415kmより遠くまで走れる?

TJARに魅了されるのは、山岳レースが、自分がする唯一のスポーツというだけではありません。人体の可能性探求を通じて文明や近代科学の常識を問い直すのに、これほど適した実験はないと思うからです。日本を縦断する5万Kcalもの途方もないエネルギーがどこから来たかが解明されると、人間ははるかに少ない食糧で生きられるという、常識を覆す知見が得られるかもしれません。100マイルの山岳レースにおけるランナーの腸内細菌叢の研究は海外が先行しますが、荒天のためスタートから31時間後に中止となった昨年のTJARでも9名の選手を対象に順天堂大学が調査をしました。身体活動量が非常に高い状態では、免疫機能にとって重要な酪酸産生菌が減少し体調に悪影響を及ぼした可能性が指摘されます。酪酸産生菌の減少を防ぐための食品摂取により肉体疲労や体調不良を予防できるなら、人間はもっと遠くまで走れる可能性があり、今年の研究成果が待たれます。

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