上りも下りもかけがえのない時間

昨日は八ヶ岳の編笠山に登りました。氷点下8度の登山口から参道のような九十九折を登っていくと神聖な気持ちになります。突然ドーンという音とともに森の静寂を破って一陣の風が吹き抜けます。夏なら子供でも登れる気楽な山ですが、強風で知られる冬季は登山届が必要な難所であり、樹林帯で引き返すことにしました。快晴であっても山は突然牙を剥き人間の弱さを教えてくれます。我々の住む世界は自然と人工的な都市に分けられ、一人で山に入ると意識は自分の内面に向かいますが、都市においては外界にばかり目を奪われやがて無自覚になります。都市の先にあるものがメタバースなら、そこは人間の意識の自律性を支配された牢獄に見えます。一方で自然の先にあるものが超自然ならそこには次元を超える無限の可能性の世界でしょう。紀元前から知られるように、自然から離れるほど人は自分を見失い健康を損ないます。そんなことを考える内省の登りと打って変わって、下りはスノーランの楽しさに没頭できます。雪のついた登山道は上りも下りもかけがえのない時間を与えてくれます。

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