裏取引文化の再評価

東京五輪のマラソン会場を東京から札幌に移す計画の発表は衝撃的でした。開催地としての妥当性よりもその意思決定プロセスが新鮮です。裏取引で事前に物事を決め、もっともらしい顔で平穏無事に議事が決まる根回し文化に慣れた日本人にとって、大会担当国務大臣や開催地の都知事さえ寝耳に水のIOC決定には違和感を覚えます。欧米企業においてはリーダーシップが重視され、日本経営品質賞の先祖であるマルコム・ボルドリッジ賞(米国国家経営品質賞)ではリーダーシップの評点に重きが置かれます。日本的な集団意思決定と欧米的なリーダーシップカルチャーの違いは一長一短ですが、少なくとも日本人同士ならこの時期に開催地を変更する決定は下せなかったはずです。アスリートファーストとは裏腹に放送権やスポンサーを軸にことが決まり、決定事項には従順に従う日本的風土の再評価が必要な時期かもしれません。一度だけ出たグアムマラソンのスタートは朝の3時ですがそれでもすぐに汗が吹き出し、7時には太陽がのぼりますのでサブ4でないランナーにとっては過酷なレースになります。酷暑の東京開催を決めた人たちのなかにフルマラソンを走った人はいないのではと疑いたくなります。

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