
昨日は東京で用事がありました。思えば一年前の今頃はまだ灼熱の東京で働いていました。当時でもこの時期にスーツを着るのは狂気の沙汰だと思っていましたが、いまはこの時期東京にいることそのものが尋常ではないと思います。
しかし、黄昏時の赤坂見附付近を歩いていると、もともと都市の暮らしがそれほど好きではないぼくでも東京はいいな、と思います。しかしその良さはどこか麻薬的な快感です。即物的、刹那的であって、HappyだけどWell‐beingではないのです。それは都市に住む苦痛の代償であって長続きする幸せには思えません。本当の乾きを忘れるためにあてがわれた快楽であって自分の内面を満たすものではないのです。
エアコンも扇風機もいらない新甲子温泉に戻ると外出から帰り手を洗うように、阿武隈源流に森の空気を吸いに行きます。清流を眺めながら佇んでいると余計なものは何も要りません。いま生きていられる、それだけで十分です。


昨日はここ新甲子温泉でも強い日差しが照りつけ屋外にいると汗ばむほどの夏本番の気候でした。しかし朝夕は気温が下がり涼しい高原の風が抜けます。昨夜は地元西郷村出身で福島県を中心に活躍するプロトレイルランナーの眞舩孝道さんとスカイランニング・ユース世界選手権 2016日本代表の池田華子さんに泊まっていただきました。来週このフジヤホテルを起点に1泊2日で開催されるトレイルツアーの調査が主目的で、甲子山、須立山、三本槍岳、赤面山の那須連山と三倉山、大倉山、流石山の山開き直後の会津の山をめぐる充実したツアーです。一帯はいまの時期に見ごろを迎えるニッコウキスゲと紅葉が美しい山域です。
今朝の新甲子温泉も快晴です。木漏れ日のさし込む森に入るとひんやりとした冷気が心地よく、深呼吸をしたくなります。陸上トラック横のスキー場に行くと足元に広がる白河の市街地を朝もやが包み込み、遠くの山々が霞んで見えます。森で生活をしていると、毎日繰り返されるこんな当たり前の朝を特別な景色にしてくれます。ラブラドールは成田空港での麻薬探知犬トレーニングの記憶が蘇るのか、あわただしい動きで匂いを嗅ぎ始めます。
今朝の新甲子温泉は快晴です。澄んだ静流はどこか夏の風情です。昨日はベンチャー支援で数々のIPOを成功させITSからインバウンドによる地域再生まで幅広く活躍される大津山訓男さんに宿泊していただきました。ローテク産業の代表と看做されていた旅館業界がこんなことになっていることに刺激を受け通しの2日間でした。知らないところで地殻変動により巨大なエネルギーが蓄えられていて、業界を大きく変える予感がします。番外編で高性能ミニドローンのデモ飛行も見せていただきました。この子供の小遣いで買えそうな機体も世の中を変えそうです。
今朝の新甲子温泉は快晴で日が昇ると湿度も下がりさわやかな朝です。ラブラドールのお気に入りのスキー場まで散歩をしました。標高997m地点にあるスキー場は宿から1.07kmの間に174mの標高差を登りますので、赤面山に続くこの登山道ではさすがに汗をかきます。そのあと標高910m付近にある陸上トラックでラブと少し遊びました。もちろん遊んでばかりいるわけではなく、朝は温泉浴場を洗い、掃除、洗濯をしています。17室の旅館とはいえ巨大な家ですから家事労働はエクササイズなので楽しみながらできます。
先日、プロカメラマンのNorihiro Harutaさんに那須の茶臼岳で撮影してもらった写真が納品されました。荒々しい岩山、舞い上がる砂埃、対照的に優雅に浮遊する蝶と、出来すぎのシチュエーションです。モノクロでプリントされた写真はさらに迫力があります。