ブランディが人類を救う?

コロナ禍のスペインでは夜間外出禁止令のために夕食時間が早まり、ブランチならぬドランチ(Drunch)が注目されていると言います。遅めのランチと早めのディナーを合わせた食事が、健康ブームを受けてフランスで始まったのが2009年とされます。本来21時頃から始まる夕食を21時に終わらせるための苦肉の策ですが、ブランチとドランチを統合した「ブランディ?」の一日一食の間欠的断食は健康増進につながると思います。あらゆる動物実験で食事を減らすことが老化を防ぎ個体を長生きさせ、間欠的断食が安全で驚くほど効果的であることを多くの研究が実証しています。間欠的断食でインスリン分泌の少ない時間を延ばし、高強度の運動を組み合わせることで体脂肪減少を加速化させ健康維持につながります。週末は午前中に何も食べず小金井公園まで33km歩き、ここまでは良かったのですが昼食後に食べた鯛焼きにより2時間後にはインスリンの大量分泌による低血糖状態でめまいが始まりました。人体は精密機械のように正確に反応することで恒常性を維持しており、大切に扱うことを警告していると思います。

先進的だった江戸の知恵

昨日は自宅の近所を流れる玉川上水を遡り小金井公園まで歩きました。朝起きて天気を見てから出かけることができ午前中に戻れるご近所徒歩旅行の魅力はお金がかからない手軽さです。往復33kmのマイクロツーリズムは、歩くだけですので体への負荷もなく日頃の運動不足を解消するのに最適です。美しい木々がロンドンあたりの公園を思わせる小金井公園は都立公園最大の80.2haの面積があり、よく行く駒沢オリンピック公園のほぼ倍の規模です。ラブラドールも公園で遊べることを知っているらしくぐんぐんと先頭を行きます。この散歩道の楽しさは武蔵野の雑木林を行くところにあります。江戸の町に飲料水を供給するために作られた玉川上水は、江戸時代以前は草原だった武蔵野台地で大規模な新田開発が相次ぎ広大な農村地帯を誕生させました。農地の肥料として使う腐葉土を確保するために、コナラやクヌギなどを植えて林が作られ、これが武蔵野の雑木林と言われます。物欲まみれの現代に流行るSDGsより、江戸時代の知恵ははるかに理にかない先進的だったのでしょう。

人生における余分な荷物

昨日は家の一年点検をしてもらいました。引越当初から増えたものは卓上型のオーブンと娘の部屋のIKEAの勉強机ぐらいです。「あると便利」な商品は日々家に入り込む機会を伺いますが必需品との境界は人によって異なり曖昧です。不便を受け入れるならオーブンはトースターで代替できますから必需品とは言い切れません。収納庫の類が最小限のために常に持ち物を把握でき、モノが増えることを防いでいます。社会が成熟すると選択肢が増え過ぎ、最高の選択を望むがゆえに迷い悩む人も増えます。断捨離やコンマリブームによりモノを減らすミニマリストは増える傾向ですが、モノを減らす度に心も軽くなる気がします。歩荷のような荷物を担いだかつての登山から、必要最小限の荷物だけのファストパッキングが広がり、制約のない自由な登山が可能になったように、人生から持ち物を減らすたびに制約から解き放たれる自由を感じます。人がモノを持ちたがるのは不安の裏返しであり、快楽を求めて余計に買い、余計に食べ、余計に捨てることは、人生において余分な荷物を運んでいるのだと思います。

