近所の建売住宅には家とは不釣り合いなベントレーやポルシェが置かれるのですが、最近そこに真新しいランボルギーニが加わりました。この奇妙な光景はおそらく日本固有のものだと思います。風呂なし四畳半に住んでフェラーリに乗るといったライフスタイルが、かつて話題になりましたが、自動車は今でも消費財の王様なのかもしれません。何を見ても羨望のまなざしを向けた子供時代に見たランボルギーニは、路上に降臨した畏怖の対象でしたが、今やオーラのないパイクカーに見えます。産業が隠したい真実は、たとえそれが高嶺の花のスーパーカーだとしても、その人が最初に乗った原初の体験を超えることができないことです。原付であれ軽自動車であれ、初めて原動機の力で風を切って走ったあの日以上の感動を伝えることは不可能です。豊かさを手にした消費者は、消費によって昔のようにワクワクすることはないのでしょう。