幸福に寄与する美しさ

昨日は旅館のある甲子高原に行きました。標高800m付近では紅葉が見頃を迎え、平日にも関わらず行楽地に向かう道の交通量は目立って増え道の駅は車であふれます。落葉広葉樹中心の森が美しいのは生命力あふれる新緑と冬を目前とした紅葉の季節です。やがて葉が散ると純白が支配する厳冬期が訪れ、再び芽生えの季節がめぐり、燃えるような夏がやってきます。宿の周りの木々は自生しているもので、派手さはありませんが美しさに引き寄せられます。美的経験は喜びでありながら、食欲や功利欲のように衝動的な欲望を引き起こさず、欲望を伴うものは美的経験ではありません。人間には欲望と感動の2つのシステムがあり両者は大概矛盾しますので、身体に悪いと思って食べている美食は美的経験ではないのでしょう。美しいと人々が感じる多くのパターンは自然物から生まれ、時間が経過してもその美しさは変わりません。美しいものに囲まれた環境は、人間の体を健康にして認知機能や気分を向上させます。週末に人々が都市を離れ自然の元へ向かうのは美しさが人間の幸福に寄与することを知っているからでしょう。

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