文化住宅的価値観


昨日は南会津の古民家改修現場に行きました。古民家は代替わりのたびに増改築を繰り返しますが、近年のそれは明らかな劣化です。おそらく最後にこの家を改修した人は戦中世代であり、何よりも生理的な快適さを追求することが豊かさを実現するための至上命題だったのでしょう。昭和に作られた、当時はゴージャスに見えたかもしれない天井や、木目がプリントされた薄い板が外されると、この家をユニークな存在たらしめている、明治時代の大工さんが手彫りで彫った梁や柱が現れます。結局のところ、文化住宅的価値観とは、作っては壊す劣化した文明であり、新建材を持ち込んだ瞬間にアンティークな温かみをもった家はガラクタになります。後から作られた偽りの進化を産業廃棄物として処分することには何の躊躇もなく、この家をなるべく明治30年代と思われる当時の姿に近づけたいものです。

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