福岡空港に昨日無言の帰国をした中村医師のひつぎをニュースで見ると涙が止まりません。死の危険を顧みず30年にわたるアフガニスタン復興にその生涯をかけ異国の地に斃れた無念さだけが理由ではありません。活動した地域の住民がその死を悼んだように「私たちに生き方を示してくれた」からだと思います。種の保存を最大の使命とする生物は本来怠惰なものです。ライオンが狩りの時以外は寝そべるように人も必要がなければ働きません。自分の世代は年金逃げ切り世代になるのかもしれませんが、そんなものに期待する生き方は精神衛生上良くありません。成功者の多くが貯金よりも自己投資を勧めるのはそれなりに意味があると思います。挑戦こそが最大のアンチエイジングで前に進むことでしか人は生命力を保つことができません。年を重ねたからではなく好奇心を失ったときに人は老いると言われますが、好奇心の対象として仕事ほど素晴らしいものはないと思います。平和への純粋な思いと不毛の大地を蘇らせる社会的な意義が重なった73歳の偉大な生涯こそが人生の理想であり、その体現者を失った喪失感を世界が共有していることは唯一の救いです。