琉球八社の一社である末吉宮に行きました。首里城にも近く、都市部にあるとは思えないうっそうとした森は一大聖地を形成してきたことが偲ばれます。1456年頃に創建され、本殿は沖縄戦の砲撃により破壊され、現在見られるのは1972年に復元された社殿と周囲に散在する、祭祀を行う御嶽や拝所とそれらを結ぶ石段です。琉球に古来伝わるアニミズム、祖霊崇拝のための神聖な森に立つと、ただならぬ気配がただよい、この地が古くから信仰の対象として崇められてきたことを感じます。商業空間として整備された首里城とは対照的に、超自然的なアニミズムの痕跡をたどることができます。観光地として整備された場所は何も訴えてきませんし、単なる視覚情報として右から左に消費されていきます。モノからコトへと言われガイドツアーも頻繁に行われるようになりましたが、何かを感じるためには他人の存在が邪魔になります。産業化、商業化以前に、観光資源と意識された瞬間に、その場所に漂う地霊を感じることはできなくなるのでしょう。