中古車販売大手のビッグモーターによる保険金不正請求の波紋が広がります。強引な利益追求方針と修理粗利1台14万円のノルマにより、半ば組織的に車を故意に傷つける器物損壊が横行し、新品と偽り中古部品を使う詐欺行為もあったとされます。損保会社からの出向者も複数いて、その火種は周辺に及ぶ可能性があります。保険料上昇につながる企業犯罪にも関わらず、経営陣の会見が開かれないことも異様で、社長の報酬1年返上も信頼回復とは程遠く、金には金という品性の無さを感じます。他方で、コンプライアンスを強化することは、品行の劣る人間が成功を手にする社会の退化への対策にならないと思います。それはコンプライアンスが、組織人の保身のために使われ、企業経営からダイナミズムを奪うからです。人間性の回復なしに、経営に道徳を取り戻すことはできないのでしょう。