少なくないFBFが当事者に近いウクライナ問題について語る資格はありません。確かなのは背景が複雑に重層化し単純に善悪で語るのが難しいこと、国の枠組みを超えた意図が働いていること、われわれは最後まで真実にたどり着けないことでしょう。メディアが伝えることより深層に問題の本質があると気づくきっかけを与えたことは救いかもしれません。大胆な仮説抜きに今の国際情勢を見ることはできず、功利主義と目先の快楽が蔓延する退廃しきったこの国で、われわれの思考を固着させてきた常識や歴史に疑問を持つことが平和な生活を守るための第一歩だと思います。物事を極端に単純化したポリティカル・コレクトネスを無批判に受け入れる人は知識人を自負する人のなかにも少なくありません。批判にさらされることを避け、大半の人は踏み込んだ政治的意見を表明しませんが、資本と政治とメディアが利己的に結託した暗い未来を防ぐには、娯楽と化したニュースを眺めるのではなく、誰もが深く学び思考力を高める必要があると思います。
月: 2022年2月
住宅建材界のユニクロ
昨日は南青山にあるサンワカンパニー のショールームに行きました。販売代理店や中間業者を介さない直接販売でもたらした、スタイリッシュなデザインと価格の透明性、驚くほどの安さは住宅建材界のユニクロです。今の家でもこの製品を使っていますが、これまでの価格は何だったのかと思わせます。建材の卸売販売から始まり、製造から小売りまでを一貫して手掛ける業界の破壊者は価格の透明性という革命を起こしました。デザイン性の高い商品の自社開発、EC販売により、HISが海外旅行を身近にし、SPAがファストファッションを生み出したのと同様のインパクトを市場に与えます。息子には継がせないと公言していた創業者が、伊藤忠商事にいた現社長に跡を託したのは、肝臓がんで急逝する3日前でした。東証マザーズ上場企業で最年少となった二代目はグローバル企業に舵を切り、多くの社員が去ったと言います。日本企業初となるミラノサローネでの受賞など、デザイン性の高い空間を多くの人が楽しめるトレンドをこれから生み出していくのでしょう。
愛国心を嘲笑する退廃
国際的に承認された国境線の変更は国際秩序を破壊する侵略行為でありその責任はロシアにあります。かつては1,800余基の核弾頭とICBMを持ち、今でも100万丁のセミオートマチックライフルが家庭に眠る重武装国家相手の戦いは、名目GDPで韓国と変わらないロシアを消耗させるとの観測もありましたが、電撃的侵攻はウクライナ全土を制圧してしまいました。長期制裁に慣れている独裁政権は、中間選挙で大敗必死のバイデンとガス供給の4割、原油供給の2割をロシアに依存するヨーロッパの弱腰を見越し、一人勝ちした格好です。恐ろしい国々に囲まれた日本の最大の危機は、社長になること以外にたいしたビジョンもないサラリーマンのような人が首相をしていることかもしれません。われわれは国家によって生きていますが、国家の基礎は領土です。島国ゆえに国境線に鈍感で愛国心を嘲笑する退廃が支配する日本に必要なのは、1万km離れたフォークランドに機動部隊を送り領土を奪還したかつての英国のような気概でしょう。
図書館の近くで暮らしたい?
以前はよく本を買いましたが今は手元に置きたい本以外は図書館で借ります。以前は白河市立図書館を利用しましたが、地方都市にある図書館のメリットは東京なら50人待ちの本でもすぐに借りられることです。リタイアする自分を想像したことはありませんが、図書館の近くで暮らしたいと思います。以前マカオに旅行した際に訪れたロバート・ホー・トン図書館は、1894年以前に建築された住居でありのちに別荘としても使われた建物です。古い屋敷と近代的な建物を接合した美しい図書館の中庭で、高齢の婦人が木陰で本を広げる姿が素敵でした。図書館は人気の新しい本をすぐに読むことができない反面、特定の著者の本を読みたいときは、絶版本でも読めるメリットがあります。東京よりむしろ地方都市の方が文化施設は充実している印象で、花粉症の時期に行く那覇の沖縄県立図書館などは一日を過ごすことができます。個人としてくつろげる、いわゆるサードプレイスが日常のなかにある生活は理想的に見えます。
仕事熱心かコンプラ案件か?
