学術的知識を持つ専門職を指すキュレーターがトレンドセッター的により広範な意味で用いられるようになったのは比較的最近です。ファッションや食、旅行などスタイリッシュなライフスタイルを提案することで新しい流行傾向を先取りし消費者の好みや欲求を喚起します。流行にはいつも金の臭いと欺瞞がつきまとい、昨今のキュレーターという言葉にもどこか胡散臭さを感じます。キュレーターが真に必要なのは医療の分野だと思います。昔は金持ちの関心は有名な医者や政治家と知り合いになることでしたが、今では医者に近づくほど過剰医療の犠牲者になる可能性が指摘されます。医療費のかなりの部分は必要を超えて人為的に作られた病気に使われます。薬の処方頻度とアルツハイマーを始めとした様々な病気の発症には明確な相関がありますが、多くの人は因果が逆転していることを見落とします。「病院のCEOを選ぶなら病院を治療のための機関から、治療する人のマネジメントをする機関に変えることのできる人を選ぶ」と述べたのはピーター・ドラッカーです。日本を薬漬け大国にする理由は医療機関がキュレーターではなく製薬業界の代理店だからだと思います。