帝国ホテルがサービスアパートメント事業を始めると伝えられます。ホテルグランドパレスの営業休止や霧島国際ホテルの廃業など老舗の経営悪化やオークラのダウンサイジングを見るとタワー館の99室をアパートに切り替えることに驚きはありません。新事業を育てる試みと日経新聞は報道しますが、サービスアパートメントは馴染みのある宿泊業態で、ホテル産業と区別する発想がこの業界を苦境に追い込んだと思います。賛否がありそうな一ヶ月36万円からという破格の料金設定は帝国ホテルの危機感を示します。新たに開発したルームサービスメニューは月額6万円、洗濯が3万円で利用できるならもはやホテルは著名人のための高嶺の花ではありません。宿泊業の黒字企業割合は18.0%(TKCの昨年9月期データ)で、これは飲食業の23.2%、小売業の43.3%、卸売業の50.8%、製造業の45.8%、サービス業の55.0%、建設業の58.3%と比べ最低で、93.5%という高い損益分岐点比率によりコロナ禍の影響をまともに受ける今後の決算では大半の企業の赤字化は明らかです。昔ながらのホテルを愛する気持ちが経営不振を招いたのなら皮肉な話です。