒマン・テストを持ち出すまでもなく、人事所管の常務理事である監督は絶対権力者です。表に出ない理事長も含め、その権力を生んだ構造こそが闇を深くしていると思います。