年を重ねると感動する機会が減りますが、同様に緊張する機会も減ります。上意下達の企業組織にいる時なら多少は緊張する機会もありますが、組織を離れた今はほぼ皆無です。ご多分にもれず昔は人前で話すことが苦手で、頭のなかが真っ白になる経験をしましたが、コンサルティング会社でプレゼンの機会が増えると人前で話すことはむしろ得意種目になり、昨日のような日本工学院の授業など不測の事態が起きても緊張することはありません。一方で緊張感がなくなると何事にも惰性的になり生命力を失います。現代病の7、8割の原因は過度な緊張状態が続き交感神経が優位になり過ぎることですが、人間は緊張と弛緩の間を常に揺れ動いてバランスを取ります。緊張と同時にリラックスする余裕を合わせ持つとき、緊迫する場面であっても冷静に状況と同化できると思います。最近緊張した経験と言えば、南アルプスの数百メートルの切り立った、つかまる草もない崩壊地を這うようにして通過したときぐらいで、中年を迎えてからエクストリームスポーツにハマる人が多いのもうなずける気がします。人生は、緊張を伴う挑戦を避け守りに入ったときから衰退が始まるのでしょう。