GoToで潤ったのは比較的高価格帯の宿泊施設だとされます。10年ほど前、まだ東京オリンピックが決まる前のホテル業界は景気が悪く、高級ホテルが今よりはるかに安く泊まれる時代でした。GoToで実質半額ほどの価格なら人々が高級施設に泊まる気になるのも当然です。他方、無駄な脂肪がこの10年で20kg分落ち、本当の空腹を待つためなら一日一食の生活が好ましいと思える心境変化から、高級施設が持つ虚飾化、虚栄化が鼻につき始め本音で楽しめなくなりました。長寿遺伝子やテロメアが注目を集め始めたのもこの10年ほどで、従来考えられていた以上の運動量が健康維持には必要とされるようになり、今は空腹のまま修験者のように山中を長距離移動した方が意識の上でも快適です。そんな風変わりな嗜好を持つ人は市場のごくわずかしか占めないと思う一方で、FB友達にはそれをはるかに凌駕する変態が少なくありません。旅の本質を考えると、決してそれは他人軸の外的手段で欲を満たすことではなく、トラベルTravelの語源であるフランス語のTravailが苦しみを意味するように、苦労を伴い世俗から自分を切り離し、自らを高め変容させる内省の機会なのだと思います。