源流の森はセーフティネット

今朝の旭岳は青空を背景に鮮やかなワインレッドに染まります。美しいモルゲンロートが見られる時間はわずか1、2分ですが、はかなさゆえに感動を大きくします。

旅館再生は老朽化した施設との戦いで、昨日も大きな問題が生じました。直しても直しても襲い掛かる不具合に、以前のぼくならとっくに自暴自棄になっていましが、この一年半で変わりました。昨日は近所でない人も含め4人の方が駆けつけてくれました。一人で悩まないことこそが人生最大のセーフティネットだと思います。

もうひとつのセーフティネットは、この阿武隈源流の深い森です。ぼくの人生を変えたこの森の早春の空気が生きる意味を考えさせてくれます。

出入り自由のおおらかさ

桜の季節が終わる東京から花粉症のない新甲子温泉に戻りました。汗ばむほどの東京とは打って変わって、南湖神社の冷たい朝の空気が心地よいです。福島では桜前線が福島、郡山、白河と南下すると言われていて、昨年の白河の桜は4月15日前後がピークでした。二度花見ができることも二拠点居住のメリットです。10日間を過ごしたハノイが生きる活力と若々しい刺激に満ち溢れているのに対し、東京は少し落ち着いた大人の刺激があり、静けさに包まれる阿武隈源流は自身と落ち着いて向き合いたくなります。それぞれの土地で脳の思考回路が変わることも多拠点居住のメリットだと思います。ぼくが福島で旅館を買ったとき、「骨を埋める覚悟がなければうまくいかない」と助言する人もいました。その意見は一面真理なのですが、他方でそうした窮屈さが地方から若者を遠ざけてきたと思います。今人をひきつけている地域は徳島県の神山町にしても出入り自由のおおらかさがあります。

スポーツの力

ほとんどテレビを見ないぼくが見る唯一の番組はNHKの「GREAT RACE~グレートレース」です。オリンピックも含めて見るスポーツには関心がないのですが、体力と気力の限界を超える長距離レースを扱うこの番組だけは特別です。番組が追うランナーのなかにはぼくのような普通のランナーも多く、彼ら彼女らの肉体的な辛さや心の葛藤がリアルに体に伝わります。疲労困憊したランナーが転倒するとあたかもその痛みが体を走り思わず身を縮めます。番組を見終わると体を動かしたくなり、生きる力のようなものが沸いてきます。スポーツの力は偉大だと思います。

自由と責任

つらい花粉症の季節が続きます。しかし以前のように花粉症を悲観することがなくなりました。花粉症を避けるなら先日行ったハノイや宿のある新甲子温泉に移動すれば済みます。幸福を感じる上で重要なのは自由だと思います。働く場所さえ選べない現在の労働者を、後世の人は奴隷のように見るかもしれません。少し前なら理想論でしたが、今は飛行機の上でもスカイプで会議ができる時代です。働き方改革は企業の思考の固着を壊し、同時に自由と責任の覚悟を働く人に求めるものだと思います。

何かが違う流行のオフィス

コワーキングスペースやシェアオフィスなるものがやたらと流行り、小奇麗で小洒落たオフィスを目にしますが、いつも「何か違う・・」と思います。昨日ミーティングをした都内某所のオフィスは、昨今の流行とは一線を画すものでした。半屋外のような柔らかな陽射しの降り注ぐ倉庫を改装したスペースは、花粉症で思考停止していた脳細胞がにわかに動き始める空間です。作り手の思いやセンス、審美眼といった、企業が一番苦手とする領域が勝敗を分ける時代が始まったと思います。

誰もが健康でいられる世界

1ヶ月後に開催されるUTMF・STYの試走をする妻に同行して、昨日は本栖湖に行きました。肉体の限界ともいえる100マイルもの距離をごく普通のランナーが走る風潮には驚かされます。過酷な競技なのにある種の多幸感を味わえる矛盾は、達成感を得るための前提条件ではなく、脳が欲する本能的欲求と人類進化の結果である人体のメカニズムとの矛盾だと思います。多くのトレイルランナーが動機づけられるように、一般の人が運動を始めることができれば、誰もが健康でいられる世界が訪れると思います。

ティール社会は自己超越?

しばらくビジネス書を読みませんでした。微細な違いで出版されるビジネス書に食傷気味だったからです。昨日読み終わったティール組織も期待ほどではなく、ピーター・ドラッカーが語る組織論の方が大きな示唆を得られます。

20年前にサウスウエスト航空の経営に触れたときほどの興奮を望むべくもありません。あたかも進化型組織という最適解があるかのような誤解を生む弊害のほうが大きいと思います。ティール組織は自然発生的な偶然の産物、つまり理想を追求する生命体であって、成功法則など抽出できないことはすでに決着のついた議論です。著者が文中で「どんな組織もリーダーが世界を見るパラダイムを超えて進化することはできない」と語ることに結論づけられていると思います。自己超越を意識した短い付録があることは救いです。

効果が見えるカイロプラクティック

昨日は初めてカイロプラクティックの施術を受けました。正常な位置から変位した脊柱を構成する椎骨が自律神経などを圧迫し神経エネルギーの伝達を阻害するそうです。施術前後にボディースキャンをすると問題箇所が解消されているのが分かります。マッサージなどを受けて体が楽になるのは、多くがプラシーボ的な効果だと思います。一方で数値計測されたデータで可視化すると改善効果を実感できます。最大の変化は首の可動域が大幅に広がったことで、首を後ろに回したときに右側の視野は6、7度、左側は10度以上広がった感覚です。今朝はラブラドールと駒沢公園まで往復8kmほどのランニングをしましたが、心肺機能が改善したのか普段より楽に走れました。

幸せは産業の外にある

前評判を聞き過ぎて、すでに読んだ気になっていた「ティール組織」を昨日から読み始めました。読まなくても内容は想像がつくのですが、これまでの組織を振り返っているところが印象的です。

グローバル企業に代表される達成型パラダイムの影に関する、「でっちあげられたニーズで成長のための成長をする癌」、との指摘こそティール組織が求められる真の理由だと思います。

行き過ぎたイノベーションから身を守るには、自分が幸福になれる真に快適を感じる状態を知ることが大切だと思います。ぼくの場合それは、早朝の山を走って下るときであったり、阿武隈源流を見下ろす丘で瞑想しているときであったり、いずれも産業の外にあります。

現代社会の病理

今朝の新甲子温泉は0度です。凍結した路面に雨が降り、車は容易に制御を失います。今の時期、暖かく花粉症のある東京と、冬の風情だけど花粉症のない新甲子温泉に住むとしたら後者を選びます。

都市生活は刺激にあふれ過ぎ、ぼくらの感覚を麻痺させます。刹那的な快を求める脳は必要を超えた過度な消費を促します。欲望が満たされてもその幸せは長く続きません。経済は必要を超えて過剰に売ることでまわっていますので、性懲りもないそうした消費をだれも咎めないところが現代社会の病理なのでしょう。

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