立教大学や日本工学院の授業で聞く力の本当の凄さに気づいたのは偶然です。聞く力というと、傾聴に代表されるように相手を尊重し非言語の背景を理解する能力と解釈されますが、聞く力の本当の凄さは発想力や問題解決にあると思います。授業はケーススタディ形式で、同じような状況にあったA社は成長したのになぜB社は低迷したのか、といった質問をします。学生の前で恥をかくわけにいかないので自分の考えをある程度まとめてから質問をしていたのですが、あるときその理由が自分でも分からないうちに不用意に学生に問いかけたことがあります。頭が真っ白になりかけたのですが学生が言うことを集中して聞くと数人の学生が意見を言ううちに自分ではたどり着けなかった考えが見えてきて、以来自分の考えがまとまらなくてもとりあえず質問を投げかけるようにしました。学生なんてロクにものを考えていないという思い込みを捨て相手を信頼して聞いてみると、自分では出せなかったアイデアがどこからともなく降ってくる共同作業が単なる偶然ではないことに気づきます。