昔から不思議なことの一つに不動産会社の営業手法の不合理さがあります。最近は減りましたが、かつては多い日には10回ほどの電話が携帯にかかりました。千三つの代表的業種とはいえ、大事な取引を怪しげな電話の主に頼む人などいないはずです。メディアコストを無視して彼らがアプローチを続けるのは0.3%のカモがいるからでしょう。昨日は朝8時過ぎに家にまで訪問してきて一度断っても帰りません。電話をする時間でさえ無駄に思えますが、工夫をして勝率を上げようという発想はないようです。電話の仕方を変えるとか、方法はいくらでもあると思うのですが、不動産屋の電話と言えばいつも背後が騒々しくて高いテンションで落ち着きがなく話すので会社が違っても分かります。よほどノルマがきついのか、メンタルを鍛えるための研修の一環なのか、行き過ぎた仕事熱心さなのか、いずれにしても迷惑な話で昨日の例などはコンプラ案件だと思います。相手の立場に立つという姿勢が完全に欠落しているのでしょう。
信じ難い真実
睡眠時間は7時間半程度がもっとも健康的とされますが、これより1サイクル少ない6時間ほど寝ます。眠りに落ちるのはいつも一瞬で、睡眠時間がほぼ正確なためにこの20年ほど目覚まし時計を使ったことがありません。寝ている間は意識が消えるという不思議な体験をわれわれは毎晩繰り返して経験します。湯川秀樹氏の最後の弟子で、宇宙をひとつの量子力学系と考える量子場脳理論を専門とする保江邦夫氏は、毎晩眠りに落ちる際に「ただいま」と言うことで死ぬ練習をしていると言います。氏が隠遁者から聞いた教えは、人生の最後に旅立つ瞬間に「ただいま」と言えることで魂が天国へと雄飛できるそうです。臨死体験や末期ガンからの奇跡的な生還、ドイツのアウトバーンを中古のランチア・フルビアクーペで200km/hで走ったとき突然静寂が訪れ額の裏側のあたりに現れた画像が、量子力学の原理を普遍化した数式だったなど、不思議な体験を持つ保江氏ですが、理論的にこれらの信じ難い話を説明されると、それは真実なのだと思えてきます。
野菜の近くで暮らしたい
自宅から歩いて5分ほどのところに、スーパーマーケットチェーンのオオゼキ発祥の店があります。先代が始めた間口数メートルの乾物を扱う商店からスタートして、隣地の太陽神戸銀行跡地に店舗を広げ、向かいの競合店が潰れ、上場して巨大化していく姿は昭和の流通史そのものです。かつては面積あたりの売上が日本一になったこともある人気店ですが、最近はほとんど買い物に行かなくなりました。食事の回数が減ると、豆腐や納豆ならどこの店と買い物がピンポイントになり、最もお金を落としているのは業務スーパーです。徒歩圏に3店舗、車で通る先に3店舗ありチェーン店でありながら、値段と扱っている商品が店舗により異なるので使い分けをします。乾物類を中心に値段が安く、ロットの大きな商品があるために福島での旅館の仕入れにも使っていました。今でも福島に行くと地場のスーパーやJAで野菜を買いますが、最盛期の値段は東京の4分の1と魅力的です。業務スーパーがあれば、あとは野菜の近くで暮らしたいと思います。
すべてのタンパク質は植物由来
Netflixが2018年に製作したドキュメンタリー「The Game Changers:スポーツ栄養学の真実」を見ました。最近はほぼ菜食主義者なので本作の主張に驚きはありませんが、トップアスリート界での菜食主義者の増加には目を見張るものがあります。救世主だと思っていた小麦が悪魔だと人類が気づくまで1万年を要したように、巨大産業がバックにつく肉食論争は当分決着がつかないでしょう。菜食なんて無理と決めつける人も多いはずですが、人体の可能性と自分の運命は変えられます。この映画に出てくるアスリートや消防士、軍人が肉食から菜食に切り替える理由は、怪我や疲労からの回復の速さにあります。選手生活は怪我と回復を繰り返しますが、動物性タンパク質は複数の炎症化合物を生成してそれを妨げます。アメリカ14州にまたがるアパラチアントレイル3,522kmの走破で世界最速記録を樹立したスコット・ジュレクも完全菜食主義者として知られます。すべてのタンパク質は植物由来であり牛肉や豚肉は中継に過ぎないことは見落とされています。
より深いリアリティの核心
金曜日に福島県西郷村から東京に戻り翌土曜日には急ぎの用事で再び西郷に行きました。往復で軽く1万円を超える高速はよほど疲れたとき以外は使いません。早朝の国道4号線なら3時間半ほどしか要さず浮いた高速代で3,500円の那須湯本温泉の素泊まり民宿に泊まりました。民宿というよりは湯治場の自炊棟で、Wi-Fiやクレジットカード決済などあるはずもなく電気があるだけありがたいという心境です。2軒となりが共同浴場という特権的ロケーションで、風呂に行く度にご主人が鍵を開けてくれます。4、5人でいっぱいになる共同浴場は、星野リゾートでは味わえない温泉場の風情にあふれます。洗練とは程遠く豪華さを求める層なら逃げだしたくなる生活感漂う施設ですが、十分と言えば十分で産業化が成し遂げられなかった圧倒的なリアリティがあります。ホスピタリティビジネスに関わる人は非日常という枠を超えて、より深いリアリティの核心についての理解を広げる必要があるのでしょう。
寿命を延ばすのは飢餓
一般には受け入れ難いと思いますが、出張でも旅行でも泊まりがけで家を離れるときは断食の機会だと思います。その土地の美味しいものに興味がないわけではありませんが、何を食べてもそれなりですから、何かを口にして身体に負担をかけるよりは何も食べない方に魅力を感じます。世の中の美味しいものを食べ尽くしたいとも思いませんし、それよりはいつまでも美味しく食べられる健康体でいることを優先します。那須に泊まったついでに2日ほど断食をしましたが、いつものように身体の変化は嗅覚が敏感になることです。20人ほどが入れる大浴場に人が入ってきただけで他人が発する匂いをかぎ分けることができるのには自分でも驚きます。おそらく飢餓状態で体はサバイバルモードに入り、獲物を見つけるために嗅覚の感度を上げた名残でしょう。長寿遺伝子が活性化され、オートファジーにより細胞が浄化され自然免疫の機能が上がるなど、寿命を延ばす要因が栄養飢餓に関連していることを世間の人は過少評価していると思います。