満たされない方が満たされる

料理を作るようになると調理器具が欲しくなります。圧力鍋やミキサーがあると作れる料理が一気に増え調理工程が効率化され料理の時間は短くなります。モノへの欲求が人間の性癖である反面、生活を拡張し欲しいものを買い始めるとモア&モアの呪縛に絡め取られます。理想の生活を追求すれば家にはモノが増えるだけでなく、飲食やレジャー機会が増え、それでも心は満たされず家にはゴミが蓄積され執着を抱えた心は満たされることがなく不健康になります。作り出された多幸感により物質的欲求と幸せが長年混同された結果、多くを求める報酬回路により欲の衝動をコントロールできなくなり、買った横から捨てる大量廃棄社会が作られました。消費量が豊かさの証ではないと思うのは、食事回数を減らした方が健康になるだけではなく満足度も高まるからです。何事も楽しいのは欲求が満たされるまでのストイックな時間であって、食事の回数を減らすと次の食事が待ち遠しくなります。空腹によりインスリン分泌の少ない時間を作り、サーチュイン遺伝子が働き健康になるなら満たされないことこそ自分を満たしてくれると思います。

整理整頓で運命が変わる?

昨日は玄関横のたたみ一畳にも満たない花壇にハーブの植栽をしてもらいました。以前庭があった頃は草むしりに不毛な時間と労力を費やしましたが、猫の額ほどの花壇から得られる満足は雑草の生い茂る庭より喜びをもたらします。経済的な豊かさと幸福が相関しないことは多くの研究が明かしています。米英で1957年から2002年まで行われた調査によると収入が2.5倍に増えても幸せを感じる人は豊かになる以前の1963年頃をピークにむしろ下降しています。これは文革以前の中国の方が幸せだったと答える中国人がいることに似ています。我が家の単身世帯用の冷蔵庫は3人家族にとって十分で、整理整頓が行き届き食品の廃棄ロスが無くなりました。人の目は何かを見ると、その映像が身体に入り込み心身に影響を与えると言われます。家にある全ての物がその持ち主に影響を及ぼし、健康までを左右することが指摘されます。整理整頓された家は生産性を高めるだけでなく、五感を通じて人の気分や思考、行動に影響を与え、やがては運命をも変えるのだと思います。

無料の人間ドック

朝目覚めるとすぐに階段を降りて歯を磨きに行きます。一晩寝ただけなのに寝起き直後の体は階段を下るという複雑な関節の動きに適応困難でぎこちなく歩くことしかできません。人間のあらゆる生理機能は使わないと衰え、安静状態が長く続くと廃用性萎縮が起こり、さまざまな心身の機能を低下させます。睡眠時間は6時間ほどと長くはありませんが、体の劣化が確実に進むことを体感します。階段をスムーズに降りられる日もありますが、決まって前日にある程度の運動をした翌朝です。朝最初に下る階段での関節や筋肉の動きは体調のバロメーターとして役立ちます。これ以外に参考にしているのは肌の色艶と便の状態です。この両者は免疫系を司る腸内環境や血液循環の様子を反映しますので状態が悪ければ生活を改めます。体重も重要な指標ですがお腹の脂肪をつまむと体重計に乗らなくてもおおよそ分かりますので、朝起きて階段を下りトイレに行き鏡で顔色を見るだけで体調が把握でき、被爆リスクのある人間ドックには行きません。早期発見早期治療が奨励されますが、異常が発見されるまで体を放置する無関心な姿勢は危険だと思います。

赤飯こそ最強食品

最近よく赤飯を炊きます。以前は誕生日などに作る特別な料理でしたが、もち米は10kg単位で買い、国産小豆も大袋で買うと通常の炊飯コストとあまり変わりません。赤飯は見た目の華やかさだけでなく食べても美味しく、何より体に良い理想的な健康食品です。小豆には便秘の解消に効果のある不溶性食物繊維がごぼうの5倍含まれ、オリゴ糖も多く腸管免疫の働きを高め老化防止につながり有害な重金属や発ガン物質を体内から除去するデトックス効果があります。抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれることから活性酸素を消しアンチエイジング効果が期待でき、貧血を防ぐ鉄分も含まれます。さらに小豆の外皮に含まれるサポニンは、コレステロールや中性脂肪の増加を防ぎ、血糖値の上昇を抑え血液の流れを良くし、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防に役立ち利尿作用を促進しむくみを防ぎます。またビタミンB1は冷え性を改善しカリウムは高血圧予防になり、強い抗酸化力のごまと塩をかけると理想的なバランスで必須アミノ酸を得られる最強食品になります。手軽で手間いらずの赤飯を特別の日だけに食べるのはもったいないと思います。

産業が育ちにくいスポーツ業界?

