体験的に学び合う共同体

知的障がい者施設で朝の仕事をするようになり3週間が経ちます。仕事は単調に見えて、利用者と職員は答えのない課題について体験的に学び合う共同体に見えます。意思を的確に伝えることができない利用者の想いを受け止める日々は、現代人に一番欠けている相手が何を伝えたいのかを汲み取る知的作業です。自己責任論がまかり通る世知辛い世の中ですが、自立と福祉のボーダーライン上で苦しむ人は少なくありません。相手を理解するために、もう一歩踏み寄ることができるなら、世界はよほど住みやすい場所になることでしょう。仕事の学びに勝る刺激はなく、脳は慣れ親しんだ環境から離れることで向上し、新しい学びによる脳への刺激は、認知症リスクを75%低下させるとの研究もあります。しかし、最も魅力的な刺激は、事故の危険にあいながら、報われることがなくとも常に相手に寛容でいられる、自己犠牲をためらわない職員の姿勢です。

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