昔は夏の休暇に海外旅行を計画しましたが、今は海外旅行に行くモチベーションがわきません。異国の街に出かけるのも会津の山を縦走するのも自分のなかでは等価値です。お金と時間を使い移動や不慣れな環境で体調を崩してまで海外旅行をしたいとは思いません。他方で海外に行かないと知り得ないことも多く、最適なのはビジネストリップです。行く必然性がある半分仕事の旅行こそ最高のバケーションだと思います。
月: 2018年6月
デッドラインが生産性を高める
この10年ほどで仕事のやり方を変えました。以前は翌日使う資料の目処がつくまで仕事をしましたが、今は目処がつかなくても22時には寝ます。翌朝、目覚めてから期限まで集中して仕事をします。週2日行く工学院の授業もネタは前日に集めますが、講義のスライドに加工するのは八王子のマクドナルドです。昨日は早朝の高尾山に行きましたが、朝一番の運動がさらに仕事の効率を高めます。コンサルティング会社時代も先に報告会のアポを取りデッドラインを決めていて、時間を区切ると脳の生産性が高まる心理学の知見を知ったのは後のことです。ウルトラマンの生みの親の円谷英二さんも、不可能と思える特撮を受注した後に撮影方法を考えたと言います。
コンサルタントの職業病
昨日は日本工学院の授業でレジリエンスの話をしていて、学生にこれまでの人生経験におけるP/N比(ポジティブ:ネガティブ)をたずねたところ7:3か8:2だと言います。精神的復元力を高めるためのP/N比の臨界点はマルシャル・ロサダの研究では2.9013:1になるそうですが、このクラスの学生のレジリエンスは高そうです。ぼくのP/N比はこれよりはるかに低く、その原因はキャリアの過半を占めるコンサルタントという職業が、問題を見つけるように脳のフィルターが習慣づけられていることと無縁ではないと思います。
夕日だけで幸せになれる
仮住まいの部屋から夕日を眺めるだけで落ち着きます。心理学者のマーティン・セリグマン博士(Martin Seligman)が提唱しアメリカを中心に広まるポジティブ心理学は心の反応を理解するのに役立ちます。「満たされているのに満たされない」気持ちがなぜ起こるのか理解できます。幸せになる方法を多くの人が知り、欲とエゴが逆回転を始めると、世界はより良い場所になると思います。世界最高齢の理容師で週5日8時間勤務するアンソニー・マンシネリ(Anthony Mancinelli)は健康長寿の秘訣を、「人生に満足する以外にはない」と言います。
スマホやカジノが脳を壊す
一昨日はネットセキュリティーの専門家が、先月訪れた福岡・天神のイベントスペースで刺殺される事件が起きました。見知らぬ男が一方的に怒りを増幅させた犯罪のようですが、サイバースペースが殺意を生み出す風潮には恐ろしさを感じます。顔を持たない人種が住みつく秩序なき交流サイトには嫌悪感を覚えます。生活習慣病の多くはアルコールやタバコ、糖質などの中毒症状に原因がありますが、カジノといい、スマホのゲームといい、人間らしさを壊す中毒患者を生み出すのが心配です。
古代より進歩しない政治
粗暴さが目立つ二人が話し合った米朝首脳会談の成果は今もって不明です。政治の仕組みは危険で、それ自体を変える方法はないものかといつも思います。妄想癖に取り付かれ、自身の責任や現実を認めることのなかったヒトラーを偽りの名声で国のトップにしたのも政治の力です。それ以降も毛沢東、スターリン、ポルポト、そして金正恩など、狂った指導者が隆盛を誇った国をカルト教団に変えて破滅に導いたのは遠い昔の話ではありません。企業には経営者を排除する安全装置が働くのに、政治にはそうした力が働きません。ヒトラーに40を超える暗殺計画が確認されたように、最後は殺す以外に自浄作用が存在しない政治は、古代より進歩のない仕組みに見えます。
大きいことは良いのか?
昨日の朝ロードサイドのレストランに行くと、よく手入れされたクラウンに乗る身なりのよい家族連れが入ってきました。隣の席で、クラウンを軽自動車に買い換える話をしていて、生活のダウンサイジングは世の流れのようです。小さい家、小さい車、小さい冷蔵庫、どれも等身大で使いやすく快適です。居心地は広さと比例しません。今でも印象に残るニューヨークの古いアパートをリノベーションしたホテルは13平米ほどのダブルルームで、裏庭に面する小窓があり、何ともニューヨークらしい風情でした。そもそも大きい方がいいなんて誰が決めたのでしょう。
悪い冗談の経団連
毎月行く熊本へはソラシドエアを使いますが、LCC後進国の日本でもLCCはもはや日常風景です。安いだけでなく、新世代の737機材は平均81cmの余裕あるシートピッチです。機内エンターテインメントサービスなどないものと決めつけていましたが、個人の端末を使い利用できます。レガシーキャリアよりはるかに安い価格で新技術を利用できる後発性の利こそが産業構造の変革をもたらしていると思います。経団連トップ19人が、いずれも一流大卒で一度も転職経験のない日本人男性に独占されている同質性が一昨日の日経新聞に載っていました。変革の時代にダイバシティなど語ろうものなら、悪い冗談にしか聞こえません。
働き方改革の本丸
地震が起こり不自由な生活をする人の姿を見ると、失ってみないと有り難味が分からないという言葉を思い出します。日々受けている恩恵はいつしか当然の権利になります。人間の生存脳は要求をエスカレートするようにできていて、当然の権利はやがて厄介な義務になります。サラリーマン時代は、朝起きて今日やる仕事が多いと憂鬱な気持ちになりました。給料が歩合制だった自分はまだ恵まれていた方で、もし収入が一定ならもっと憂鬱な気持ちになっていたと思います。働き方改革の本丸は働く意味をすべての人が見直すことだと思います。
日本人とは
いつも日本工学院に行く前にマクドナルドで2時間ほど授業の準備をします。コンビニもファーストフードも流暢な日本語を話す留学生が主戦力です。人手不足で就職口があって良いなどと悠長に構える気持ちにはなれません。日本人以上に礼儀正しく、正しい日本語を話し、そして真面目で真摯です。おそらく数カ国語を話し、本業である学業においても高い能力を持つはずです。かつて日本人の美徳とされたものを彼らはマニュアルという伝承を通じて持っています。日本人らしさとは何かを考えると、血統やDNAに固執する時代ではないのかもしれません。