マスターズの中継が日曜深夜としては異例の高視聴率となり、アジア人男性として初のメジャー制覇の快挙に湧きました。2019年のワールドカップといい、国民全体を動員できる力はスポーツをおいて他にはないと思います。成人のスポーツ実施率推移も平成の始め頃から倍増し、週1回以上の運動をする人は男女とも6割に達しています。しかしなぜかスポーツ関連産業は給料の低い業界と認識されてマネタイズに失敗しています。一方で儲かる業界は不用品をついでに売って潤っています。余計に働き余計に買うハイパー消費の時代は家や生活がものであふれ、浪費の目まぐるしいサイクルのなかで自分を見失い気持ちを重くします。理想の生活を求めて執着は強化され、際限ない消費社会のなかですでにその意味を失っているモア&モアの不毛な幻想に翻弄されます。スポーツに傾斜する人はストイックなまでに自らの肉体を鍛え上げ貯金より貯筋に励み、供給者とマスメディアが結託した自閉的資本主義から距離を取るために産業が育ちにくいのかもしれません。

執着の双六

昨日は地元の世田谷区を20kmほど歩きました。人口94万の政令指定都市に匹敵する規模を持つ世田谷区は、東京23区では大田区に次ぐ二番目に広い58.05平方kmあり、これは千代田、文京、荒川、中央、台東の5区の合計よりも広い面積で徒歩旅行に最適です。自粛によりご近所旅行のマイクロツーリズムが提唱されますが、感染防止以外にもメリットがあります。家を出た時から観光が始まるので効率がよく2、30kmの移動なら午前中に戻れて一日を有効に過ごせます。遠くまで行かなくても近所でさえ知らないことがあり新鮮です。手軽でお金もかからずラブラドールも喜びます。遠くに行けば大自然を満喫でき、異なる文化や気候・風土に触れそうした刺激は脳に良い効果を与えるとされます。一方で長距離移動の旅行は健康リスクを伴います。気候の変化や時差、飛行機などの高速移動は自律神経バランスを崩し、知らずに疲労を深め旅先や帰宅後に体調を崩すことがあります。身近なところではマンデーブルーやさざえさん症候群が知られます。派手で分かりやすいステレオタイプのレジャーはモア&モアの執着の双六を始めてしまうことも問題でしょう。

移動が価値の本質

五輪の象徴である聖火リレーがスタートしたのもつかの間、「まん延防止等重点措置」が始まることになりました。抑制効果を疑問視する声も聞かれますが、ゴールデンウイークに旅行を計画する人にとっては悩ましい状況です。季節のよい時期とは言え人混みの観光地に押し寄せる習慣は今も続く昭和の価値観でしょう。最も行きたい旅は山の稜線を何キロも歩く縦走ですが、重い荷物では距離を稼げず、日本の山小屋のアメニティレベルが低いことは難点です。風呂に入り布団でしっかり眠ろうとすると、毎日2、30km程度歩きながら下山して麓の宿に泊まる軟弱なステージレースは理想的です。旅の重要な要素は目的地ではなく移動プロセスにあり、目的地に到達する感動を特別なものにしてくれるのは人力移動だと思います。同じように旅の従属物だった宿泊施設が旅の目的になったように、脳のニューロンを活性化する移動そのものが価値の本質になるはずです。年間3万キロ移動する渡り鳥や、数千キロの旅をするサケの体に多様な微量栄養素が蓄積されるように、旅に耐える体を作ることから旅は始まるのかもしれません。

Translate »