平和な時間の尊さ


日本の都市は平野にあるので、ソウルのように都市に山岳が迫る地形は新鮮です。600年前に築かれた城壁があることもソウルの卓越した観光資産です。故宮を囲む第一の壁である宮城に対して、漢陽の街全体を囲む全長18.6kmの第二の壁が都城です。仁王山の城壁の近くにあるブックカフェに行きました。この建物は、1968年の北朝鮮による青瓦台襲撃未遂事件を契機に、大統領府を守るために置かれていた警備哨所で、30か所あった監視塔の一つを、2020年にリノベーションした建物です。既存のコンクリートや骨組みがそのまま使われ、デザイン的にも必見です。このカフェを卓越した存在にしているのは、ソウル全体を一望できる立地が、南北分断の歴史的象徴として50年以上に渡り使われてきた歴史と同居するからでしょう。1960年代の無骨なコンクリートと、2020年代のガラスと金属が美しく融合するカフェにいると、平和な時間の尊さを考えさせられます。

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