
今朝の新甲子温泉は穏やかな秋晴れです。
贅沢とは何かをよく考えます。本来の意味は、「必要とする以上の分に過ぎた消費」を指す言葉で、有り余るお金を意味したのでしょうが、それは都会の話だと思います。田舎暮らしにおける贅沢はそうした財貨の尺度とは異なり、都会で手に入れることができない希少な経験だと思います。
たとえば都心ではいくらお金を出しても隣の人家が見えない住宅を持つことはできませんが、ここ西郷村なら望めば誰でもそうした家を手に入れることができます。宿から遊歩道を5分下った阿武隈源流にイスとお茶を持って行くとそこは自分だけの最高のカフェになります。より本音に近いところで自分の満足点を探すと、都市論理の消費社会はいびつなものに見えます。
週末ごとに自然のもとに出かけて休息のし過ぎと移動で疲れてマンデーブルーなど、かえって体調を崩すことを考えると、自分の生活をミニマルにして田舎で暮らす選択肢はむしろ現実的に思えます。
快晴の昨日は宿から40分ほどの黒磯駅の近くにあるアウトドア用品店のLUNETTESに行きました。古い家屋2軒の1階部分を使った落ち着いた店内は、大がかりなリノベーションをすることなくセンスよくまとめられています。隣にはヴィーガン・オーガニック・サステーナブルがコンセプトのレストランと自然食品店のHIKARI SHOKUDOが、向かいには家具や雑貨を扱うROOMS、その並びにはレストラン、ゲストハウス、物販の複合施設のChus チャウス、さらにその隣には伝説のカフェSHOZO黒磯本店と魅力的な店が50mほどのエリアに集積しています。SHOZOカフェに端を発するリノベーション街づくりのショーケースのようなこの店舗群は、小奇麗なだけで面白みに欠ける企業主導の開発にはない居心地のよさがあります。




今朝の新甲子温泉は、すっかり秋らしくなった森に太陽が差し込みます。ブナ原生林が広がる源流の遊歩道は、毎日来ているのに発見があり、表情を変える神秘の森です。巨大な楢の木が巨岩を抱いた場所はぼくにとってのパワースポットです。ここに佇み澄んだ清流を眺めていると、自分がこれまで積み重ねてきたことやこだわりなどの執着はどうでもよくなります。わずか2kmに満たない散歩道ですが、ぼくにとっては一日を始めるリトリートです。

