生命力を高める冬

今年も残す所2週間となり、日中が一年で一番短い一週間を迎えます。自然に接する機会が少ない都会では季節の変化に対する感覚が単調で、暑いか寒いかぐらいの感情にとどまります。福島で暮らしていた頃のように、肌を刺す極寒の冷気と荘厳な純白の世界に圧倒され、初夏であれば燃えるような新緑の生命力を全身で感じることもありません。東京の我家に一本だけ残されたイロハモミジは、猫の額ほどのハーブガーデンとともに季節の変化を伝えます。庭があったときは樹木や草木に関心が向かないのに、失って初めて大切に感じるのは人間の愚かな性でしょう。他方で、人は欠乏状態で生きてこそ人生に充実を感じるものだと思います。これから始まる本格的な寒さを人は嫌いますが、人体は寒さに適応したメカニズムを持ち、皮下脂肪はエネルギー源となり断熱材として寒さから身を守り、内蔵脂肪は発熱物質として深部体温を上げます。寒さと飢えはエネルギーの必要性を伝えミトコンドリアを増やし、長寿遺伝子を活性化して生命力を高めようとしますが、人はその能力を全く健康に活かさず冬に肥満して生命力を奪うのでしょう。

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