各地が熱波に襲われる時期ですが、連休初日に行った雨の甲子高原では、車載の気温計が14.5度を指す天然のクーラーによる別天地です。氷点下15度の厳冬期の寒さは身に染みていますが、体温を超える灼熱の東京と違い、自然の美しさに救われます。初めて甲子高原に来た7年前以来、心の健康を保ってくれるのは、阿武隈源流のブナ原生林の癒しだと思います。源流地域は雨が多く、那須おろしと呼ばれる突風は鉄筋コンクリートの建物を揺らし、雪の日なら1m先も見えない過酷な自然環境だとしても、無機質な都会と違い、生命の営みを感じることができます。祖先の苦労のおかげで、現代人は自然の脅威から身を守ることができるようになり、人類史上最も自然の恩恵を享受できる世代だと思います。しかし、自然と隔絶した生活を続けるうちに、その恩恵を過小評価し、感受性を失い、我欲に翻弄されているのかもしれません。